仮説と提案
子どもたちが実際に自力で読解をするときに必要な知識とは、 “実際に文章を読むときには、まず何をして、次に何をして、どういうプロセスをたどればよいか”といったような「読む」という行為全体を段階的にサイクルとして定義する文章読解過程に関する知識ではないか。このような知識を基盤とした上で、文章に関する個別でスタティックな知識と[自力で読む]という経験を提供すれば、その知識や経験はバラバラなることはなく「文章読解過程に関する知識の解像度を上げる情報」として、統合されて行くことが期待できはしないか。筆者はそう考え、文章読解過程を「問いを立て、抜き出し、組み立て、整理する」という4過程とし、それらの頭文字をとって「QNKS」という名称で定義した。下図。 https://scrapbox.io/files/6094d602474753001cc21afd.png
本稿では文章理解過程を示す概念としてQNKSを提案し、仮説を「QNKSという文章読解過程に関する知識を与え、それを意識させながら自力読解を行わせることで、子どもたちの自力読解力を高めることができるのではないか。」とする。
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