思考ツールとの関わりはある?
思考ツールとは、今取り扱っている要素+構造をより適切に表現するにはどういう形が良いのか、という問いに答えるためにつかうものです。 要素+構造を正しく理解するためには「N→K」の過程がなければなりません。これをすっ飛ばして、思考ツールだけを与えても、子どもたちはそれらを使いこなせないです。思考ツールは与えればいいというものではありません。それらはあくまでも「要素同士のつながり」を表す表現形式の選択肢集でしかないのです。 そういうことを考えるためにはまず「要素」について詳しくなければ、当然構造の工夫はできませんし、要素同士のつながりを頭で理解していなければ、よりふさわしい表現形式を“思考ツール”と呼ばれる選択肢の中から選ぶことなんてできないのです。
こういうことをせずにただ思考ツールを与えるという行為は、「単語」の意味を教えずに、文の構造を使いこなせと言うようなものです。無理がありますよね。文の構造を工夫するためには単語の意味を理解している必要がある。シンプルな理屈です。(さらに、そもそも何を伝えたいのか、何を明らかにしたいのかという目的意識が明確でないといけません。)
「思考ツール」を有効に伝えてらっしゃる先生は、そのツールはどんな情報構造を表すときに使えるのか、どういうときには向いていないのか、といったことを丁寧に指導しながら一つずつ手渡しておられるはずです。そしてそれらを活用する場面も意図的設けている。 いずれにせよ「ツール」は「ツール」なのです。大工さんの工具一式を渡されたところで家は立てられませんよね。使い方を教えてもらわなければなりません。しかも、その前には「要素と構造」についての理解も必須です。この場合は「要素への理解」=「木材についての理解」ですね。木の特性に精通していなければ、柱に適した木、床に適した木を山から切り出して(N)くることはできません。さらに、家自体の構造が…もういいですね笑 全ては「要素」と「構造」でできているのです。
QNKSのそれぞれの段階は相補関係にあります。つまり、Sで扱う表現形式の機能について深く理解する事で、構造表現(K)が豊かになり、多様な構造表現によって、効率的、本質的に情報を抜き出す(N)ことができるようになる。といったベクトルもまた考えれないことはありません。(もしくは、構造表現を豊かにすることで本質的なQを生み出す)参考:QNKSは一方通行?