夜明けのすべて
ネタバレあり
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なんて素敵な映画だ。良すぎた。いくつかの評判を目や耳にして気になっていたので、毎月のU-NEXTのクーポンをつかってTOHOシネマズ府中で観た。ボーはおそれている、哀れなるものたち、落下の解剖学など、観たい映画がたくさんあったけど、場所と時間の都合によって選ばれたのだけど、まじで良かった。オールタイム・ベスト・トップ10に入るだろう。すごく抑制されていて、ドラマチックなことってほとんど起こらない。恋愛関係に発展しないこととかもう本当に最低限のラインというか、当たり前にそう。誰かが死ぬとか、誰かが何かを乗り越えるとか、そういうイベントがほとんどないんだけど、終わったあとも涙が止まらなくなってしまって、なんでなのかわからなくて不思議だった。全編を通して音楽も音も少なくて静かな映画で、一方で劇場はかなり多くの人が入っていたのもあって、途中から鼻をすする音がちらほら聞こえてきて、「え?どこか泣くポイントあった?」とか思って不思議に思ってたんだけど、山添くんが「僕がそれやってみてもいいですか?」って言ってグラスに日本酒を注いで、社長と2人で弟さんに手を合わせているシーンで泣いてしまっていた。自死遺族の会のシーンとかは淡々と観たんだけど、夜明けのメモが読まれたときにようやく、むかーーし死んだ友達のことを思い出したが、そんなにドラマチックだったりヒロイックな気持ちではなく、淡々とほんのりと、強いて泣いた理由を挙げるのであればというところ。悲し泣きではなくて、多幸感とかそういう雰囲気も多く含まれていたと思う。とにかく謎。良い人しか出てこない映画だったとも思うけど、山添くんとかどうなんでしょうね、転勤を伝えに部屋に来てくれた彼女への態度、「あ、連絡とか全然してなくてごめん」の感じ、イヤなやつっぽさもあるし、そういうのも含めて全員のリアリティがある、と思った。また観たい、明日とかでも観たいなーーー。3連休の中日だからか、中高生の友達同士や親子連れっぽいお客さんも多く感じたけど、うらやましい。10代でこの作品に触れた人たちが大人になっていくっていう未来はすごい希望がある気がするなーー、とか思う。 ビビで『夜明けのすべて』を観てきた。ふかふかのプレミアスクリーンにどかっと座って上映を待っていたら、隣のブロックに座ってきた親子が直前までポップコーンをさくさく食べながら喋りまくっていて最悪だった。始まってからもさくさくポップコーンを食べながら喋っていて帰れよと思ったが、そのことを忘れるくらい『夜明けのすべて』は素晴らしい作品だった。後半あたりからずっと泣くか涙ぐむかのぐずぐず状態になっちゃって帰れよって思われてたと思う。帰らなくてごめんな。
だよね!ぐずぐずなるよね!
2024年2月9日に三宅唱監督により映画が公開された。主演は松村北斗と上白石萌音。第74回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門に出品。 夜明けのすべて
三宅唱
製作会社 『夜明けのすべて』製作委員会
公開 日本の旗 2024年2月9日
上映時間 119分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語