ジョーカー
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今年新作がやるらしいので、甲府に行く電車でAmazon Prime Videoで観た。良かった。画面、画作り。ホアキン・フェニックスがヤバい。怪演オブ怪演、肉体まで。肉体がすごい、肩から腕、お腹の感じ。文字通りの命を賭けた怪演。
自分はダークナイトのジョーカーをご多分に漏れず信奉というか、すごいなと、感銘を受けているわけだが、ちょっと、こういうジョーカーはみたくなかったな、という気持ちが8割ぐらいある。サノスがエンドゲームで農園で清貧な暮らし、手料理して塩をひとつまみしているのとかはだいぶ萌えなんだけど、本作のアーサーは、ただただ卑近で、俺と地続き感。いや、こう書いていて気づいたけど、サノスはフィクション、幻想の中の消費するカリスマなんだけど、ダークナイトのジョーカーはフィクションと割り切れない、ココロの中に住み着いた感があるので、「こんな弱々しいアーサーも萌え」みたいに消費できないのかも。「普通の人かよ。。」みたいな。
むかし中邑真輔というプロレスラーがめちゃくちゃ好きだったのだけど、時代はY2K、PRIDEをはじめとした総合格闘技の勢いが凄く、また1999.1.4 小川vs橋本の余波によって新日の威光が弱まって、プロレスラーがこぞって総合に挑んでは無様に敗れていった時代、中邑真輔が「一番強いのはなあ、プロレスなんだよ...!!!!」という決め台詞で息巻いていた。そんな中邑真輔を新日大好きっ子の自分はめちゃくちゃ応援していたんだけど、中邑真輔も総合に挑戦してはあっけなく散っていったときのことを思い出したりなど。幻想が崩れ去る、そういう体験。中邑真輔はそれでも、地続きとはとても言い難い、プロレスラーなんだけど。ジョーカーは完全に地続きであった。10万回ぐらい自分の人生を繰り返したら、どれか一個はジョーカーになるんじゃないかと思えるぐらい地続き。それは嫌だ。ジョーカーはもっと完璧で、圧倒的であってほしいという願望。 本作は、「DCエクステンデッド・ユニバース」をはじめ、過去に製作された「バットマン」の映画・ドラマ・アニメーションのいずれとも世界観を共有しない、恐らくマルチバースの関係にある完全に独立した映画である。ジョーカーの原点を描いた内容ではあるが、本作以前の映像作品に登場している、どのジョーカーの過去でもない。 公開時のキャッチコピーは「本当の悪は笑顔の中にある」。
背景
監督を務めたトッド・フィリップスは本作がアメリカの社会格差を風刺する作品として話題を集めたのを認めつつ、映画の超目標はあくまでもアーサー・フレックという個人がいかにしてジョーカーという悪役へ変遷するかを描く人物研究めいた作品であるとコメントしている。この構想を立てたフィリップスはスコット・シルヴァーと共におよそ1年をかけて脚本を執筆した。脚本は「タクシードライバー」「キング・オブ・コメディ」などマーティン・スコセッシ監督・ロバート・デ・ニーロ主演の作品群に影響を受け、原作コミックから大きく逸脱する内容に完成したが、配給のワーナー・ブラザースは特別な指摘を示さなかった。作品の舞台は原作コミックに共通するゴッサム・シティであり、時代背景は70年代から80年代を彷彿とさせる様相を見せているが明確な定義づけはなされず、フィリップス、マーク・フリードバーグ、エドウィン・リベラらによって1981年のニューヨークをモチーフに創造された架空の都市である。 キャスティング
ジョーカーことアーサー・フレックには個性派俳優として知られるホアキン・フェニックスがキャスティングされた。当初はスコセッシが監督し、彼の盟友であるレオナルド・ディカプリオがキャスティングされる構想もあったが、実際にメガホンを取ったフィリップスは脚本の執筆段階からフェニックスを意識してジョーカーのイメージを手がけ、彼以外起用は考えられないとコメントしている。ジョーカーに次いで重要な役どころとなるマレー・フランクリンにはロバート・デ・ニーロが起用された。トーマス・ウェイン役にはドナルド・トランプの物真似で有名なアレック・ボールドウィンが検討されたが、最終的にブレット・カレンに決まった。 新たなジョーカーの創造
本作の主人公であるジョーカーはDCコミックスのアメリカンコミック「バットマン」に登場するスーパーヴィランで、主人公のバットマン(ブルース・ウェイン)の対極に位置づけられる最悪の悪役として、ビル・フィンガー、ボブ・ケイン、ジェリー・ロビンソンによって創造された。彼に関する明確なオリジンは確立されておらず、またジョーカー自身が狂人であるため語る度に変化していると設定されている。最も有名なエピソードとして「元々は売れないコメディアンで、強盗を犯したところをバットマンから逃げる途中に化学薬品の溶液に落下し、白い肌、赤い唇、緑の髪、常に笑みをたたえる裂けた口の姿に変貌した」がパブリックイメージとして浸透している。本作ではこのオリジンないし、原作コミックや他のメディアミックス作品などとの関連性は撤廃され、一部を踏襲しながらも、脚本を手がけたトッド・フィリップスとスコット・シルヴァーによって、ゴッサム・シティで母と暮らす「アーサー・フレック」というまったく新たなオリジンが定義されたが、同時に本作のジョーカーを「信用できない語り部」とする事で、このオリジンが真実であるかどうかは全くの不明というコミックの設定も踏襲している。 なるほどね、このオリジンが真実であるかどうかは全くの不明。それならよし!これは嘘!
