1.2 発表の目的
-- 発表要旨の引用 --
自己紹介を求められた場合に、発表者は「哲学的な観点から(より細かく言うと美学的な観点から)ゲームを研究しています」という言い方をすることがよくある。しかし、「哲学的・美学的な観点からゲームを研究する」とはいったいどういうことなのか。この自己紹介を聞かされた人はおそらくその内実がよくわからないだろうし(わからないながらも、まあそういう分野があるのかな、と思うかもしれないが)、言った本人も実は自分が何をやっているのかそれほど明確に理解しているわけではない。
本発表ではまず、発表者自身のこれまでの研究を主な例にして、ゲーム研究における理論志向の人文学的な研究(基本的に文献を読んで考えるだけの研究)が何をやっているのか、また何を目指しているのかについて、発表者なりの見解を示したい。このタイプの研究をしているのは必ずしも哲学的なディシプリンに属する研究者だけではないが、哲学者がそのうちの一部を占めるのは確かである。そのうえで、そうした研究が他のタイプのゲーム研究にとって何か意義を持つのか(持つとすればどの点においてか)について議論したい。
-- 引用ここまで --
ようするに:
自分が何をやっているのかについて、もうちょっと明確に理解したい。
それによって、自分のモチベーションや方法について、人に明確に説明できるようになりたい。
ついでに、他の分野との関係(互恵的かどうかも含め)についても理解を深めたい。