2.3.3 第8・12章でやっていること
第8章
4~7章で示した〈統語論/意味論〉と〈虚構世界/ゲームメカニクス〉の区別を使って、いくつかの現象が説明できることを示している。
具体的には、以下のような現象:
類比的推論:虚構的な内容からゲーム的な内容を推測すること。
シミュレーション:ゲームメカニクスを、虚構世界のモデル(手ごたえのあるフィクション)と見なすこと。
ここでの〈類比的推論〉も〈シミュレーション〉もこの本で導入されたテクニカルな概念だが、「読者はすでに直観レベルでこれらの現象に気づいてますよね(具体例としてはこれこれ~)」という前提で話を進めている。
第12章
8章で導入された〈シミュレーション〉概念を、先行研究を踏まえてさらに明確化・定式化している。
先行研究の定義とのすりあわせ、別の分野における〈シミュレーション〉や〈モデル〉概念とのすりあわせ。
さらにそれを〈写実性(realism)〉概念と結びつけることで、いろいろな現象が説明できることを示している。