侍タイムスリッパー
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侍タイムスリッパー、素晴らしかった…映画館の雰囲気、今まであんな良い雰囲気味わったことないかも。年配の方が多く、8割ぐらい席が埋まっていて、終始笑いに包まれていた。俺の左隣の人は、いちいち笑いのツボに入ってしまって、ギャグシーンが終わったあとも肩で息してて大変そうでもうそれがこっちとしては笑っちゃう感じ。2時間ずっとそんな感じ、至福の2時間、映画体験としてはオールタイムベスト級だった。
沙倉ゆうのさんという人が、ヒロインの助監督役であり実際に助監督としてクレジットされていて「おおっ??」となったら、そのあと何回かクレジットに出てきて、制作ストーリーが気になった。というのと、映画館を出るとき、近くにいた男女カップルの女性の方が「助監督の人、本当に助監督だったんだね...!」と話していて、「そうそう!!びっくりしたーーー!!」と心のなかであいずちを打った。 監督は安田淳一、主演は山口馬木也。
概要
幕末の会津藩士・高坂新左衛門が長州藩士を襲撃した夜、落雷によって現代の京都の時代劇撮影所にタイムスリップしてしまい、「斬られ役」として生きていくという時代劇コメディ映画。略称は「侍タイ(さむたい)」。 安田監督の脚本に感銘を受けた東映京都撮影所(以下、東映京都)が「自主制作で時代劇をつくるなどと言ったらいつもなら全力で止めるが、これは本(脚本)がおもしろいから、是非やりたい」と応え、全面協力している。東映京都は100年近い歴史を持ち、数々の名作時代劇が生まれた“時代劇の聖地”。通常、撮影所で自主制作映画が撮影されることはないが、監督の“時代劇愛”が共感を呼び、異例の対応に繋がった。その協力は屋外のロケ用セットを貸し出すだけにとどまらず、衣装やメイクなど、さまざまな分野に及んだ。 2024年8月17日に池袋シネマ・ロサにて一般公開。同8月30日より川崎チネチッタにて、カットされていたシーンを含む「デラックス版」公開。同9月4日、ギャガが配給に加わり全国のシネコンなど50館以上で公開されることが発表された。同10月24日現在、318の劇場で上映中(もしくは上映を予定)している。なおデラックス版は現在、川崎チネチッタのみの上映となっている。シネマ・ロサでの上映からスタートし、全国展開した点が共通することから、映画ファンからは「カメ止めの再来」とも騒がれている。公開から1か月余りで上映館は全国140館以上に拡大し、自主制作映画としては異例の興行収入2億円超え(2024年10月まで)をたたき出している。実際、安田淳一監督も「カメ止め」を意識し、観客を巻き込めるような突き抜けたストーリー展開を意識したという。 エピソードなど
10名ほどのスタッフで制作しており、安田は車両からチラシ作成・パンフレット製作まで11役以上を1人でこなしている(巷では「安田無双」と呼ばれている)。助監督役の沙倉ゆうのは実際の助監督なども務めており、沙倉の母親も小道具の刀の整備などを手伝っている。
殺陣師・関本の役は当初福本清三を予定していたが、脚本完成前に死去したため、福本の弟子であり、長年斬られ役として東映剣会で共に活躍していた峰蘭太郎に依頼された。峰は脚本を読む前から快諾し、クランクイン前に福本の墓前に「先生の役をやらせていただきます」と報告したという。峰は道場でのシーンにおいて、福本の道着を着用したいと申し出、福本の袴を着用して撮影した(上衣には東映剣会の名が入っているため、袴のみとなった)。2024年9月15日のMOVIX京都での舞台挨拶では、東映剣会の道着で登壇。道着には福本の名が刺繍されていた(上衣右腕には峰の名、左腕に「福本清三」、襟に「東映剣会OB」と入っている)。
錦京太郎役は当初加藤雅也にオファーしていたが、スケジュールがどうしても合わず、田村ツトムに依頼された。出演は叶わなかったが2024年8月23日のシネマ・ロサでの舞台挨拶では加藤も登壇し、作品への思いを語った。
