『野生の探偵たち〈上〉 (エクス・リブリス)』
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《旅する詩人たちが描く文学の地図》
没後ますます国際的評価の高まるチリの鬼才による、半自伝的傑作小説。
1975年の大晦日、前衛詩グループを率いる若い詩人アルトゥーロ・ベラーノと盟友ウリセス・リマは、1920年代に実在したとされる謎の女流詩人セサレア・ティナヘーロの足跡を辿ってメキシコ北部の砂漠地帯に旅立つ。だが、ある事件をきっかけに二人は世界各地を放浪することに。そのおよそ20年間の旅の行方が、詩人志望の少年の日記(第1部・第3部)と、二人を知る人々へのインタビュー(第2部)によってモザイクのように浮かび上がる。
二人の主人公の言動は、実在・架空のさまざまな証言者から断片的かつ間接的に伝えられるのみ。短編集『通話』でおなじみの人物も登場し、読者は姿の見えないインタビュアーとともに彼らの声に耳を傾け、二人の足取りを探る「探偵」さながらの行為を追体験する。
ラテンアメリカのみならず世界のさまざまな文学への偏愛と、自身も詩人として出発したボラーニョによる同世代の詩人たちへのオマージュが、本書の随所で捧げられている。独特の斜に構えた世界観と、全編を貫く強烈な皮肉とユーモアに、作家の真骨頂がある。