知的財産法 前期第3回
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講義の目的
実社会での研究開発、ビジネス等で生まれた新しい創作物や商品、様々な行為、それら対象物について、知的財産法の視点からどのような保護価値が認められ、その保護価値に対してどのような法で保護されるかを学びます。
そのためには、対象を多面的に見る力を養う必要があります。そのためには、知的財産法がどんな保護価値(=保護法益)を対象物に求めているのかを知らなければならなりません。そのため、まずは、知的財産法の保護対象としてどんなものがあるかを学びます。発明・考案・意匠・商標・不正競争行為・著作物・・・・色々あります。さらに、そのような保護対象の保護価値(=保護法益)や性質に応じて、保護の方法=保護体系が各法で異なっていることを学びます。それが理解できれば、知的財産法はとても容易に理解できるようになります。
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知的財産基本法
第二条 この法律で「知的財産」とは、発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの(発見又は解明がされた自然の法則又は現象であって、産業上の利用可能性があるものを含む。)、商標、商号その他事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報をいう。
2 この法律で「知的財産権」とは、特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権その他の知的財産に関して法令により定められた権利又は法律上保護される利益に係る権利をいう。
問い
身の回りにある、人間の知能的・精神的活動によって生み出された成果物・アイデアを列挙してみよう。
それらは、特定者に独占させてよいかを検討しよう。
それらに関連するものが、特許されているか確認してみよう。
特許データベース J-platpat
問い(3-1)
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缶飲料であることはわかりますね。ビール?、ジュース?、お茶?
問い(3-2)
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問い(3-1)の答えは、飲料用の缶であることはわかっても、おそらくほとんどの人が商品を特定できなかったと思います。
対して問い(4-2)の答えは、商品を特定できたのではないでしょうか?
それは何故なのでしょう。
問い(3-3) このシルエットはなんでしょう
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問い(3-4) この色彩の柄はなんでしょう
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問い(3-5) この建物はなんでしょう
東京地方裁判所平成28年12月19日判決 平成27(ヨ)22042
仮処分命令申立事件より
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知的財産法各法の法目的
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自然法則を利用した技術的思想の創作・・
技術的思想の創作の中で、自然法則を利用したものに限定して保護するということ。
以上は、第3回の授業でやりましたね。体験
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保護対象は、考案の内、「物品の形状、構造又は組合せに係る」考案のみに限定されている。
実用新案法第一条 この法律は、物品の形状、構造又は組合せに係る考案の保護及び利用を図ることにより、その考案を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。
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2019年改正法
(定義等)
第二条 この法律で「意匠」とは、物品(物品の部分を含む。第八条を除き、以下同じ。)の形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合(以下「形状等」という。)、建築物(建築物の部分を含む。以下同じ。)の形状等又は画像(機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限り、画像の部分を含む。次条第二項、第三十七条第二項、第三十八条第七号及び第八号、第四十四条の三第二項第六号並びに第五十五条第二項第六号を除き、以下同じ。)であつて、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。
意匠の例を挙げてみよう
https://gyazo.com/a913a0e5259a3153fedf978cdab8f5c6
https://gyazo.com/cb25e58027332ff30b0989f4260def4b
2019年改正法
(存続期間)
第二十一条 意匠権(関連意匠の意匠権を除く。)の存続期間は、意匠登録出願の日から二十五年をもつて終了する。
改正前は、設定登録の日から20年であった。
https://gyazo.com/3300bb9e8c25063289507ed5ae78d39a
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商標の例を挙げてみよう
商品って何?
実案法や意匠でいう物品との違いは?
熱
https://gyazo.com/ac724003f224719248d8cf0496c28b68
https://gyazo.com/dadf446ff6cdb8c75fea9b3ea526bda8
https://gyazo.com/1c4944528fe18f36dabd1b3648ee7bfa
不正競争の例を挙げてみよう
https://gyazo.com/c80d3d364e0bc71239e37af1f11e9bf3
https://gyazo.com/d01138c53bf6ba911357b5d468d2e0b6
https://gyazo.com/96e14af2b8f537547f98c5d2e025fd93
https://gyazo.com/b46d643d9c7ce4315b9c0e82010bb6f4
保護体系が異なるのは、保護対象の性質が異なるためである。
特許法(実用新案法)は、発明(考案)という技術思想を保護の対象として扱っているのに対し、
意匠法は、デザイン思想を直接の保護対象とせず、その思想の結果生まれた現実のデザインそのものを保護の対象としているため、創作保護のため、その類似範囲まで保護することとし、
商標法は、保護対象が、商品(役務)につき使用するマーク(標章)であるが、その保護法益が、「業務上の信用」であることに鑑み、業務上の信用を蓄積させるため、同一の範囲につき独占排他権を認め、業務上の信用を毀損する類似範囲での使用を禁止することとした。業務上の信用は、同一の商標を使用し続けることでその商標に化体する一方、商標権者による類似範囲での商標の使用は、業務上の信用を蓄積することにはならないので、独占権は認めていない。
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