ザ・ロード
著 コーマック・マッカーシー
空には暗雲がたれこめ、気温は下がりつづける。目前には、植物も死に絶え、降り積もる灰に覆われて廃墟と化した世界。そのなかを父と子は、南への道をたどる。掠奪や殺人をためらわない人間たちの手から逃れ、わずかに残った食物を探し、お互いのみを生きるよすがとして――。
世界は本当に終わってしまったのか? 現代文学の巨匠が、荒れ果てた大陸を漂流する父子の旅路を描きあげた渾身の長篇。ピュリッツァー賞受賞作。
ザ・ロード: 早川書房オフィシャルサイト
1年くらい前、書店でコーマック・マッカシーの文庫本がやたらと目についていた。
現代アメリカ文学を代表する作家ということだけど名前はまったく知らなくて
アカデミー賞四冠のコーエン兄弟監督映画「ノーカントリー」の原作者なのねくらい。
この映画も見てないし。
でも、ふと、本書「ザ・ロード」がSFが読みたいのベストSF2008 海外篇の第10位だったことに気が付いた。 世界が滅亡したあと、アメリカを横断・縦断する話になっていた。
それで、うっかり読みたくなった。
とはいえその舞台設定以外にはSFらしいところはなく
冒頭から殺伐とした描写がこれでもかと続き、最後まで読むのがしんどくなるくらいだった。
ハードボイルドどころではない暗黒SF。
でも最後には、他の大陸横断終末物にはない着地点で、ああ流石、素晴らしい小説だと思ったよ。