なぜ学ぶか〜自分について深く学ぶ〜
なぜ学ぶか〜自分について深く学ぶ〜
前のページでは、子どもたち一人ひとりがその子にとって真に自然な生き方ができるようになるような道筋が「人格の完成」に向かう一つのルートではないかという話でした。ではその学びの起点はどこか、といえば「自学」からなのです。学ぶための方法を知り、全面的に自由な空間で自分自身を動かしてみようとする。そこで初めて「今の自分」と出会えるのです。その自分と対話し、有りたい姿を見出し、少しずつ自分のあり方に自身を持っていく中で、「本当の自分、本来のあり方」をしり、自然で靭やかな強さを備えた人格となる。
隅々まで管理され、“やらなければならないこと”で埋め尽くされている空間で本当の自分になんて出会えるはずがないですよね。そんな空間では子どもたちは仮面をかぶるばかり。先生によって仮面の模様を器用に塗り替え、やり過ごすすべばかりが身についてしまいます。そうやって薄っぺらい仮面を使いこなすことを覚えることの副作用は「仮面の下の本当の自分の顔を忘れてしまう」ということです。これは大変恐ろしいことだと思います。自由な空間で自分で学ぶのは「本当の自分」に出会うためなのです。