やり方が分かることを、自由にやらせてもらえると、楽しい
やり方が分かることを、自由にやらせてもらえると、楽しい
前章で「目的・目標・手段」を準備するという話をしました。短くまとめると、“全面的に自由な空間において子どもたちを自立した学習者に育てるためにはまず、目的を魅力的に語り、目標をわかりやすく設定し、手段をしっかりと手渡す必要がある”ということです。この3点が揃えば、子どもたちはひとまず動き始めることができます。そして動き始めた子どもたちが口々に言うのが「楽しい」という感想です。ここで私達は単純なことを思い出さなければなりません。僕たちは「やり方が分かることを、自由にやらせてもらえると、楽しいと感じる」のです。
もう少し詳しく言うと僕たちは、「やり方がわかり、結果がすぐに出て、再チャレンジすることができる環境」に楽しさを見出すのです。これはマリオに代表されるテレビゲームで採用される最もシンプルな構造ですね。その構造を学習に当てはめると、“やり方”に対応するのが“けテぶれ”です。学びのコントローラーのようなものですね。結果とは単純に“テストの点”ということです。結果がでる、とは必ずしもいい結果が出るという意味ではなく、自分のチャレンジに対する結果という意味です。いい悪いに限らず、チャレンジの結果がすぐに分かると、結果が良ければ、もっとやりたい、悪ければもう一回やりたい、という“次の行動への意欲”がわきます。マリオでもうまくプレイできればすぐに次のステージに挑戦できますし、失敗すれば何度でもそのステージをやり直せますよね。それはなぜかというと、自分がマリオを動かした“結果”がすぐにフィードバックされるからです。(コントローラーを触ってみたけど、なんの変化もない。3日後くらいにマリオがどうなったかがわかる。こんな状況で意欲は持続しませんよね。)
学校における再チャレンジの環境を考えるのも簡単です。単純に小テストは1年のうちに何回もありますし、一つの小テストについて再テストも準備すれば同じテストに2回チャレンジできることになります。(小テストの設計はP○で)また、日々の宿題におけるけテぶれの「テ」でいくらでもチャレンジできます。