正統的周辺参加
正統的周辺参加(LPP)は、実践共同体において新参者がどのように学習をおこなうかを表したモデル 実践共同体(=実践することがなにかある共同体)に正統的に(=正規のメンバーとして)迎えられた新参者が行う周辺参加(=難易度や責任が限定されているが、実践の成果になんらかの貢献をする行為)
仕立て屋の場合→ アイロンがけ, ボタンつけなど仕上げの工程に近いもの
正統的周辺参加では、学習を「知識の獲得」ではなく「アイデンティティの変容」と捉える
弟子がいつのまにか親方っぽいアイデンティティを獲得していたら、その弟子は学習が進んだと見做せる
正統的に(=正規のメンバーとして)参加していることが、ただの「周辺参加」と区別される
新参者の実践共同体への参与のしかたは、徐々に正統的周辺参加から十全参加へと移行していく
いわゆる「一人前」というやつは十全参加といえるはず
以下の書籍でも正統的周辺参加について解説されている
正統的周辺参加は(状況論革命以前の)認知科学と社会科学でそれまでばらばらに研究されてきた「(個人的な)認知過程としての学習」と「社会的な過程としての学習」を統合する、いわば学習の統一理論として20世紀末の認知科学/心理学/社会科学においてマイルストーン的な存在となったが、カバーしきれていない点も多く、さまざまな研究者が修正を試みている。
田辺繁治は自身の研究(タイにおけるフィールドワーク)から、「権力」という要素を加えることを提案している 高木幸太郎は、LPPが学習をアイデンティティの変容と捉えている一方で、アイデンティティの構築過程への言及が不十分であることを指摘し、LPPの拡張を試みている See Also: