ミツバチのささやき
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アナが凄すぎる。そこはかとなくずーっと子どもそばに漂い続ける死の匂い、死への興味、虚構と現実の境目が曖昧感、パンズ・ラビリンスを思い出す。アナのまなこにずっと引き寄せられ続ける。田舎の風景とゆったりとした時間感覚は風が吹くままっぽくもあり、山がなくてダーッと広がった空に不安を感じるのは甲府出身者特有のアレなのだろうか。山に囲まれてたいっていうか、包み込まれたい感じ、甲府盆地っていうのは子宮みたいなものなのかもしれないっていう謎説を思いながら、美しい映像を眺めた。
『ミツバチのささやき』(西: El espíritu de la colmena、英: The Spirit of the Beehive)は、1973年のスペイン映画。監督はビクトル・エリセ、主演はアナ・トレント。
フランシスコ・フランコによる独裁政治が終了する数年前に製作されたこの映画は、その独裁が始まるスペイン内戦の終結直後の1940年を舞台とし、内戦後の国政に対する微妙な批判を匂わせている。
内戦により分断された夫婦と若き後妻それぞれの抱える苦しみ、子どもたちはそんな状況下でも純真さを保ちつつ成長して行く。
1931年のアメリカのホラー映画『フランケンシュタイン』の物語をベースに、主人公である少女アナと、逃亡者との一時の交流とその突然の断絶を幻想的に描き出す。
歴史的背景
フランコ総統は激しいスペイン内戦の末、総選挙で選ばれた左派人民戦線政府を覆して1939年に実権を握った。内戦により様々な対立から国民は分裂し、戦後も人々は報復の恐怖から沈黙する日々が続いた。この映画が製作された1973年には、独裁政権の厳しさも当初ほどではなくなっていたが、未だ公に政権を批判することなどはできなかった。
政府批判の検閲を逃れる方法をスペインの芸術家達は心得ていた。最も有名なのは1962年『ビリディアナ』を監督したルイス・ブニュエルである。彼らは作品に象徴化を多用し、メッセージを表面に出さないことで検閲局の審査を通していた。
象徴化
主人公アナの家庭が感情的に分裂している様子は、スペイン内戦によるスペインの分裂を象徴していると言われている。
また、廃墟の周りの荒涼とした風景はフランコ政権成立当初のスペインの孤立感を示しているとも言われる。
作中何度かフェルナンドは知性の感じられないミツバチの生態に対する嫌悪をあらわにしている。これはフランコ政権下での、統率がとれているが想像力が欠如した社会を隠喩している可能性がある。
また蜂の巣のテーマはアナの家の窓ガラスの6角形模様や蜂蜜色の明かりに現れている。
アナは1940年当時のスペイン共和国の純粋な若い世代を象徴し、姉イザベルのうそは金と権力に取り憑かれた国粋主義者を示しているとも言われる。
ラスト近くでテレサの気持ちが和らぎ、家族の将来が好転する印象を与えているが、これはスペインの将来に対する希望とも解釈できる。
作品の評価
高橋源一郎は「どうして外国の子供はあんなに可愛いのだろう。あれでは『天使』という概念がうまれるのも無理はない。もちろん、ぼくは国産の子供たちを差別しているわけではない。ぼくはどちらかといえば国産愛好者で、外国の女優さんは好みではない。だが子供は違う。もちろん外国の子供たち全てが、映画に出てくるように可愛いわけではないだろうが、可愛い子供はもう絶望的に可愛い。『ミツバチのささやき』のパンフレットで淀川長治さんも挙げていた『汚れなき悪戯』のパブリート・カルボ、『鉄道員』のエドアルド・ネヴォラも可愛かったし、『ペーパー・ムーン』のテータム・オニールも『小さな恋のメロディ』のトレイシー・ハイドも可愛かった。『罠にかかったパパとママ』のヘイリー・ミルズなんてもしかしたら日本にぼくしかファンは残ってないかもしれない(中略)子供が出演した最高傑作はぼくの場合『ダウンタウン物語』に尽きる。登場人物が全員子供なんだから当たり前か。日本映画ではなかなか名前が浮かんでこない…」などと論じている。
高橋源一郎、そこはかとないロリコン感
ミツバチのささやき
El espíritu de la colmena
監督 ビクトル・エリセ
脚本 ビクトル・エリセ
アンヘル・フェルナンデス・サントス
製作 エリアス・ケレヘタ
出演者 アナ・トレント
イザベル・テリェリア
フェルナンド・フェルナン・ゴメス
音楽 ルイス・デ・パブロ
撮影 ルイス・カドラード
編集 パブロ・ゴンザレス・デル・アモ
配給 スペインの旗 ボッカッチョ・ディストリブシオン
日本の旗 フランス映画社
公開 スペインの旗 1973年10月8日
日本の旗 1985年2月9日
上映時間 99分
製作国 スペインの旗 スペイン
言語 スペイン語
ミツバチのささやき - Wikipedia