2022monoAメモ
(当該科目シラバスより抜書)
【授業の概要】この講義では、学び方を学びます。個人およびチームでの課題取り組みを経て、最終的には学内限定配信の動画を作成し、相互批評を試みます。この複数の課題作成を通して、学びのデザインをマネジメントするスキルを鍛えます。
【基準到達点】教員やクラスメイトの協力を仰ぎつつ、学びのデザインをマネジメントできる。
【目標到達点】学びのデザインをマネジメントできた上で、そのスキルの汎用性の高さをプレゼンテーションできる。
【成績評価の方法】各回で担当教員が指示する協働学習作業への参加状況を条件として、期末課題(複数)を評価対象とする。つまり、期末課題のみを提出しても評価対象にならない。その上で、期末課題100%で評価する。
【備考1】「授業の内容」はあくまで便宜上であり、クラスの学習状況により随時更新される。
【備考2】Google Workspace for Education 中でもChat, Meet, Jamboard等々の基本操作は、学習のためのインフラとして、受講生各自で習得することを前提とする。
【備考3】日本語を母語としない受講者については、個別応対も考慮するので、年度初め4月のオフィスアワー時に、土居まで直接に相談に来ること。
【備考4】課題のフィードバックは、各回の冒頭で実施する。
【備考5】仮にオンライン講義となっても、時間割に示されたオンタイムでの学習を前提として構成する。
以下を3セット。
日常を記録し報告するためのレクチャ
日常を記録し報告するためのエクササイズ
エクササイズ成果のふりかえりと改善点の発見
まずはプロトコルの設定。
認知コストを極力下げる。
「自分なりに分かりやすく」は禁句。
基本姿勢
二重過程説を踏まえて、なるべくシステム1を駆動させない。あるいは、自覚的に誤動作させる。 学内関連文書の参照を徹底させる。覚えるのではなく、論拠を示す姿勢を徹底させる。
(本学関連)
前回の事例:「ログインできません!」という早とちり
直接入力モードにしていなかった/caps lock キーを押していた(=小文字と大文字を間違えた)等々
今回のタスクひとつめ=情報倫理Webテスト
指定時間帯で記録される事項と、そこから読み取られること。
今回の「日常を記録し報告する」タスク=箸(chopstick/筷子)の使い方が分かるように、画像を共有する。
(電子)ファイルを共有するタスク
大学アカウントのGoogleDrive経由で学内共有
共有ファイルで即時クラスメイトの提出状況を確認可能=クラスメイトにチェック依頼&フィードバックの必要性
前提を見つめ直し根源を問うことは、必ずしも実践から縁遠いものではない。『独学大全』p.11(紙版)
序文「学ぶことをあきらめられなかったすべての人へ」>小見出し「二重過程説」>その第2段落の一節。
『独学大全』の用語では、「システム1」が「速いシステム」で、「システム2」が「遅いシステム」に対応。【 #2022-08-01 講義メモも参照のこと】 この科目では以下の両側面からレクチャおよびエクササイズを提供する。
「速いシステム」で取り組める/取り組んでしまう諸課題につき、「遅いシステム」の観点からレクチャをおこなう。
「遅いシステム」を必要とするタスクを示し、それでも一部で「速いシステム」を起動せざるを得ないエクササイズをおこなう。
今回の「日常を記録し報告する」タスクひとつめ=ファイル名のリネーム
提出先=クライアント client に求められる情報を盛り込むエクササイズ
ここで「求められる情報」とは、コンテンツよりもはるか手前の「情報」。プロトコルの段階。
今回の「日常を記録し報告する」タスクふたつめ=各自のqwertyキーボードの使い方が分かる動画をYouTubeで学内限定公開
ここまでのタスクの可不可
GoogleFormに入力し、GoogleSpreadseatに掲載されても、それだけでは「提出」したことにならない。
「提出」したことになっていないタスク=しくじったタスクは、リカバリされなければ、欠席相当あつかいになる。
リカバリは、毎回の講義時間帯に続く5時限目に開講している「補習」の時間帯で対応。基本的にそれ以外では特別対応しない。
しくじったタスクのリカバリであることは、受講者自身がその説明をする必要がある(プロトコルの必要性・重要性)。
期末課題へ向けて
スキルアップを証明するプレゼン
「qwertyキーボードのタイピング」か、「箸の使い方(ただし利き手ではない方)」の、いずれか。
ローデータ【raw data / 原始数据】=「生データ(なま・でーた)」の扱いについて基本のキ
各自が毎日記録するデータは、まずローデータで保存が基本。
スマホやPCで扱う写真は、つまるところ電子ファイルなので、それを「生(なま)」と表現するのは、初見だと奇妙に感じる。しかし日本語では、「加工していない」の意味で「生(なま)」を使うことがある。最近だと「生(なま)・食パン」が代表的だろう。
2週間以上(休みなく)継続するのが望ましい。
課題対象として、毎日継続する身体技法を提示してある。なので「週休二日」などは想定していない。
データを集めるのは、スキルアップした主張の証拠として提示するため。
集めたデータが、主張のエビデンス【evidence / 证据】=「証拠」になる。
最終的には学内限定配信の動画を作成し、相互批評を試みます。
くれぐれも「限定公開」「非公開」などYouTube(Google)独自の用語に惑わされないこと。
プレゼンでは、技法33「トゥールミン・モデル」さらに絞ってClaim/Data/Warrantから成る「三角ロジック」を活用する。 主張すべきは、スキルアップしたこと。
箸の使い方のスキルアップについては、そもそも前提が共有されていないので、演繹法が有効。
0.私がスキルアップしたことを紹介します(イントロのClaim)
→1.このような結果が出れば、スキルアップしたと判断できます(Warrant)
→2.具体的に取り組んだ結果のデータはこうです(Data)
→3.なので私はスキルアップしたと判断できます(念押しのClaim)
QWERTYキーボード・タイピングのスキルアップについては、ある程度の前提が共有されるので、帰納法が適切。
0.私がスキルアップしたことを紹介します(イントロのClaim)
→1.具体的に取り組んだ結果のデータを示します(Data)
→2.データの結果から、このようにスキルアップしたと判断できます(Warrant)
→3.なので私はスキルアップしたと判断できます(念押しのClaim)
データDataは、毎日記録したローデータそのものと、そのラーニングログ(技法12)
YouTubeで学内共有されている(=大学アカウントでログインすれば「非公開」だが閲覧可である)ことが、大前提。
(期末課題のひとつ)「相互批評シート」の各項目が、ルーブリックの初歩。
「三角ロジック」こそ、しくじりを返上する際に活用する必要がある。
活用する気配すらうかがえないのは、論外=対応しかねる。
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