MS-PowerPoint
到達目標
PowerPointを使ってスライドを作成できる
円滑にプレゼンテーションを実施できる
PowerPointとは
プレゼンテーション用のソフトウェア
ゼミ,卒業研究,会社でなど様々な場面で利用
スライドの例: 三田図書館・情報学会ベストプレゼンテーション賞
スライド共有サイトの例: Speaker Deck
スライド単位での操作が可能
→ 順番の入れ替えなどができる → ざーっと書いて考えを整理していくなども楽
PowerPointで下書きし,Wordで文章を仕上げる場合も → パラグラフライティング(MS-PowerPoint#6079406690de6b00008e3977)参照
簡単な画像編集ソフトとしても利用可能
ペイントやWordの描画キャンバスよりも扱いやすい
PowerPointのショートカットキー
コピー(Ctrl+C)・貼り付け(Ctrl+V),前に戻る(Ctrl+Z)など基本的な操作はWordやExcelと同じようにできる
以下では,PowerPointで特に大事な操作だけ挙げている
詳しくは,キーボード ショートカットを使用して PowerPoint プレゼンテーションを作成する
table:PowerPointのショートカットキー
操作 ショートカットキー
インデントを増やす (行頭で)Tab
インデントを減らす (行頭で)Shift + Tab
スライドの追加 Ctrl + M
スライドショーの開始 F5
選択中のスライドからスライドショー Shift + F5
スライドショーの終了 Esc
スライドの作成
書式等の変更
Word,Excelと同様の操作で,書式の変更や図表の挿入が可能
https://gyazo.com/a4209096461102f85cb6c81440f7c89c
スライドの追加と削除
追加
「ホーム」タブの「スライド」→「新しいスライド」
スライド一覧を右クリックして,「新しいスライド」
削除
スライド一覧を右クリックして,「スライドの削除」かDelキー
スライドのレイアウト
文字や図の配置のパターンをレイアウトという。PowerPointでは標準で複数のレイアウトが用意されている
基本は「タイトルとコンテンツ」
編集していてレイアウトがおかしくなった場合は,「ホーム」→「スライド」→「レイアウト」から任意のレイアウトを選択すると元のレイアウトに戻る
「タイトルのみ」や「白紙」を使うと自由なレイアウトでスライドを作成できる
https://gyazo.com/0aee4e4de394aa9c732ae66f5f7ba91d
箇条書き
基本は箇条書きとインデントを使って文書の構造を表現する
箇条書きの先頭でTabキーを押すあるいは「ホーム」→「段落」→「インデントを増やす」でレベルを下げる
Shift+Tabキーあるいは「ホーム」→「段落」→「インデントを減らす」でレベルを上げる
スペースでレベルを調整しないこと
★フォントの色を変更して,箇条書きのマークの色も変わってしまった場合は,「箇条書きと段落番号」から,「色」を「自動」ではなく黒などに設定する
https://gyazo.com/58e81519f546b6b2d886f779e151b113
https://gyazo.com/3ac1b8cf01917e8da8c3d2539a38f07a
パラグラフライティング
PowerPointのスライドは,パラグラフライティングと非常に相性が良い
パラグラフ(段落)とは「文章の一区切りで,内容的に連結されたいくつかの文から成り,全体として,ある一つの話題についてある一つのこと(考え)を言う(記述する,主張する)ものである」(木下是雄『レポートの組み立て方』)
パラグラフで取り上げる話題(トピック)を述べた文「トピックセンテンス」と,トピックを展開するための文,ほかのパラグラフとのつながりを表現する文で構成される
パラグラフを中心とした論理的な文章作成技法を「パラグラフ・ライティング」と言う
PowerPointではスライド順の入れ替えなどが簡単なので,考えの整理にも使いやすい
https://gyazo.com/ebb654ae9d2666cfb5a1b19d109816ed