ジョーカーの姿は原作コミックや映像作品が有する「白い肌」「緑の髪」「赤く笑ったように裂けた唇」といった特徴が本作の彼にも踏襲されているが、先述のオリジンでは意図せず発現したこれらはすべて、コメディアンを志すジョーカーことアーサーが自ら手がけたメイクとして描かれている。衣装は原作やこれまで幾多の俳優が演じたジョーカーのスーツ姿が踏襲されたが、カラーリングは一新され、赤系統色のジャケットが特徴的なファッションが定着した。ジョーカーを演じるにあたってフェニックスは撮影開始3ヶ月前には80kg以上あった体重を「1日をりんご1個と少量の野菜のみで過ごす」過酷な食量制限によって58kgまで減量した。
やばすぎる。減量の度が過ぎてて労働基準法とか人権法に触れてるでしょ。
撮影
2018年9月より、ニューヨーク市内で撮影がスタートした。ロケ地となったのはブルックリンのチャーチ・アベニュー駅、ブロンクスのベッドフォード・パーク・ブールバード駅。ブルックリンの9番街駅の廃プラットホームでは暴力シーンの撮影も行われた。クイーンズのアストリアにあるファースト・セントラル・セービングス・バンクなどである。ニュージャージー州のジャージーシティでも撮影が行われ、ニューアーク・アベニューが一時閉鎖されてのロケが行われた。10月にはニューアーク、11月には郡道501号での撮影が行われた。
公開
当初、日本での公開は11月の予定だったが、後に10月4日に日米同時公開に変更となった。日本でのキャッチコピーは「本当の悪は笑顔の中にある」。
評価
興行成績
10月4日に公開され、アメリカでは公開初日からの3日間で9,620万2,337ドルを記録。
R指定作品として、全世界での興行成績において、『デッドプール2』が保持していた7億8,500万ドルの世界記録を塗り替え、10億ドルを超え、1位を記録。
日本では、10月4日に全国359スクリーンで公開され、土日2日間で動員35万6000人、興行収入5億4800万円で週末動員ランキングで1位を獲得し、初日から3日間では、動員49万8071人、興行収入7億5566万8700円を記録した。
10月8日までの5日間で10億2,241万3,800円を記録した。
興行収入が2019年12月15日に50億円を突破した。
評論
興行的には大成功を収めた一方で、ストーリーラインがマーティン・スコセッシ作品の「タクシー・ドライバー」「キング・オブ・コメディ」のオマージュである点、暴力や殺人を美化する内容、精神疾患に関する問題があるとされた描写から、評論家による作品への評価は賛否両論となった。Rotten Tomatoesによれば、高評価をつけたのは503件の評論のうち347件の69%、平均して10点満点中7.28点である。Metacriticによれば、58件の評論のうち高評価は32件、賛否混在は15件、低評価は11件で、平均して100点満点中59点という平均的評価にとどまっている。
監督 トッド・フィリップス
脚本 トッド・フィリップス
スコット・シルヴァー
(キャラクター創作)
(キャラクター創作)
(キャラクター創作)
製作 トッド・フィリップス
公開 アメリカ合衆国の旗日本の旗 2019年10月4日
上映時間 122分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $55,000,000
興行収入 $1,074,251,311
アメリカ合衆国の旗 $335,451,311
日本の旗 50.6億円(2020年1月時点)