冬の旅
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冬の寒い日、フランス片田舎の畑の側溝で、凍死体が発見される。遺体はモナ(サンドリーヌ・ボネール)という18歳の女性。モナは寝袋とリュックだけを背負い、徒歩とヒッチハイクで放浪する日々を送っていて、道中では同じく放浪中の青年や、お屋敷の女中、牧場を営む元学生運動のリーダー、そしてプラタナスの樹を研究する教授などに出会っていた。警察はモナのことを、誤って転落した自然死として身元不明のまま葬ってしまうが、カメラは、モナが死に至るまでの数週間の足取りを、彼女が路上で出会った人々の語りから辿っていく。人々はモナの死を知らぬまま、思い思いに彼女について語りだす。 1985年、ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞。しかし当時の日本ではテーマの骨太さゆえか、1991年にようやく公開されるも、興行も批評も振るわなかった。30年以上経った今、時代が作品に追いつき、再評価の機運が高まっている。クロエ・ジャオの『ノマドランド』(21)や、ケリー・ライカートの『ウェンディ&ルーシー』(10)、シャンタル・アケルマンの『私、あなた、彼、彼女』(74)などに通じる、「漂流する女性」を描いた傑作。 良かった。おばあちゃんと飲みながら笑いまくるシーンが最高。
モナは凍死したけど俺は救急車呼んでもらえた。新文芸坐からの帰り、池袋駅構内で横になっているホームレスの人達の横を歩いて、たくさんの人が歩いていく中でもれなく自分も彼らを「見えないもの」として、救急車を呼んだり、大丈夫ですかと呼びかけることなくやりすごしていくことについて考えながら電車で帰っていて、帰りに居酒屋に寄って、路上で倒れる羽目になって、自分は救急車を呼んでもらった。俺も池袋駅構内で呼びかけるべきだった。忘れられない映画になってしまった...!!!!!