教師の役割
教師の役割
子どもたちの学びのタネが芽吹き、花開き、実を結ぶ場における教師の存在は“太陽”です。一人ひとり、それぞれのペースで育ちゆく学びの場全体を温め、時には輝かしい学びにスポットライトを当てる。そして、花は太陽をめざして伸びていきますよね。子どもたちに伸びるべき方向を示してやるのもまた太陽である教師のやるべきことなのだと思っています。これまでは全面的に自由な空間での学びの在り方を紹介してきました。しかし、教室に来ている以上、そこは前提として「教師の意図的な場」です。その性質を抜き去ることはできません。というか、こういった自由な学びの場だからこそ、その環境の隅々にまで教師の意図が張り巡らさなければそこは「学び」の場とはならないのです。
本書では子どもたちに「全面的な自由」を手渡し、その中で自分の行動すべての結果を自分で受け取る責任を発生させます。その空間での教師の責任は、一段上です。つまり教師は「子どもたちに自由を受け渡し行動の責任を取らせることの責任を追う」のです。ややこしいので図にするとこういうことですね。ではこの責任をどう果たすのか。ここからは本書で示すような学びの場における教師の在り方について考えを述べていきます。