6つの手法の結果を本に掲載されているものと比較する
良し悪しは10年前の結果と一緒か、似ているか
一緒だとしたら、10年前良いとされていたものが実際に良い結果になったということ
次の10年も、もしかすると・・・
2007年10月発売の本で紹介された検証結果
この章で述べるテストは、市場の一般的ボートフォリオと一般的資金管理アルゴリズムを用い、システムのルールが変わることによる影響がテスト結果の差異にあらわれることを検証している。以下はそのテストに使われた変数だ。
● 市場
オーストラリアドル、英ポンド、とうもろこし、ココア、カナダドル、原油、綿、ユーロ、ユーロダラー、飼養牛、金、銅、灯油、無鉛ガソリン、日本円、コーヒー、牛、豚、メキシコペソ、天然ガス、大豆、砂糖、スイスフラン、銀、財務省中期債権、同長期債権、小麦。以上がテストを行うポートフォリオに含まれる市場である。
これらの市場は流動性の高い(出来高の多い)アメリカ市場から選ばれた。
(中略)
● 資金管理
ここで使う資金管理アルゴリズムはタートルたちが使用したのと同じだが、攻撃性を半分にした数値を用いてある。1-ATRを取引資本の1パーセントとするかわりに0.5パーセントとしたので、テスト向けの枚数を出すために、資金の0.5パーセントを、特定の取引に注文が出される時点でドル換算した市場のATRで割った。
1996年1月~2006年11月の検証結果
table:1996~2006年11月
システム CAGR (%) MARレシオ シャープレシオ 取引数 勝率 (%) 最大DD (%) DD期間 (月)
ATR CBO 45.9 1.15 1.27 216 43.1 40.0 8.3
ボリンジャーCBO 49.2 1.44 1.47 136 53.7 34.1 7.8
ドンチアン・トレンド 27.4 0.75 0.94 1901 38.7 38.7 27.6
時限付ドンチアン 57.1 1.31 1.34 773 59.1 43.6 12.1
ダブル移動平均 49.1 1.04 1.34 222 36.9 47.2 8.3
トリプル移動平均 41.2 0.97 1.21 186 41.9 42.3 8.5
2005~2017年の検証結果
※ 25 symbols - fx(5) ,stock index(5) ,stock jp(5) ,stock usa(5) ,comodity(5)
※ 12 years - 2005 - 2017
table:2005~2017年
取引数 勝数 勝率 RR比 破産の確率 期待値 利益見込み
ATR CBO 383 113 29.50% 4.089 0.01% 0.501 192.045
ボリンジャーCBO 159 73 45.91% 2.950 0.00% 0.814 129.372
ドンチアン・トレンド 2,043 773 37.84% 2.199 0.01% 0.210 429.875
時限付ドンチアン 848 447 52.71% 1.237 0.00% 0.179 152.116
ダブル移動平均 315 91 28.89% 3.361 0.07% 0.260 81.835
トリプル移動平均 182 76 41.76% 2.044 0.00% 0.271 49.311
考察
すべての手法において、1996年~2006年と同様に2005年~2017年のバックテストでも勝てている
ここに掲載されている手法は「儲かる」ものであると考えて良さそうである
ただし、勝率が低かったり超長期の手法であったりと、実践するには少しハードルが高いものである
比較する上での注意点
本に掲載されているテストは、資金管理などを(おそらく分散投資も)含めたものである
対して、今回この一連のシリーズで行ったテストは TradingView で簡易的に行ったもので、資金管理などが含まれていない
つまり、資金管理を含めると、結果が異なる可能性がある(おそらく「儲かる」という結果はかわらない)
そもそも、比較している銘柄が違う
でも、銘柄が違うのに勝てていることは、ポジティブに捉えることもできる
微妙な良し悪しの変化がある
取引回数は同じ傾向
勝率はすこし傾向が異なる
ATR CBO、ボリンジャーCBO の勝率が落ちた
しかし、勝率だけで測れるものではなく、RR比とのバランスが大事
RR比が掲載されていないため、これ以上はわからない
収益の比較を(むりやり)してみる
本掲載:時限付ドンチアン、ボリンジャーCBO、ダブル移動平均、ATR CBO、トリプル移動平均、ドンチアン・トレンド
今回:ドンチアン・トレンド、ATR CBO、時限付ドンチアン、ボリンジャーCBO、ダブル移動平均、トリプル移動平均
優劣が様変わりしている
そもそもちゃんと比較できていない可能性がある
本掲載は「CAGR」を、今回は期待値をもとにした「見込み収益」を用いている 本掲載は、「資金管理などを(おそらく分散投資も)含めたもの」、今回は「資金管理などが含まれていない」
「長期的に勝つ」ということを目的とするなら、手法は、これまでもこれから先も、大きく変わらない気がしてきた
短期的な値動きの傾向は、アルゴなどの出現で変わっていると思う
長期的な動きは変わらず、大きなトレンドを掴むことを徹底すれば勝てる
table:取引回数の比較
取引数の比較 本掲載 今回
ATR CBO 216 383
ボリンジャーCBO 136 159
ドンチアン・トレンド 1,901 2,043
時限付ドンチアン 773 848
ダブル移動平均 222 315
トリプル移動平均 186 182
table:勝率の比較
勝率の比較 本掲載 今回
ATR CBO 43.1 29.5
ボリンジャーCBO 53.7 45.9
ドンチアン・トレンド 38.7 37.8
時限付ドンチアン 59.1 52.7
ダブル移動平均 36.9 28.9
トリプル移動平均 41.9 41.8
table:収益の比較
収益の比較 本掲載 今回
ATR CBO 45.9 192.045
ボリンジャーCBO 49.2 129.372
ドンチアン・トレンド 27.4 429.875
時限付ドンチアン 57.1 152.116
ダブル移動平均 49.1 81.835
トリプル移動平均 41.2 40.311