自分に合った漢方薬の探し方
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漢方の、難しい(面白い)ところ
飲むべきときに、飲むべき漢方薬を飲めば、著しく効果を発揮してくれる
しかし、出会うことが、とてもむつかしい
以降のコンテンツは、漢方とは、どうしてそうなのか、どうして我が国における漢方が、そうなってしまったのかをプロジェクト進行支援家が、自身の漢方体験も踏まえながら、勉強した結果をまとめたものです。
参考文献
「漢方薬の考え方、使い方(中外医学社)」
「基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書(ナツメ社) 」
「初めの一歩は絵で学ぶ漢方医学(じほう) 」
「三大法則で解き明かす漢方・中医学入門( 燎原書店) 」
「医の旅路はるか(Parade Books)」 等
漢方薬のよくあるイメージと実際
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事実として、西洋医学では原因がわからなかったり、そもそも病気とは診断されないが自覚症状があるものが、漢方医学によって改善することがしばしばあります。一般的に、そうしたことは広く知られており、①や②については、おそらくそのような背景により、イメージが強化されていると思われます。
しかし、そもそも中医学の始まりは「傷寒論」という、感染症の急性期の対策を中心に論じられたものが発症であり、歴史的には、慢性疾患向きの処方が一般化されたのは、中世以降のことだったりします。
ただし、だからといって「漢方は万能」というわけでは決してなく、例えば天然痘や梅毒等、抗生物質その他の西洋医学的なメソドロジーを用いなければ、治療困難な感染症もあります。
漢方万能のイメージに関連して、西洋医学と違い、漢方は人工物ではなく自然物を用いた医療なので、安全、みたいなイメージもありますが、それもまた違います。
最後に、陰陽五行説について。陰陽五行説は、言ってしまえば「世界観」であり、近代西洋科学もまた「世界観」です。世界にはいろんな、世界観があります。漢方医療は、この世界観とともに発展してきたという歴史的経緯そのものはありますが、漢方医療のメリットを享受するにあたって、必ずしも、これを受け入れる必要は、ありません。
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自分にあった漢方薬に、自力でたどり着くための、考える順序
前提① 頻出の症状に関する定番の処方は、なんとなく全体感を、知っておいて損はない
例えば:クラシエの情報サイトは非常によくまとまっている
その他、医療機関や病院のサイトも調べていくと、実に膨大な情報が載っている
少し大きな書店の東洋医学コーナーにも、良書はたくさんある
※ただし、見すぎると、情報の海に溺れてしまうので要注意
※体系的な知識がないと、個別の情報を解釈しづらかったり、選択肢が多く、決め手にかけると感じることも多い
体系的な見方をまとめてみたページもありますので、ご参考まで
前提② 自分が飲んではいけないものを除外する(アレルギー、持病、併用禁忌等)
甘草による偽アルドステロン症(血圧上昇、体重増加、むくみ) 飲み過ぎに注意
柴胡や黄芩の服用中に発熱、空咳、呼吸困難等の症状が出現した場合は早めに診察
桂皮、人参、地黄などで薬剤アレルギーの症状として発疹、蕁麻疹などの皮膚症状が出る場合がある
麻黄、地黄、当帰、川芎等で胃の不快感やもたれ、食欲低下、胃痛、胸やけ
※自己判断はせず、心配な点は医療機関で医師に相談したり、ドラッグストアで購入する等の際にも、薬剤師に相談するとよい
上記を満たした上で
方向性① 他力の門
病院で処方してもらったり、漢方薬局に飛び込んでみて、相談してみて、処方してもらう
※西洋医の先生のなかで、漢方に詳しい人もいれば、関心がない人もいる
※テキトーな処方で済ませちゃう、という場合もあったりする
※それが著効しちゃう、ということもあるから、面白いというか難しいというか
※西洋医による漢方処方は、東洋医学の原理原則を深く理解せず、習慣的に「風邪にはこれ」「耳鳴りにはこれ」といった具合でチョイスされることも多いが、その組み合わせがベストかどうかは、また別問題なところがある
※漢方医といっても、いろんな考え方や流派があるので、先生によって診方も違うし処方も違う
※漢方薬局ホッピングをすると、かえって道に迷う危険もある
※「自分に合う薬を3年かけて探すな、自分に合う先生を3年かけて探しなさい」という言葉もある
方向性② 自力の門
ドラッグストアで売っているものは、用量を守れば、基本的にはそんなに害がないように調整されている
飲んでみて、気分が悪くならない、香りが嫌じゃない、というものであれば、原則としては、問題ないと考えて良い
飲んでみて、ピンとこない、効いた気がしない、というものは、2~3日続けてみて、それでもピンとこなければ、除外
漢方の、実践的な飲み方「TIPS」
Q 飲み方は、一日三回、必ず食前じゃないと駄目?
A
当たり前ですが、基本的には、処方箋や販売薬の記載、医師の指示通りが原則です。とは言いつつも、食前に飲み忘れたときに食後に飲んだら絶対駄目かというとそうでもなく、あんがいアバウトに飲んでも問題ないことが多いです。ちなみに、症状や体質によっては、通常の処方量だと効きにくいが、1.5倍や倍量にすることで急に効き始める、ということもあります。素人が自己判断でやるのはおすすめできませんが、漢方の世界観としては、そういうものだ、という知識はあって損はないと思います。
Q お湯で飲む?お茶で飲んでもいい?
A
大抵の漢方薬には「◯◯湯」「◯◯丸」「◯◯散」とネーミングされており、 「◯◯湯」はお湯で、それ以外は水で飲むとされています。ただこれも、あくまで推奨であって、わりあいアバウトに飲んでも差し支えないな、というのが、個人的な感想です。
抹茶やお酒を飲みたい場合は、同時服用は避けたほうがよく、どちらかを飲んで30分程度は間隔を開けたほうがいいようです。
Q 飲み合わせは?
A
漢方薬同士の併用については、基本的には、大抵の併用は問題ないとされていますが、甘草の重複摂取等、一部、気をつけたほうがよいものもあります。薬剤師に一言相談したり、製薬メーカーの注意事項を参照しておくと安心です。
西洋薬との併用も、基本的には、大抵の併用は問題ないとされています。いわゆる内科や耳鼻科等での処については、基本的には問題ない組み合わせになっているのが原則です。
Q 飲み始めたら、いつまで飲み続けるの?
A
症状がなくなったり、軽くなって、もう飲む必要がないなと思った時点で止めてしまって問題ないことが多いようです。
Q 効く漢方薬の見分け方は?
A
いい香りがしたり、味が美味しく感じる場合には、効き目があることが多いと言われており、筆者も経験したことがあります。
また、効く漢方薬は、服用直後に身体的に良い感じを受けることが多いです。
Q 服用したけど、効かないなと思ったら?
A
逆に、2、3日続けてもあまり変化を感じない場合は、別のものを試す選択肢を検討すると良いかもしれません。ただ、好転反応等、一見マイナスに感じられるが、実は適切に作用している、という場合もありますので、最終的には、薬剤師や医師との相談も必要です。