エンジン
engineという語は、ラテン語で「才能、工夫、巧妙な仕掛け」を意味するingeniumに由来します。
中世にはカタパルトのような軍事兵器を指しましたが、18世紀の産業革命以降、蒸気機関(steam engine)の登場により、「発動機」という意味で広く使われるようになりました。 https://gyazo.com/d47b97cade420090b47ffb8282602393
ボードゲームにおける「エンジン」という用法は、プレイヤーの「創意工夫(ingenium)」によって作り上げる、得点を生み出すための「巧妙な仕掛け(engine)」という意味合いを持ち、ある意味で語源に回帰していると言えるかもしれません。
「エンジン」とは、ゲームの進行に合わせて、プレイヤーが構築する、リソースや勝利点などを効率的に生み出すための、カードや能力の組み合わせ、あるいはそのシステム全体を、ボードゲームにおいては指し示す語です。 一度「エンジン」がうまく回り始めると、雪だるま式に拡大再生産が可能となり、他プレイヤーよりも有利にゲームを進めることができるようになります。 ゲーム序盤は、直接的な得点行動よりも、この「エンジン」の構築を優先する戦略がしばしば取られます。
Engine Building
この「エンジン」を構築すること自体をゲームの主目的とするジャンルです。
人気の背景:
自分の盤面が、ゲームを通じて強力なコンボを生み出すシステムへと成長していくプロセスは、プレイヤーに根源的な快感を与えます。
多くのエンジンビルドゲームは、他者への直接攻撃よりも、各自が自分の「作品」を作り上げることに集中するデザインになっていることが多く、ポジティブなゲーム体験を生みやすい構造を持ちます。 エンジン構築への道筋は多様であることが多く、ゲームの展開が毎回異なるため、リプレイ性の向上に一役買っています。