リヴァイアサン
人間の自然状態を、決定的な能力差の無い個人同士が互いに自然権を行使し合った結果としての万人の万人に対する闘争(羅: bellum omnium contra omnes, 英: the war of all against all)であるとし、この混乱状況を避け、共生・平和・正義のための自然法を達成するためには、「人間が天賦の権利として持ちうる自然権を国家(コモンウェルス)に対して全部譲渡(と言う社会契約を)するべきである。」と述べ、社会契約説を用いて、従来の王権神授説に代わる絶対王政を合理化する理論を構築した。ホッブズはこの国家(コモンウェルス)を指して「リヴァイアサン」と言っている。口絵の上段に描かれている王冠を被った「リヴァイアサン」は政府に対して自らの自然権を譲渡した人々によって構成されている。