2026年6月読書会(たけたつ)
『「頭がいい」とは何か』勅使河原真衣 祥伝社新書
『「能力」の生きづらさをほぐす』のつながりで、読んでみた。
「頭の良さ」で人を評価・序列化する社会への批判を展開する本。
メリトクラシー(能力主義)
日本ではメンバーシップ型雇用
筆者の立場としては、人の成果は環境や他者との関係に支えられており、個人能力だけでは説明できない。
平野啓一郎の分人主義は、「一つの能力ある自己」から離れる視点として紹介される。
能力よりもケアや相互依存に目を向けることで、競争より協調が可能になる。
西新宿小学校の通知表廃止など、序列化しない実践事例。
福祉分野では、個人を変えるより環境や関係を調整する発想が進んでいる。
著者は、複雑さに耐えながら他者と共に考え続けることを「知性」と捉え直す。
個体能力主義ではなく、関係の中で発揮される能力を重視する「関係論的能力主義」を提唱。
目次
第1章 「頭がいい」本ブームの正体
「頭がいい」ってどういうこと?
勤勉さと真面目は似て非なるもの
『バカの壁』で語られるバカってどんなバカ?
ChatGPTが考える「頭がいい人」の条件は?
コラム1 「頭がいい」子に育てたい、は正義なのか?
第2章 曖昧すぎる「頭がいい」の定義
変わり続ける「頭がいい」の定義
雇用システムと「頭のよさ」の指標
企業が求める理想の「シゴデキさん」像
ジェンダーと「頭がいい」の関係
「私、頭が悪いので」という前置きの真意
第3章 「頭がいい」論の罠――「能力」信奉が招いた生きづらさ
成果主義よりも年功序列を望む若手たち
能力主義と選抜はなぜ相性がいいのか
就職氷河期と自己責任論
日本が陥ったハイパー能力主義の罠
幸運すらも能力化される社会
ずっと勝ち続けられる人はいない
第4章 「頭がいい」の呪縛をほどく――ポスト能力主義へ
「頭が悪い」が覆い隠しているもの
退職代行の増加が示す職場の現実
評価を絶対視しない――通知表をやめた学校
評価軸を多元化すると呼吸がしやすくなる
みんながちょっとずつ「頭が悪い」社会は健全
競争から共創へ、「頭がいい」を再定義する
おわりに