プロジェクトの三要素は目標・制約・資源である
あらゆる概念や人工物は、3つの要素に分解して考えなさい、ということを、筆者は、映画監督の押井守氏から教わったのでした。
例えば
映画=世界観、物語、キャラクター
戦車=攻撃、防御、移動
といったように。
なぜそのように考えるのか。優先順位を考え、あらゆる順列組み合わせを検討するためだ、と教わったのでした。
例えば、ハリウッドでの映画作りの順番は、キャラクター、物語、世界観の順番だといいます。これが、100人みたときに98人に理解されるための方法なのだと、ジェームズキャメロン監督は語ったそうです。
ちなみに、この三角形にひとつの要素を追加すると、四面体となります。
例えば「観客」という要素を加えてみる。三角形では、辺が点を支えているわけですが、四面体は、面が点を支える格好になります。
あるいは、ひとつの要素をさらに細かく分解することも有用です。
例
キャラクター=性別、年齢、職業
押井守監督は、企画検討する際に、必ず
3つの要素に分解する
各要素の取る変数を洗い出す
すべての組み合わせを並べる
駄目な組み合わせから落とす
という作業を行うのだ、ということでした。
天才は、唯一の正解を直感的に選ぶことができますが、そうでない人間にはロジックが必要なのだ、と。
そして、ロジックは、最も速く、簡単に、確実に運用できるものでなければならない、と。
3DCGは、まさに三角形をいくつもいくつもつなげて立体形状を表現します。それが果てしなく多く、細かくなっていけばいくほど、現実にある物体の形状に近づいていきます。しかし、精細なデータは、途方もなく重い。転用も効かない。
だからこそ、その概念を、最も核心的な三要素で分解することに、意味があるのです。
この考えを参考にして、プロジェクトを3つの要素に分解するならば、それは「目標」「制約」「資源」と考えるのがよいと考えられます。
https://gyazo.com/c635974c777744e72a5101083440d8e1
これらが安定しているのがルーチンワークであり、時々刻々と変化する状況がプロジェクトだ、とも言えます。
ただ、昨今のプロジェクトの難しさには独特なものがあります。
以前は「計画」と「契約」ありきで忠実にそれを実行することが求められていたわけですが、現在は、それらにに「加えて」、そうでない時への即興的対応も求められるようになったのです。
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