公共財
公共財供給問題=社会的ジレンマ:ゲーム理論における囚人のジレンマのN人版
公共財とは
公共財(public good):非排除的または非競合的な財 非排除性:無料利用やフリーライド(対価なしでの財の利用)が排除できないこと 非競合性:その財の利用が、他人の利用を妨げないこと
集合財(collective good):公共財が万人に開かれているのに対して、集合財は複数人による使用の方に強調点があるが、ほぼ同じもの。ただ、集合財はクラブ財のニュアンスがある。
公共財の種類
純粋公共財:非排除的かつ非競合的な財(例.灯台、治水、国防、空気、放送、生活道路、橋、広い公園、ウィキペディア)
コモンプール財(公共資源):非排除的かつ競合的な財(例.放牧地、里山(森林資源)、水産資源、花火大会、狭い公園、公園遊具、ストリートピアノ)
クラブ財(有料財):排除的かつ非競合的な財(例.電気、ガス、有料道路、ケーブルTV、会員限定サイト)
私的財:排除的かつ競合的な財(例.衣服、食物、住居、車)
table: 公共財の類型
↓非排除(共有財) ↓排除
非競合→ 純粋公共財 クラブ財
競合→ コモンプール財 私的財
準公共財:クラブ財およびコモンプール財
公共財は、純粋公共財、クラブ財、コモンプール財の三種類
コモンズは、コモンプール財とクラブ財の間で揺れる
クラブ財と閉鎖的コミュニティの問題系
クラブ財は有料財ともいわれるように、フリーライドが排除できるので、民間企業(市場)で供給可能
タワーマンションの共有部は、今日における代表的なクラブ財といえる
タワーマンションを含めたゲーテッド・コミュニティは多種のクラブ財を用意している:
居住者(とその友人)専用のサロン、フィットネスクラブ、プール、大浴場、バー、キッズルームなど
ゲーテッド・コミュニティは社会を分断させかねない
A public good is a good that is non-rivalrous and non-excludable.
A common good is simply non-excludable
共有財(コモンプール財と純粋公共財)は、フリーライドが排除できないため、NPO、コミュニティ、政府などが供給
純粋公共財は中央政府(国家)が、コモンプール財は地域のNPOなど中間集団が担うことが多い
共有地などのコモンズは、コモンプール財だが、地球全体のように純粋公共財のこともある
ただし人口が増えずぎれば資源制約から競合性が発生するので、地球全体はコモンプール財
作物の恵みとなる太陽も地球も、誰も供給したわけではないが、公共財と考えうる
バタイユは太陽を過剰な贈与性の根源に求めたが、ある意味、太陽は常に協力行動をとるので古来より神として信仰された(このように、それ以上遡りえない過剰な贈与性や利他性は神聖さやカリスマ性をもつ)
コモンプール財は公共資源であり、資源だからこそ競合性がある
花火大会は花火を見る場所を巡って競合性がある:打ち上げ場所に近い、見晴らしのいい土地は人が一杯になる
ストリートピアノはコモンプール財(コモンズとしてのストリートピアノ)
マルシェの個々の店舗は私的財を供給するが、イベント全体の雰囲気を楽しむのは無料であり、コモンプール財
ネット上の知識という純粋公共財
フリーソフト:リナックスなどオープンソース・ソフトウェア、各種のフリーソフトは公共財であり、それがなぜ供給されているかは、興味深い問題。1つはプログラマーのreputationによって説明されるだろう。公共的情報財という概念もある。 オープンアクセス学術論文は、ウィキペディア以上に純粋公共財といえる