NomadBSD
http://nomadbsd.org/banner.jpg
はじめに
FreeBSDの新しいディストリビューションであるNomadBSDについて、ご紹介します。
NomadBSDってなぁに?
NomadBSDは、FreeBSDベースのUSBメモリなどで利用可能なディストリビューションです。
紹介記事
FreeBSDベースのUSBメモリを使ったLive環境
64bit(amd64)版以外にも、32bit(i386)版とmac版もある
内蔵HDDなどへのインストールもできる
以下の様なバージョンが提供されている
1.3 (FreeBSD 12.1R) (2019-12-07)
NomadBSD 1.2 (FreeBSD 12.0R) (2019-04-21)
13.0ベースのrr130c190919(2019-09-19)
公式が想定している用途
デスクトップ
データリカバリ
教育目的
FreeBSDのテスト
生活に必要な最低限のアプリケーションは最初から揃っている (完全なリストはMANIFEST) シェル: fish, bash, zsh
端末エミュレータ:sakura
WWWブラウザ: firefox, palemoon
Mailer: sylpheed, thunderbird
Desktop: OpenBox
Office: LibreOffice
その他: VLC, gimp, git
intelドライバやNvidiaドライバなどの最適化をしたディスプレイドライバを使う
システム情報の一例(ThinkPad X61 & Kohjinsha )
ここでは、IBM ThinkPad X61と工人舎SK3KX06GA(Kohjin) のシステム情報を示します。
uname
code:uname -a
FreeBSD NomadBSD 12.0-RELEASE-p3 FreeBSD 12.0-RELEASE-p3 NOMADBSD i386
FreeBSD NomadBSD 12.0-RELEASE-p3 FreeBSD 12.0-RELEASE-p3 r346458 NOMADBSD amd64
code:kldstat;特にX61関連のものを一部抜粋
5 1 0x14427000 9000 acpi_video.ko
6 1 0x14430000 b000 cuse.ko
16 1 0x144b3000 93000 i915kms.ko
17 1 0x14546000 4e000 drm2.ko
24 1 0x145e2000 9000 acpi_ibm.ko
kernel configの変更点
code:NOMAD
ident NOMADBSD
options TERMINAL_NORM_ATTR=(FG_LIGHTBLUE|BG_BLACK)
options TERMINAL_KERN_ATTR=(FG_LIGHTCYAN|BG_BLACK)
USBメモリの作成
NomadBSDを使うには、はじめにNomadBSDのイメージをUSBメモリなどに書き込んでやる必要があります。
これは、以下のように行います。
macOS の場合は、以下のような感じ
code:shell
% diskutil list # USBメモリのデバイスを探す。以下ではXとする。
(snip)
% xzcat nomadbsd-1.2.img.lzma|sudo dd of=/dev/rdiskX bs=1m
FreeBSDやNetBSDなどでは、以下の様な感じ
code:shell
% xzcat nomadbsd-1.2.img.lzma|sudo dd of=/dev/da0 bs=1m
初期設定
USBメモリーを初めて刺した時には、以下のように初期設定が行われます
ブートメニュー
https://gyazo.com/a6a9cc42a3ce6389af741e8269904a1d
fontconfigの更新が行われる
https://gyazo.com/f21e7433032713ba90bb639b90c49f54
言語/localeの設定
https://gyazo.com/75e7fa76da7b1045e4775116182fd0f7
初期設定のはじまり
https://gyazo.com/946b37166e3c6d38f2f2fbb6297c9f19
キーボード配列の設定
https://gyazo.com/d20f6d6fdc5353d68af0fbf68420c06d
タイムゾーンの設定
https://gyazo.com/056500a9887a4f0ac290f349a3310367
自動ログインnomadとrootユーザのパスワードを設定する
https://gyazo.com/c515c3ce1ae93133f77335fc08958bf6
ユーザのホームディレクトリを暗号化するかどうかの設定
https://gyazo.com/1dbbe27c7b0c62de83b3e4dff472cd9f
デフォルトアプリケーションの設定(赤字はデフォルト)
Shell: fish, zsh, bash, csh, sh
Editor: ee, vim, vi
GUI Editor: leafpad, gvim, vim
Email client: sylpheed, thunderbird
Web browser: firefox, palemoon
File manager: Thunar, pcmanfm
https://gyazo.com/b60612156c7f88fb6f5d8c57ff8f8a2b
初期設定のパラメータの表示と最終確認
https://gyazo.com/5ad84d1ac2bf9fee0b9fad105386c1d9
環境設定
自動ログインしているユーザはnomad
パスワードは、インストール時に設定したもの
rootも同じパスワード(sudoも利用可能)
デフォルトシェルはfish
X11の設定は~/.xinitrcが有効
WiFi設定: Network→WiFiネットワークマネージャ
https://gyazo.com/f2674a848cbe07b0c5a24f66182bc1b2
追加設定した方が良いと思われる項目
ここでは、標準の環境に加えて、設定した方が良いと思われる項目を書いておきます。
portsを展開
/パーティションが小さいので、/usr/ports/は/homeなどの余裕あるパーティションにシンボリックリンクしておいたほうが良いでしょう
code:shell
sudo mkdir -p /home/ports
sudo ln -s /home/ports /usr/ports
sudo mkdir -p /home/portsnap
sudo ln -s /home/portsnap/ /var/db/portsnap
sudo portsnap fetch extract
CapsもCtrlにして、Caps lockキーを無くす
code:~/.xinitrc
setxkbmap -option ctrl:nocaps
code:/etc/rc.conf
keymap="us.pc-ctrl.kbd"
日本語関係
適切なフォントを追加しないと、メニューなども豆腐表示になります
fcitx関係のパッケージをインストールする
sudo pkg install ja-fcitx-mozc zh-fcitx-configtool
fcitxの設定を行う
code:.xinitrc
export QT_IM_MODULE=fcitx
export GTK_IM_MODULE=fcitx
export XMODIFIERS=@im=fcitx
fcitx &
sshdを起動する
code:/etc/rc.conf
sshd_enable="YES"
Ctrl+スペースの憂鬱
Ctrl+スペースで画面の一番上に出てくる謎の入力フォームは、なに?
コマンド実行のためのdmenu-run
見事に、むとうが使っている日本語IMの切り替えとぶち当たってるorz
~/.xbindkeysrcからdmenu_runのエントリを消せば出ない
code:~/.xbindkeysrc
# m:0x4 + c:65
VirtualBoxでNomadBSDを使う
(ユーザ領域を確保するために、USBディスクイメージを拡張する)
truncate -s +10G nomadbsd-x.y.z.img
USBイメージをVBoxManageコマンドを使ってディスクイメージに変換する
VBoxManage internalcommands createrawvmdk -filename nomadbsd.vmdk -rawdisk nomadbsd-x.y.z.img
解像度は、Settingsのarandrで調整できる
https://gyazo.com/142d0cc23744609147dee918191671a3
https://gyazo.com/4fc0d9e957d34f3539bb93f15970fd85
おわりに
NomadBSDというものが出てきました。
FreeBSD 12.1Rベースです(12.0Rと13-CURRENTも提供中)
USBメモリで起動できるので、動作確認などの用途に便利です
最近のグラフィックドライバなどの成果が取り込まれています
デスクトップ用途で使えるように調整されてます
アプリケーションも軽いものが選ばれているので、古い機械でもそこそこ使えます