ノート
スライドの下部の部分をドラッグする,あるいは下部のバーの「ノート」をクリックすると,ノートのエリアを表示することができる
ノートにはスライドの読み原稿などを入力しておく
https://gyazo.com/a8475915490f5d19dd6dfb9c57591a7b
発表者ツールを使うと,ノートや経過時間を見ながらプレゼンテーションできる(画像はマイクロソフトによる説明ページより)
発表者ツールは便利ですが,Zoomでのオンライン発表など環境によっては使えないことがあるので,次善の策(読み原稿を印刷しておくなど)も検討しておくこと
https://support.content.office.net/ja-jp/media/3bce6ccd-a45f-45c4-8e3f-db1690c7a8da.png
デザインの変更
テーマ
既成のテーマ(テンプレート)を選択して,スライドのデザインを変更できる
テーマの中には,フォントの選択に違和感があるものや,文字を入力できる範囲が著しく狭いものもあるので,選択には注意が必要
https://gyazo.com/564960014841ca20fe8e73c916a02b30
あまり良くないテーマの例
テキストを入力できる領域が狭い → 文字が小さくなってしまう
フォントが明朝体 → 一般的に視認性が悪いとされている
スライドでは線が太くて見やすいゴシック体(サンセリフ体)を使うのが一般的
https://gyazo.com/592fbb3ba59a300618806831f6a7aec1
バリエーション
「配色」,標準の「フォント」,「背景のスタイル」などを設定できる
既製のテーマを利用した場合,バリエーションを変えておくと若干オリジナリティを出すことができるでしょう
おすすめできないテーマでも,フォント等を変更して改良できる
https://gyazo.com/91d6ff100f460c69302b91e3a20dd8de
スライドのサイズ
PowerPoint2013以降ではスライドの初期設定が「ワイド画面(16:9)」
発表用のスクリーンがワイド画面に対応していないと上下に黒帯ができてしまうので,発表の際には会場の出力環境を確認しておくのが良い
アニメーションの設定
効果的なアニメーションにするためには,不必要な使用は避けるのが原則
アニメーション
アニメーションを加えたいものを選んで,「アニメーション」→「アニメーション」から選択。大きく3つのパターンがある
開始: 隠しておいて,アニメーションで表示させる
強調: 表示しているものを,アニメーションで強調する
終了: 表示しているものを,アニメーションで隠す
自然な動きになるように気をつけましょう
横書きテキストは左からワイプさせる(✖ 横書きのテキストが右からワイプする)
円グラフは時計回りに表示させる(✖ 円グラフが反時計回りにホイールで表示される),など
https://gyazo.com/54be3e60e1d6b6d3e911c7c41674d04f
★画面切り替え
スライドを切り替える際に演出を加える事ができる
「タイミング」にある「すべてに適用」ですべてのスライドで共通の切り替え演出になる
演出が長いものは,「期間」で時間を調整すると良い
過剰な演出は,聴衆は鬱陶しく感じる可能性もあるので,相手や発表の場の雰囲気を考えて使うのが良い
https://gyazo.com/baae1401cc7f5c36a6ff044cdd25f770
プレゼンテーションの実施
スムーズにプレゼンテーションを開始する手順を理解しておきましょう
「スライドショー」タブの「最初から」
F5キーが先頭のスライドから開始のショートカットであることを覚えておくとスムーズにプレゼンテーションをはじめられる
特定のスライドを表示したい場合は,Shift + F5
https://gyazo.com/49eb7d7b85e649b3d30e45ac76b6b3d1
スライドショー中に右クリック→「ポインターオプション」から仮想レーザーポインタで指示したり,ペンで書き込みをしたりできる
★スライドショー操作のショートカットキーを覚えておくと効率的なプレゼンテーションができる
