現代プロジェクトの諸問題
いま現在、プロジェクトマネジメントの必要性が叫ばれている背景を考えるには、時代、環境への認識論が不可欠なのは言うまでもない
国境を超える人、物、金、情報
技術的変革
情報技術
通信技術
製造技術
思想、価値観的な側面
株式会社と株式市場が求める計画経済
市民社会
資本主義
ただ、いきなりそこを語っても何も見えない
現代プロジェクトの諸問題を語るためには、プロジェクトの歴史観から始める必要がある
例えば
いま現在、プロジェクトマネジメントの典型として語られるWBS中心主義
それは、モータリゼーションとともに発達してきた
https://gyazo.com/8a2fe8529da0577e8dbaf66535480e81
その次にもてはやされてきたアジャイル開発は、デジタル技術の発展とともに模索されてきた
https://gyazo.com/1d9695cc2c94648124a21713aa0a7d96
時代の変革とは、経済構造の変革である
ガソリンエンジンやCPU、エネルギー変換装置のイノベーションが、経済を再編し、周辺産業を生み出してきた
そうしたイノベーションそのものがプロジェクトであり
またそうしたイノベーションにより変化を余儀なくされたことで生まれた数々の取り組みがプロジェクトであった
ガソリンエンジン以前のそれを考えていくと、以下のような具合であろうか
テレビ、ラジオ
蒸気機関
電信
活版印刷
鋳造
水車、風車
農耕
ルーティンワークの本質は、量産である
ルーティンワークは階層的に構成される
LV1 あるプロダクトの生産作業、工程レベル
LV2 プロダクトの企画、設計、量産、提供、サポート等の、一連のバリューチェーンレベル
LV3 バリューチェーンを支える組織構築レベル
PMBOK的なプロジェクトマネジメントが最も適合するのは、 LV2である
ことをややこしくする問題
多くのプロジェクトが、ルーチンワークのアナロジー(成果物を起点としたマネジメント)によって営まれてきた
しかし、成果物を起点としたプロジェクトマネジメントが成立するためには、以下の要件を満たす必要がある
「何を」「どこまで」「どうやって」が既知であること
成果物の構成要素が明示できること
諸活動同士の因果関係が明示できること
世の中の「プロジェクトマネジメント」の悲劇
適用範囲を越えているにも関わらず、成果物を起点としたマネジメントに汲々としている現状
人間の未来予測能力、認識力の限界