パラドクス・ホテル
著 ロブ・ハート
過去へのタイムトラベルが実現した近未来。時間犯罪取締局(TEA)の元調査官ジャニュアリーはタイムトラベラー特有の病気である時間離脱症(アンスタック)を患って退職し、時空港(タイムポート)併設ホテルの警備主任をしている。アンスタックの症状で未来や過去を幻視する彼女は、時間の止まった死体を目撃したり、自分の銃殺シーンを幻視したため、調査を開始。一方、ホテル内では時間の流れが乱れるなどの異常事態が発生し……NPR ベストブック2022選出作。
時間の止まった死体を幻視する、時間SF✗ミステリのすべての要素が噛み合った良作──『パラドクス・ホテル』 - 基本読書
雪に閉ざされたホテルの惨劇、みたいな舞台仕立てなんだけど、それがタイムトラベルのためのタイムポートの近くに立つ巨大ホテルで、集まってくる客もタイムトラベルできるのも金持ちばかり。さらに、タイムトラベル事業を買収するため世界的なビリオネアがやってきて、ホテルの警備責任者がてんやわんや。スラップスティックかと思いきや、時間軸の混乱や殺人事件も重なるSFミステリーになっていく。
でも、いくつか伏線ぽい設定が回収されていない気もする。
スピリチュアルな悟りっぽい部分がイマイチかなぁ。
パラドックスホテルだから、そんなものか。