スライドショー実施中にF1キーを押すと,ヘルプを見ることができる
https://gyazo.com/71e0a27d936c56755a9c4afbb8c82b63
印刷
スライド1枚ずつを印刷する以外にも,配布資料やノートの形式でも印刷できる
配布資料: 複数のスライドを1枚にまとめて印刷。6スライド/用紙が無難
ノート: スライドの下に「ノート」で入力したテキストを一緒に印刷。プレゼンテーションの際に手元に置いておくと発表者ツールが使えないときにも安心
https://gyazo.com/f85499a25f7ca6c4388068989104c298
★スライドマスター
スライドマスターを編集することで,簡単にオリジナルのテーマを作成できる
フォントの変更(種類,サイズなど)
プレースホルダの位置・サイズの変更など
標準で表示される画像の設定(企業などのロゴ),などなど
「表示」タブ → 「スライドマスター」
全てのレイアウトを変更する必要はなく,「タイトルとコンテンツ」を編集しておけば多くの場合は問題ない
マイクロソフトによるスライドマスターの解説
https://gyazo.com/6fea7e6ad0c81bc14611ca247d2bcbd1
スライドの構成
聴衆のことを考えると,話の流れはとても大事
人の話や授業を聞いていてつまらないと思ったときはどう変えれば面白くなるか考えてみましょう
スライドを使った一般的な発表では以下の様な構成を取る(無難だが,聴衆にとっては退屈になるかもしれない)
序論・イントロダクション
タイトルスライド
発表タイトル,氏名,所属など
発表の構成・目次
発表の目的・概要
本論
メインの発表内容
研究発表の場合は,背景→研究方法→結果の順が多い
まとめ
結論・まとめ
タイトルスライド(最初のものと同じで良い)で締め
補足資料
質疑応答がある場合は,想定質問用のスライドを用意しておく
非表示スライドに設定しておくと良い
スライド作成の原則
文字はなるべく大きく見やすく
見出し 36~44pt,レベル1が28~32pt,レベル2が24~28pt程度,それより小さいレベルは使うかどうかを検討する
フォントの基本はゴシック体(サンセリフ体)
https://gyazo.com/902ef2a60f311ed5ff22cfde44e6b060
明朝体はじっくり読むのには適しているが,ひと目では分かりづらいこともあるので基本的に使用しない
Windowsでも,最近は,游ゴシック,メイリオ,UDデジタル教科書体(ユニバーサルデザインフォント)など見やすいフォントが増えている
プレゼンを伝わりやすくする、おすすめフォントと基礎知識(PowerPoint Design)
スライドにはすべて内容を端的に表す見出しを付ける
そのスライドでなにを伝えたいか(トピック)をはっきり示す
「結果(1)」,「結果(2)」のような見出しは×
テーマ(テンプレート)選びは慎重に
文字のスペースが小さくなるようなテーマは使わない
図表・画像は大きくはっきり見せる
アニメーション・画面切り替えは効果的に ← 不必要な場面では使わない
色はせいぜい3色程度で
色の見え方は人それぞれ。だれにとっても見やすい色使いを心がけましょう。
配色のバリアフリー(伝わるデザイン)
1枚のスライドに情報を詰め込みすぎない
箇条書きを上手に使う
インデントで関係を明確に → 箇条書きを上手に使う
文字・画像のレイアウトにこだわる
Wordのときと同様に,「配置」メニューを使うと簡単に揃えることができる
「表示」タブの「表示」で,「ルーラー」,「グリッド線」,「ガイド」を表示しておくと,レイアウトの参考になる
デザイン・文章表現など全てのスライドで統一する
参考になるページ
伝わるデザイン
書籍版(日吉に所蔵あり)
プレゼンデザイン
発表の心得
発表者
大きな声で,聞き取りやすい速度で話す
聞き手を見て話す
原稿を読み上げるだけにならない
発表の時間を守る
→ 慣れるまではどれも難しいので練習をする・発表の経験を積むことが大事
聴衆
発表を聞く際には聞く姿勢を取る
質問は簡潔明瞭にする
→ きちんと聞く姿勢が発表者にも影響します。良い聴衆になることも心掛けましょう
#授業 #PowerPoint