超芸術
芸術とは芸術家が芸術だと思って作るものですが、この超芸術というものは、超芸術家が、超芸術だともなんとも知らずに無意識に作るものであります。だから超芸術にはアシスタントはいても作家はいない。ただそこに超芸術を発見する者だけがいるのです。
引用元:赤瀬川原平,超芸術トマソン,ちくま出版,1987年,p25
《トマソン》で赤瀬川は高尚な〈芸術〉空間から一歩踏み出して生活空間を歩き回り、身近に白日の下にさらされているのに誰も目を留めない〈無名〉の物件にふと気付いてしまったのだ。 そして、赤瀬川はこうした物件を意識的に探す様になる。当初、赤瀬川は芸術や反芸術、もの派などの非芸術に対比して、これらの物件を〈超芸術〉と呼んでいた。