Prosody・秋
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ゆうや夕焼けのいわや岩屋に カラスの か帰り な鳴く
いこく異国のそら空の くも雲はるか
たよ便 り た絶えたる なな 七つの こ子
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く暮れなずむ ほとり湖畔 なつ懐かしぬればいろ 濡羽色
とお遠き あかね 茜に つつがな 恙無しやと ふるす古巣を おも 想う
けい兄 けい 兄 し姉 し姉 まい 妹 てい 弟 と はは 母
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ハーバーライトと しおさい 潮騒 は
むかし 昔 と か変わってないけれど
あのひと人が ピアノ ひ弾いてた
だいに第二ふとう埠頭の な じ馴染みのみせ 店は
いま 今では コインランドリー
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つき月 の で出 た よ夜 は
からだ身体 が あお 蒼 く ひか 光るから
いけないやくそく約束かけもちで
おやすみなんて い言ってる ひま 暇ない
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つき月 の な無 い よ夜 は
とうげ 峠 に た立って
おやすみを い言ってくれそうな
ほし星 を さが探してみたりする
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わ我が み身ひとつの あき秋にはあらねど
わ我が み身ひとつで なが眺むるあき秋は
いろ色 うつく 美 しく いろ色 さび寂し
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こなひき 粉挽 ご や小屋の まえ前のはし橋
ま待ち ぶ伏せされてわた渡された
つまらぬてがみ手紙
のわけ野分またの ひ日
かみひこうき紙飛行機は
びっくりするほど よく と飛んだ
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ざくろ柘榴 からたち 枸橘
ば ら薔薇 さんしょう 山椒
ひいらぎなんてん 柊 南 天 ぼ け木瓜 えんじゅ 槐
せいか生家のにわ庭の かな悲しいとげ棘の かな悲しい き木
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ゆづる 弦 を と解きて ゆみ弩 を やす安 らい
かり 雁 ま待ち あ飽きて まどろめば
かがりび 篝火 が げっけい 月桂 こ焦がす じゅうさん 十三 や 夜
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しの 偲ぶれど ひつき日月はひと 人を す捨てて さ去り
コーヒー珈琲の か買い お置き つ尽きて かんなづき神無月
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さかづき 逆月 にあふ 溢 れしよい 宵 のしずく 雫 を く汲めど
ね子のとき刻 ま待たず こずえ 梢 に かげ 陰り
かがりび 篝火 お落ちて
うたげ 宴 の しま終いと なりにけり
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はくしゅう 白秋 に
ひ ざ日差しかげ 翳りて いよいよ 愈々 さむ寒く
のこ残りつばめ 燕 と むくどり 椋鳥 の
なぐさ 慰 め あ合いて な鳴きあぶ溢す
しゅうしゅう 啾々 きょき 歔欷 の こえ 声 あわ哀れ
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あき秋のごすい午睡の まどろみは
ゆだん油断をすると かぜ風邪をひく
お起こしておくれと たの頼んでおいた
そ添い ね寝のねこ猫は
どこかへ い行ってすがた 姿 なし
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いま今 じゃないけど いつの ひ日か
きり霧にかく隠れた もり森のおく奥
まいご迷子になって い行きだお倒れ
お落ち ば葉に う埋もれて み見えなくなって
むし蟲に た食べられ
ほね 骨になりたい
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べに紅さめ あ褪せる ばんしゅう 晩秋 の
くれ暮れゆくみち道に とぶら 訪 ひ き来ませ
とき時 お惜しみませ もろとも諸共 に
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いく幾 せいそう 星霜 を へ経て し知れる
み身のしあわ仕合せの お置きどころ 処
あき秋の しじま静寂を ながゆ長湯にあそ遊ぶ
ひと人のもと覓めの い要らぬ よる 夜
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そら 空 あ荒れて
な為すべきこと事も と止めおいて
わ我がひざ膝で かお顔をかか抱えて ね寝るねこ猫の
しり尻にのの じ字を か書く にちようび日曜日
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よたけ夜茸のとも灯す もり森のおく奥
ひと独り き来て なにしてあそ遊ぶ
あき秋 は たけなわ 酣
https://gyazo.com/87d3eb397826e9a230734908047dc92e
わたし 私 の あき秋 は
うれ嬉しいことと
たの楽しいことと
こま困ったことと
あきら諦めたこと
いち 1 たい対 に 2 たい対 さん 3 たい対 よん 4 の
ひりつ比率で こうせい 構成 されている
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あきら 諦 めが ちょっとおお 多めの わ我があき秋を
かな悲しがらずや くり栗ごはん
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ももくさ百草の しげ繁しおか丘にて とも友 ま待てば
つまご妻恋うしか鹿の こえ声のさやけ清明さ
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つめ 冷たいあめ雨に むし虫 こえ聲 た絶えて
しゅうこう 秋郊 の よる夜 ははて 果 なしなみだばし 泪橋
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おやすみなさいと い言われれば
おやすみなさいと い言うけれど
まだ ね寝たりはしないのに
よる夜はこんなになが長いのに
せめてあめ雨でも ふ降ったなら
だま黙っていえ家にはかえ帰るけど
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み身に し沁むる う膿まれしやみ闇の ふ深かれば
ひ火のやま山 ち血のいけ池 が き ど う 餓鬼道 ぢごく地獄
いずこ何処にて ふじょう 不浄 を はら祓うや けつぼんきょう 血盆経
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あのよる夜の わか別れのことば言葉 き聞き い入れず
な泣いてみせれば いま今とはちが違う
われ 吾 と そなた其方 に な成れたかや
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わた 渡る こばし小橋のたにがわ 谷川 の
よ み黄泉とも し知れぬ
しこん紫紺のひがん彼岸
した慕いしかげ影は まぼろし幻か
たきね滝音にさめ醒めし よい 宵のあさゆめ 浅夢
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こいびと 恋人 たちの きせつ季節は さ去りて
しお汐のおと音すら ひっそりと
わす忘らるる いり入り え江のみち道に
たこ や焼きひとつ う売るみせ 店も な無し
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ふるさとの あき秋 のあかね 茜 の おも思い で出は
まつ祭りで か買ったほおずき 鬼灯 で
まど惑わすようなくちべに 口紅 で
われ 割れた ざくろ柘榴の きず傷のいろ 色
ただあか 朱いあか 赤ではあらぬ あか 赫いいろ 色
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あめ 雨ならば
そこイーマイナ・セブンス Em7th と おそ教わりし
きみ君をしの偲びて ビル・エバンスを き聴く
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ざんげつ 残月 のひかり 光 さ冴えたる かえ 帰りみち道
くつひも 靴紐 を ぬ濡らす はくろ白露に あき秋 お終わる
秋章 終