経済
なぜ経済が社会システムにおいて重要か?
政府が一切何もせず、人々の自発的行為に任せていると、以下のようになる。
人は自分が欲しい、必要だと考える財物を、自分で所有することをよしとする。
所有とは、その財物の制御権を完全に自分のものとし、他人に関わらせないことである。
貸したり、贈与することにより、制御権を一時的または恒久的に渡す権利も含む。
少なくとも、衣食住に関しては共有が困難なものである。
共用の住居であっても、少なくとも個人が生活するのに十分な空間が必須であり、寝る場所が個別に必要となる。
人々の間では所有物の物々交換、もしくは相互の貸し借り、贈与でなんとかしようとする。
物々交換も、一時的な貸しと借りで記憶されて精算されることもある。
労働するかどうかは気まぐれに決定され、安定することはない。皆、嫌な仕事はやりたくなく、楽しい仕事はやりたがる。嫌な仕事を誰もやらなくなれば社会システムは崩壊する。
これを解決する方法としては、誰かに強制労働させるか、やりたいと思えるほどの対価を与えるか、機械により自動化するしかない。
通貨制度がなければ、常に個別決済になるため、大量の資源の流通は極めて困難になる。
通貨制度がなければ、疑似通貨として、何らかの共通する財物が取り引きに使われるようになる。
昔は塩とか米が貨幣の代わりに使われていた。
銀行が独自の銀行券などを発行してそれが取り引きに使われることもある。
このことから少なくとも必ず政府が発行する通貨が必要となってくる。