AI
Artificial Intelligence(人工知能)の略称。
このAIという語が指す範囲はかなり広く、時代によってその意味合いも変化してきました。
第1次AIブーム(1950年代後半~1960年代)
主に「推論」と「探索」が中心。
特定の問題、例えばパズルや簡単なゲームを解くことに成功し、大きな期待を集めました。
しかし、現実世界の複雑な問題(フレーム問題)を扱うことの困難さに直面し、ブームは冬の時代へ。
第2次AIブーム(1980年代)
「知識」をコンピュータに入力するエキスパートシステムが主流に。
特定の専門分野において、専門家のように振る舞うAIが作られた。
しかし、知識獲得のボトルネックや、例外処理の難しさから、再び限界が見え始める。
この時代、人間のように自然な対話を目指したELIZAのようなプログラムも登場したが、その応答はあくまでパタンマッチングによるものでした。
思考実験中国語の部屋。
サールによる。
この種のAIが「心」を持つことはない、という趣旨。
第3次AIブーム(2010年代~現在)
機械学習、特にディープラーニング(深層学習)の登場によってブレークスルーが起こります。
ビッグデータと計算能力の向上を背景に、画像認識や音声認識の分野で人間を超える精度を達成。
そして、チョムスキーの生成文法の思想とは異なるアプローチ、すなわち大量の言語データから確率的なパターンを学習する大規模言語モデル(LLM)が登場し、私たちの日常に大きな影響を与え始めています。
このLLMの流暢な応答が、再び「人間」の輪郭を揺るがし、私たちは新たな問いに直面しています。
AGI(Artificial general intelligence; 汎用人工知能)
特定の課題だけでなく、人間のように様々な領域の問題を自律的に解決できるAIのこと。
まだ実現には至っていないが、現在の技術の延長線上にあるのか、それとも根本的なブレークスルーが必要なのか、議論が続いています。