錦京太郎のかつらと衣装は、実際に里見浩太朗が使用していたものを着用。田村は途中からのクランクインだったが、台本の在庫がなく、安田が都度コピーを渡して撮影していた。錦京太郎は仲間思いの愛らしいキャラクターで観客にも人気だが、田村はライターの取材に対し「よくあるエンタメ作品に登場する“ダメでだらしないスター”のようなキャラクターでは、時代劇を愛する本作にふさわしくないと思った。」と語っている。
斬られ役俳優・安藤役の安藤は、劇中に出てくる「剣心会」のモデルになっている東映剣会の元会員であり、安藤の父もまた東映剣会の初期メンバーであった。
撮影所所長役の井上は京都弁の台詞を完全マスターするため、監督の安田に全ての台詞を録音してもらい、約3か月の間聴きこんで撮影に臨んだ。
作中、一部のシーンが2024年4月に追加で撮影されたシーンに差し替えられており、2023年の映画祭での公開時とは少し違っている(ストーリーなどには影響はない範囲)。ちなみに安田はXで2024年7月にも追加撮影があったと発言しており、一般公開ギリギリまで撮影・編集が続いていたことが覗える。この件に関して冨家は自身のYouTubeチャンネルで「安田監督の作品はサグラダ・ファミリアだと言われている」と語っている。
本作では方言指導者はいない。山口は「会津弁が出てくる映画などを参考にしつつ、『きっと新左衛門はこういう話し方をするだろう』というイメージで作りこんでいった」と語っている。また高坂の親友村田左之助役の高寺も舞台挨拶で、『たそがれ清兵衛』や『壬生義士伝』などを参考にしたと明かしている。
シネマ・ロサでは上映予定の作品の監督や出演者が宣伝のために出入口でチラシを直接配る光景がよく見られるが、安田をはじめ、冨家、山口、沙倉、神原たちも上映開始前にチラシを配って宣伝した。
シネマ・ロサでの公開初日、舞台挨拶後に近隣の居酒屋で監督、キャスト、スタッフ、来場の観客(希望者30名)とで「決起の集い」と銘打って交流会が開かれた。主役の山口馬木也は挨拶で北海道札幌市のモエレ沼公園にあるイサム・ノグチのブラック・スライド・マントラを例に挙げ、「イサム・ノグチは『作品の滑り台は子供達のお尻で、滑ってもらうことによって完成する』と言った。『侍タイムスリッパー』もより多くの皆さんに観ていただいて、この映画を“完成”させてほしい」と語った。
監督の安田は米農家と油そば屋を兼業しており、2024年9月4日のシネマ・ロサの舞台挨拶は農作業のために欠席している。ちなみに、劇中に出てくる握り飯などの米は安田の米である。
制作費の総額は約2600万円、安田の貯金1500万円と愛車のNSXを売却した金額500万円、文化庁の助成金600万円を充てている。ちなみにこのNSXは前々作『拳銃と目玉焼』の撮影に使用されている。
映画のエンディングロールの最初に出てくる福本への献辞について安田は「きっと福本さんがご覧になったら、謙虚な福本さんのことだから『そんなん、やめてくださいよ』とおっしゃられるだろうと思い、英語なら読めないので気づかないだろう(笑)ということで英文にした。」と語っている。
「英語なら読めないので気づかないだろう(笑)」いい話
大阪府のイオンシネマ大日は撮影場所のひとつとなっており、上映期間中、劇中と同じように看板が展示されている。 作中に出てくる伊丹十三作品のビデオテープは、設定の年代的に「テープがあった方が良い」と、安田が所持していたものを置いた。
時代劇シーンで使われた東映太秦映画村のオープンセットは開業50年の節目に伴い2024年から大規模リニューアルとして建て替え工事が始まっている。そのため、劇中に出てくる江戸時代風の建物の多くは既に現存しないか建て替え予定である。
2024年10月29日には、興行収入5億円を突破したことが報じられた。
侍タイムスリッパー
脚本 安田淳一
撮影 安田淳一
編集 安田淳一
配給 未来映画社
公開 日本の旗 2024年8月17日
上映時間 131分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
製作費 2600万円