Prosody・冬
https://gyazo.com/125cc829be7c4acf5ef840550d26a0b9
もやい舫結 ゆる緩して われ我の あやつ操舵る ひとよ一夜ぶね舟
あいの相乗るひと人を ま待つとせしまに
ひとり一人あそ遊べば よ は夜半ぞ くだ降ちぬ
https://gyazo.com/64434517ce38a345345eaed599beff99
ちはやふる かみよ神代のひかり 光 の またた 瞬 きは
いく幾 おくこうねん 億光年 かなた彼方から
とど届けられたる メッセージ
https://gyazo.com/101d63ef8851f2f155174edfa56bc63e
ふゆ 冬 た立てば ふゆ冬のかお 顔して えら偉そうに
あまざけ 甘酒 の飲んで げんき元気 だ出す
https://gyazo.com/6cc3a5ee1f9f93b3338d7f419572c748
ごくづき 極月 に ゆびお指折りかぞ 数え
のこ残る ひ日と のこ残したしごと仕事 くら比べつつ
なに何はともあれ キープしておく
こころあ 心当て な無き クリスマス
https://gyazo.com/fb5e4634ed1cf976228799e8bbf0f505
またいつか
お あ会いしましょう おげんき元気で
と い言ったきり
じゅうくねん 十九年 め目にとど届きしは
ねんし年始のれい 礼を ひか控えるむね旨の
かぞく家族にかか 書かれし はがき葉書 いちまい 一枚
https://gyazo.com/069cfb517dfb6e78b1af58e042d896fa
か枯れ の野を ぬ濡らす あ明けのきり霧
てぐし手櫛のゆび指は かじか 悴 みて
と解けぬうれ憂いの もつれがみ髪
https://gyazo.com/1ff3516c7d7c86207e29f1cf79d3bf30
ゆきぐに 雪国の やまじ山路をあゆ歩み
おと音なきせかい世界の
むく無垢の ち地に
の残してかえ帰る
ひぞく卑俗なあしおと 足音 あし足のあと跡
https://gyazo.com/127f876e8cf49d4518a2a4813dc2ad64
きゅうし窮死した
さんしょううお 山椒魚 が うら恨んでたた祟る
きた北のはいしょ配所 の こお凍るたに渓
こ此のかいわい 界隈 の こわ怖い こ じ故事
https://gyazo.com/4e0a00c519b42e4b6c59c9a97adbf083
あさ 朝ぼらけ
わた 渡りて つ着きし みなどり水酉の
に わ 二羽 と いちわ一羽の さび寂しさに
そうはく 霜白のためいき 溜息 こぼして ふところて 懐手
https://gyazo.com/b3727a208122c0b015311f80eea82de4
へいかん 閉館 を つ告げてなが流るる ほたる 蛍 のひかり 光
かんらんしゃ 観覧車 の乗れなかったと
すね 拗るしまい姉妹は
また こんど今度ねのやくそく約束を
はた 果たさぬままに
あのとき時のはは 母 のよわい 齢 を す過ぎており
https://gyazo.com/ccedcd8f64ba3058103b8fa9d692590a
せかい世界 せいふく征服 あきらめて
さくせん作戦 こうどう行動 ほったらかして
きょう今日は あさ朝から おふろ風呂に は入る
プレミアム にゅうよくざい 入浴剤 もケチらない
https://gyazo.com/1a720e4d8906aeb1be3ca2687d48dfc5
にがつ二月ふつか二日 の ごぜん午前 に じ二時
じだい時代がかったいんえい陰翳の
テ ル ミ ニ終着駅 デジャブ既視感 ドッペルゲンガー自己像幻視
https://gyazo.com/0fa474c72cd52a454b9c7390d4701fcd
こたつ炬燵を だ出して おもち餅をついて
みかん蜜柑を た食べて くつした 靴下 かさ重ねて
ココアを の飲んだら ふゆ冬が く来る
やらなくっても ふゆ冬は く来る
https://gyazo.com/e69d238d4a11bb3aee98346912ca90ff
くじ挫けるもの者を はげ励ますような
くら暗いよみち夜道の ちい小さなあか明かり
だれ 誰をおも想いて とも灯したものか
われ 我のためでは ないとはしても
https://gyazo.com/64a48a9a83441db265812542e9e3a820
