もし、このコロナ禍の最中、現場にいた(担任教師)としたら、使ってみたいと思うウェブサービス:FlipGrid
もし、休校が続くであろう小中高等学校の担任教師として、わたしが勤めていたとして、一般的にまだあまり有名じゃなくて、でも、(わたしにとって)とても使い勝手が良いであろうウェブサービスを紹介します。
https://gyazo.com/02d53ece1a1b7a71345330d476371169
FlipGridって何?
出発点は別の会社だったようですが、今、Microsoftが買い取って無料で利用できる動画を利用した教育システムです。 もう少し、具体的にわたしの言葉で説明すると、
先生が、「問いかけ」「質問」「課題」等を出して、それに児童生徒が最大10分の動画で答えます(投稿します)。
児童生徒が答えた動画は(登録された)クラス全員に見られるようになっていて、興味関心ある動画に対して、動画でコメントする(投稿する)ことができます。
FlipGridの何が魅力的なわけ?
ICT環境を整えやすい
コロナ禍の最中、オンラインだ、オンデマンドだ……と世の中、たいへんですが、まずもって一番の課題は、自分が担当する児童生徒が、教師や学校がやりたいと思っているICT機器を持っているか(準備できるか)、インフラが整備されているかということが一番の課題でしょう。
FlipGridの場合、児童生徒に必要なのはスマートフォンだけです(もちろん、ネットに接続できるカメラ付きPCでも利用できます)。小学校に焦点を当てて考えると児童自身がスマホを所持してるいる率はずいぶん低いでしょうが、世帯(家族)でのスマホ所持率を考えれば、今やほぼ100%と考えられます。
もちろん、ほぼ100%は100%とは違いますので、自分が担任する学級に家族でスマホを所持していない児童生徒もいるでしょうから、そのあたりの配慮は必要です。
同じ時間に接続する必要はない
オンラインで同時接続することで、遠隔であっても一体感をもったり、同じ空気感を味わったりできるということでZoomによる時間帯を合わせた「朝の会」や「学活」のようなものを考えることもあるでしょう。それはそれで意味あることと思います。しかし、進行の仕方によりますが、2,30人いる児童生徒が短い時間のオンラインの中で全員が活躍できる、満足する会を進行できるかどうかとなるとなかなか難しいものです。もしかしたら、先生が児童生徒を管理するためだけのオンライン「朝の会」「学活」になってしまう可能性があります。
FlipGridの場合、時間を一斉に合わせるということにはなりませんが、学級全員と関わりながら、個別のやりとりができます。
例えば、FlipGridでどんな使い方を考えているの?
すでに、小学校の各教科でFlipGridを活用し、発信している方がいらっしゃいます。FlipGridの入門から、FlipGridでの授業活用まで内容は多岐にわたります。空想で語っているわたしなんかより、実際にやったことを紹介してくださっていて実践的ですのでぜひ参考にしてみてください。
で、今ならわたしでしたら、「今日一日の何かを切り取って、FlipGridに投稿してください」として、毎日の提出を求めます。(つまりは、動画による1日学級共有日誌です)
時間は短くても長くても(もっとも最大10分ですが)かまいません。
内容は「今日、こんなおもしろいことあったよ」でも「今日、読書しててとても感動したので、その本の紹介をします。えっとね〜」でも「今日取り組んでいた算数(数学)の問題が難しくて解けなくて悩みました。教科書の◯ページの問題◯です。誰か、わかりやすい解き方を求む!」でも何でも構いません。
ただし、友達を傷つけるような内容や法に触れるような投稿はしないでください。
動画でコメントをつけあえるので、ぜひどんどんコメントをしあいましょう。その時も友達と傷つけるような内容や法に触れるような内容はしないようにします。
コメントすることは義務ではありません。気楽に過ごしましょう。(担任である)先生は、全員になにかしらのコメントをつけるようにします。
こんな感じでしょうか。
休校での過ごし方、感じ方、みな、それぞれだと思います。教員であるあなたが不安であるからといって、児童生徒が不安で過ごしているかと言うと、そうかもしれませんし、そうではないかもしれません。学校に行くことでストレスを感じていた子どもたちにとって、公に全員が学校に行かなくてよい毎日は今までの人生の中でとても気分良く過ごしているときかもしれません。
ただ、よくとも悪くとも、子どもたちが「分断」「孤立化」されているのは事実です。そこで、FlipGridという「映像(動画)」を気軽に使えるウェブサービスを通して、別々な空間で生活しているけれども、各自、自分の考えのもと、工夫して過ごしている……という「感覚」または「空気」を感じるような「しかけ」をつくっていくとよいのではないかと思うのです。
利用する上での配慮(気がかりなところ)
上のような、わたしの使い方、言わば「映像日記交換」みたいな実践を進めるに当たり、若干気がかりなところがあります。
一つは、全員がスマホを準備できるかということ。これは、でも最初に書いていますが、案外ハードルが低いのではないかと思っています。つまり、ほとんどの家族で誰かがスマホを利用しているのではないかと思っています。
二つ目は、学級の友達関係に関係しますが、「全員の動画の投稿」を求めることになりますので、スキル不足で投稿できないではなく、級友の目にさらされたくないという理由で投稿をしたくないという子もいるかもしれません。
三つ目は、上と関連しますが、投稿された動画に対する動画のコメントに偏りが見られる可能性があるということです。これはこれで、Facebookで「いいね」が10ついただけたった自分と、100ついた◯◯さん、と比較するがごとく、子どもたちは目ざとくいろいろと考えてしまうかの生があります。
上の2と3について、学級の状況について、始めるに当たり、独自の配慮が必要かもしれません。FlipGridにはもちろん、動画投稿(コメント動画投稿も含)には管理者の許可があって初めて投稿されるというような、管理する側にはついていてほしいと思う機能はついています。これらを利用しつつ、「教師ー子ども」「子どもー子ども」の人間関係の構築を考えていかねばとも思います。
FlipGridのイメージを簡単に掴んでもらえる動画
FlipGridの使い方を短くまとめた動画アップされています。2018年当時なので、今のFlipGridにはもっと機能が追加されているはずですが、イメージとしてよく分かると思います。
https://youtu.be/e1BrPS7XIw4
授業で、小学生が、活用するFlipGridの様子はこちら
日本の小学校でのFlipGrid活用実践といえば、繰り返しになりますが以下が充実しています。動画での実際の説明が各ページについていますので、とってもわかりやすいです。とってもおすすめです。