ビクトリア朝時代のインターネット
著:トム・スタンデージ、訳: 服部 桂
ハヤカワ・ノンフィクション文庫
コンピュータも抗生物質も飛行機もなかった19世紀に、インターネットがあった…⁉
ヴィクトリア女王の治世、モールス符号を用いた電信の登場はかつてない距離を即時に越えるコミュニケーションを可能にし、世界をつないだ。通信社間のスクーブ合戦、当時の最新通信技術を利用した詐欺やいかさま、オンライン恋愛、ハッキング……その社会的影響は、現代のインターネットがもたらしたものと驚くほど似ていた。現代の電話、ウェブ技術にいたる、夢想家たちが織りなした発明史とは?
情報時代の起源をヴィクトリア朝時代に見出し、読む者のメディア観を大きく刷新する名著。
まえがき
電信 - Wikipedia
以前から評判が高かった本。文庫版でようやく読む。
一番衝撃的だったのは、そのタイミング。
電信の最初の商業化は1837年。大西洋横断電信ケーブルの敷設が1866年。
もうヨーロッパっとアメリカは電信で結ばれている。
幕末じゃん。
Wikipediaによると、日本でも1870年1月(明治2年12月)に東京・横浜間で電信による電報の取り扱いが始まっている。
新橋 - 横浜間の鉄道開通が1872年(明治5年)だから、もっと早い。
1871年(明治4年)には長崎 - ウラジオストク間で海底ケーブルが敷設されていて
ヨーロッパやアメリカと電信でやり取りできていた。
1871年11月に欧州へと出発した岩倉使節団は不平等条約の改正交渉の経過報告を、この出来たばかりの回線を使い行った。
明治初期を題材に大河ドラマとかやると、これが省略されているんだな。うぬぬ。