『民のいない神 (エクス・リブリス)』
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51gHhIJQldL._SX343_BO1,204,203,200_.jpg https://www.amazon.co.jp/%E6%B0%91%E3%81%AE%E3%81%84%E3%81%AA%E3%81%84%E7%A5%9E-%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%96%E3%83%AA%E3%82%B9-%E3%83%8F%E3%83%AA-%E3%82%AF%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%83%AB/dp/4560090386/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E6%B0%91%E3%81%AE%E3%81%84%E3%81%AA%E3%81%84%E7%A5%9E&qid=1562500329&s=books&sr=1-1
砂漠にそびえる巨岩「ピナクル・ロック」。そこで起きた幼児失踪事件を中心に、先住民の伝承からUFOカルト、イラク戦争、金融危機まで、予測不能の展開を見せる「超越文学(トランスリット)」の登場!
「前方おそらく一マイルか二マイルの所に、岩でできた奇妙な地形が見えた。三つの石の塔が、宇宙を指す三本の指のように立っている。もしここで横になったらきっとそのまま死ぬのだ、と彼女は思った。私は服を脱ぐみたいに自分の体から抜け出して、あの青い空に昇っていくのだろう。」(本文より)
「UFOカルトやニューエイジのような思想、戦争とシミュレーションの親近性、メディアスクラムとネットの文化、巨大なデータベースから相関を読み取る計算プログラムや数学者、アメリカ先住民の伝承などが奇妙に関連したものとして見えてくるのが面白い。」(「訳者あとがき」より)
アメリカ合衆国カリフォルニア州南部のモハヴェ砂漠。そのただ中に巨大な三本の尖塔状の岩山(ピナクル・ロック)がそびえている。2008年、ニューヨークから旅行で来たジャズとリサは、幼い息子ラージを連れてその岩山を訪れる。ところが、夫婦が目を離したわずかの間にラージが忽然と姿を消してしまう。かつてそこは先住民の間で、あの世とこの世を結ぶ場所とされており、18世紀にはスペイン人伝道師が、19世紀にはモルモン教の暗殺組織の男が、謎めいた体験をしていた。子供の失踪事件も初めてではなく、20世紀の初頭には、白人少年を連れた先住民が目撃された結果、人狩りが行われ、20世紀半ばには、その地で宇宙との交信を図る男が大規模集会を催すさなか、少女が一人行方知れずになっていた。
ピナクル・ロックを中心に、いくつもの時代と空間が交錯し、やがてラージ失踪事件は、ジャズとリサにとって、思いも寄らぬ展開を見せることになる……。