学部3年生と変形ストップモーション方式の授業検討会〜改めてその有効性を実感する〜
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教育雑誌「授業づくりネットワーク」が月刊誌時代には目玉記事の一つで、毎月、全国の教室に入り、このストップモーション方式の授業検討会の記録を掲載していました。その場にいなくても授業の様子、そして、その指導等々の意味、意義、価値などを知ることができて一人でいても授業技術を身につけるために役立った感覚があります。 前時、現職院生さんに学部生に向けて模擬授業をしてもらいました。 この授業を「変形の」ストップモーション方式の授業検討会で振り返りました。「変形」というのは次の部分です。
1 授業を行ったその日のうちに行わず、授業をしてから4日たっている。
2 検討会の場所に授業者がいない。
特に、「2」の部分は疑問、質問、意見が飛び交った時に授業者からすぐに「考え」が返ってこないところは、ストップモーション方式としてはずいぶん欠けているところではあります。それは授業者である院生に無理をお願いできないので仕方ない部分です。まぁ、わたしも含めて出された話題を「ああでもない、こうでもない」と互いに話し合うことも、やることに少しは価値があるのではないかと考えます。
逆に(というほどのことではありませんが)、この「変形」の工夫として、4日後に行っているので、録画した映像を編集する時間があったということです。わたしは、2つのカメラ(後ろからの全景とGoProでのアップ)で授業を録画していたのでそれを1つの画面に映るようにできたことです。 で、本題
ストップモーション方式の授業検討会のざっくりとした進め方です。
参加者全員で授業映像を見ていきます。
気になる部分があるとき、誰でも「ストップ」と声に出して映像を止めてもらいます。
気になったこと(疑問、質問、気付き)を口に出します。
授業者を含めて、意見交換をします。
一通り意見交換が終わったら、再度映像を進めます。
これを繰り返します。
これを初めて体験する学生たちが、それなりにでもいいから進められるかというところが今回のポイントでした。
しかし……心配は必要ありませんでした。
学習形態のこと、学習者の心情のこと、対話と討論のこと、それに関わる授業目標のこと……など多様なやりとりが生まれました。改めて、ストップモーション方式の授業検討会の可能性を感じました。
学習者たちには「今、だから気づくこと、必要なこと」があるわけで、わたしたち(ベテラン経験者)が「必要なこと」「大切なこと」を伝えたとしても、それが一致するかはまた別な話です。そういう意味では、「学び手」としての学習者の状況が一番大切なわけです。このストップモーション方式の授業検討会は、学び手自身が映像をストップさせて、参加者同士意見を交換します。つまり、その場にいる人達の間で必要な場面の状況の話が展開されるのです。これほど、効果的、効率的なやりとりはないでしょう。
もちろん、そして、たぶん、それが成立するためには条件があります。
そこの構成員が、誰でも意見を交換しやすい関係性を持っているということです。その構成員の中で強烈な序列ができており、特定の人間だけが話し続けるということでは建設的な交流活動は生じません。もちろん、誰も何も発言しないまま授業映像だけが流れ続けるという可能性があります。これじゃあ、単に授業映像鑑賞会になる可能性があります。しかし、今回の学部3年生たちは、しっかり意見を交換し合える関係性を持っていたので、次々と発言が生まれていました。
なるほどなぁ……。
これからも、もう少し突き詰めてみたいです。
ストップモーション方式の授業検討会。
これ、現場の授業検討会でも有効に活用できないかなぁ。
時間がかかることがたぶん一番の問題点なんですよね。そこをクリアする方法を考えてみたいですね。