精霊を統べる者

著：P・ジェリ・クラーク

20世紀初頭、ジン（精霊）の魔法と科学の融合により大発展した魔都カイロ。そこへ40年前に姿を消した伝説の魔術師を名乗る怪人が現れ、彼を崇拝する人々を焼き尽くした。エジプト魔術省の女性エージェント・ファトマは、恋人の女性シティ、新人パートナーのハディアらと共に捜査に乗り出す。ネビュラ賞、ローカス賞、イグナイト賞、コンプトン・クルック賞の４冠に輝いた新鋭の第一長編！

絵ジカラの強い、エジプトを舞台にしたファンタジー・スチームパンク小説

アラブやイスラムなどオリエンタル文化のことはよく分からないけれど

インディ・ジョーンズのカイロの街並みたいな風景を思い浮かべつつ

そこにアラジンのランプの精みたいなのを100倍エモーショナルにしたジンたちが百鬼夜行している感じ。

典型的なWho done it なプロットに、ハリウッドのヒーロー物映画みたいなド派手な絵作りが素晴らしい。

フェミニズムやパレスチナなテーマも垣間見えるような気がする。

【今週はこれを読め！ SF編】

改変歴史のエジプトで魔術的事件を追う女たち～Ｐ・ジェリ・クラーク『精霊を統べる者』 - 牧眞司｜WEB本の雑誌