ひょうてん 氷点 の かな哀しいれいき冷気 す吸い こ込んで
むね 胸 のうち 内まで かちいろ 搗色 そ染めて
て 手も くちびる 口唇 も かきつばた 杜若
https://gyazo.com/b60d1ce0719c2e41af876c7180be431b
こちかぜ 東風 ふ吹いて しらなみ 白波が
いそ 磯のいわすじ 岩筋 こ越えたひ日は
うみ海が あ荒れた ひ日
ふね舟は で出ない ひ日
あ す明日はさかな 魚 が おたか高い ひ日
https://gyazo.com/9fcc18f6fe8d0f16939f24e1d657b0e4
おも想いても おも想いても
らせん螺旋 のよる 夜 にあめ 雨 のおと 音
https://gyazo.com/104b6a78135e7361e29f2017b1deb66e
ほどろほどろに ゆき雪のみち道
のこ残したしごと仕事が き気に か掛かる
そぞろそぞろの かえ帰りみち道
こお凍ったはし橋で こ転けて な泣く
https://gyazo.com/7d28b584e07d916e300e8fa12fab7d74
ほり堀の む向こうを とお遠ざかる
とうじんぶえ 唐人笛 の ゆうわく誘惑 に
むねん無念 と あんど安堵 が こうさ交差する
ごぜん午前れいじ零時 の チャーシューめん 叉焼麺
https://gyazo.com/af5374e5daae94bddb389f2d90e0e7ec
ふゆが冬枯れた かえ栢のこだち木立の お落とすかげ影
あ敢え な無きひと人 のすがた 姿 を み見せるまぼろし 幻 の
ぬまべ沼辺につな 繋ぐ し ぼ思慕のじょう 情
https://gyazo.com/6d839881ea06393405ea587bc5b8682e
さ去るはる春に とも友を な亡くして
なつ夏はかな悲しく
あき秋はさび寂しく
ふゆ冬にわす忘れて とし歳をとる
https://gyazo.com/24103d3c94f996970cc49c0307490be4
かぜ 風 ぼうぼう 茫々
くも雲をちぎりて ふゆあかね 冬茜
ようしゃ容赦なく
あれこれ お了わって とし年 く暮れる
https://gyazo.com/42220abcd6ab47fa54c4ffb5275c76f1
あらたまのとし年のはじ初めを ことほ 寿 ぎて
ジャンボのよろこ 慶び さんびゃくえん 三百円
https://gyazo.com/6eee471a5c8abfce09f5fdf522aeefa8
みちしお 満汐 に いりえ入江を て照らす つきあ月明かり
さ 冴えて ひとり孤独の かげ 影を き斬る
https://gyazo.com/1b19a949ba27db0fd30739340aa03fea
あおじろ 青白き じくじ忸怩をなじ 詰り
よ あ夜明かせば
かた 肩をいだ 抱きて かみ 髪 しめ 湿らせて
きり霧がなぐさ 慰 む あだごころ 仇心
https://gyazo.com/73a63e01d032fdc89d241ee7b22c93c6
あるときに ぜに 銭をひろ拾いし みち道のつじ辻
とお通る たびたび 度々
おな同じところ 所 を み見てとお通る
https://gyazo.com/caf47c425df1c6d1ca5d1b853b4ad7ae
おとといも
きのうも きょうも
あさは あさ
あしたは
ちがってしまえば いいのに
https://gyazo.com/739f2e09f0f62f817b271a78713391d2
りっしゅん 立春 に こきょう故郷 のみさき 岬 なつ 懐かしく
しおざかい 潮境 こ超ゆるふなかげ 船影 おぼろ 朧 に と溶けて
むてき霧笛 は ひび響く なだ 灘 のあけぼの 曙
https://gyazo.com/1a5f3610f2cf8d84a60c3b5f45e1c82a
きさらぎ 如月 の かすかにかお 薫 る やさ優しいかぜ 風 は
はる 春 の けはい気配 か こい恋 の よかん予感 か
https://gyazo.com/bb77ee59100898f52feb4c25af526a3e
たそがれ 黄昏て あま余 り かず数なき うつせみ 現身なれば
あいそ愛想を す捨てて ぎ り義理 す捨てて
つれなきもの者に う生まれ か変わって
し知ったことかで ふゆ 冬 こ越せまほし
冬章 終