お伽草紙
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面白すぎた、夜中に読みながらブホブホ笑いました、すごいユーモア。カチカチ山の、狸が兎にウンコを食べたことを指摘されてギクッとなるところが一番面白かった。あと最初はなんか設定があるのに、だんだん素の太宰が出てきてもはや隠そうともせずに「太宰は」とか書き出す感じ。桃太郎を書かない件のグダグダ言ってる感、など、とにかく全部面白い。
「「傍へ寄つて来ちや駄目だつて言つたら。くさいぢやないの。もつとあつちへ離れてよ。あなたは、とかげを食べたんだつてね。私は聞いたわよ。それから、ああ可笑しい、ウンコも食べたんだつてね。」「まさか。」と狸は力弱く苦笑した。それでも、なぜだか、強く否定する事の能はざる様子で、さらにまた力弱く、「まさかねえ。」と口を曲げて言ふだけであつた。」
—『お伽草紙』太宰 治著
まさかねえ。
「世捨人だつて、お金が少しでもあるから、世を捨てられるので、一文無しのその日暮しだつたら、世を捨てようと思つたつて、世の中のはうから追ひかけて来て、とても捨て切れるものでない。」
—『お伽草紙』太宰 治著
世を捨てようと思ったって、世の中のほうから追いかけて来て、とても捨て切れるものでない。
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「「よすぎる。」「え?」「よすぎる。」」
—『お伽草紙』太宰 治著
よすぎる
昔話を自由な発想で翻案した作品。「前書き」、孤独なお爺さんの話とした「瘤取り」、幻想的な描写で幸せな結末にした「浦島さん」、自意識過剰な少女と醜い中年男の悲しい恋愛を描いた「カチカチ山」、嫉妬深い悪妻を持つ駄目な男が少女に恋心を抱く夢の話に仕立てた「舌切雀」の5部構成。苦悩の戦時下、芸術創作に没頭することで時代に抵抗を示した時期の作品の1つ。
1945年(昭和20年)10月25日、筑摩書房より刊行された。初版発行部数は7,500部、定価は3円30銭だった。 著者 太宰治
発行日 1945年10月25日
発行元 筑摩書房
ジャンル 短編小説集
国 日本の旗 日本
言語 日本語
形態 B6判
ページ数 182