21-03.使役文
このページでは使役文について解説している。
使役文
使役文は21-02.受動文とは反対に、ある動作の行為者が主語の位置ではなく、目的語の位置に表される文のことを指す。 使役文には自動詞使役文と他動詞使役文が存在する。
使役文の基本
使役文は原則として動詞naseと能動分詞を伴う。naseの主語が使役者であり、目的語が使役された側になる。そして、使役された側が行った動作は能動分詞によって表現される。この時、能動分詞は使役された側の名詞に数(と敬意)が一致するため注意が必要である。
自動詞使役文
自動詞使役文は、使役される者が行う行為が自動詞によって表現される文のことを指す。自動詞使役文において通常、分詞は準体法を取る。
Ja nasnes Milehcja tekastoi.
私はミレーシャを歩かせた(私はミレーシャ=歩くものを作った)
Eit pava naset eo musteo feu bucj.
私たちの父は私たちを森に行かせる(私たちの父は私たち=森に行くものを作る)
直訳するとやや不格好にはなってしまうが、構造上はかなり単純である。
他動詞使役文
他動詞使役文は、使役される者が行う行為が他動詞によって表現される文のことを指す。他動詞使役文において通常、分詞は準体法または分詞幹の形をとる。準体法が使用された場合は、自動詞使役文同様に分詞の数が使役された者の数に一致し、かつ動詞の直接目的語が前置詞alを伴って表示される。
一方、分詞幹を取った場合、直接目的語は前置詞を介さずに通常の文と同様に示される。
Ja nasnes Milehcja klaustoi al omle.
私はミレーシャにりんごを食べさせた
Ja nasnes Milehcja klaust omle.
(同上)
多重使役構文
多重使役文は例えば「ミレーシャがリティアにヴァイルを歩かせた」のように使役が多重構造化した文のことを指す。
この場合、デナスティア語の構文上は以下のようになる。
Milehcja nasnet Litia nast Vail tekastoi.
Milehcja nasnet Litia nastoi al Vail tekastoi.
ミレーシャがリティアにヴァイルを歩かせた
単純に、使役の動詞naseが使役される側(ここではリティア)が行ったものとして書けばそれで数珠つなぎに文は成立する。
受動使役構文
次に受動使役構文だがこれは「私は彼によってりんごを食べさせられた」のような文が代表的なものとして挙げられる。
Ja das nasent klaust omle jili cjao.
私は彼によってりんごを食べさせられた
なお、上記の文は分詞幹を用いているが、後半のklaustには準体法を用いることも可能である。
Ja das nasent klaustoi al omle jili cjao.
両者の構文上の違いはklaustがnasentに後続する動詞となるか、あるいは同格相当の形容詞のようになるかという点であるが、意味にそこまで大きな区別はない。
他にも「ミレーシャはリティアによってヴァイルを歩かせられた」のような文が当てはまる。やや複雑だが、上の文は「リティアによってミレーシャはヴァイルを歩かせた」という形になる。つまり、本来使役されている側であるミレーシャが主語になった場合の多重使役構文だが、これは比較的単純である。
Milehcja dat nasentoi al Vail tekastoi jili Litia.
ミレーシャはリティアによってヴァイルを歩かせた
※ただし、デナスティア語は完璧な言語ではないため、この文にも曖昧性は残る。基本的には(リティアのせいで)ミレーシャがヴァイルを歩かせたと解釈されるが、場合によっては「何者かによってミレーシャはリティアにヴァイルを歩かせるようにさせられた」とも取れるためである。「リティアのせい」とするのであればこの構文上で最も高い位置にあるのはjili Litiaということになるが、ミレーシャに「リティアにヴァイルを歩かせるように」させた何者かを想定するのであれば、jili Litiaはal以下の文の上に来ることとなる。なお、前者の「リティアのせいで」という部分をより押し出したいのであれば、「Jili Litia, Milehcja dat nasentoi al Vail tekastoi.」となる。