充電器メーカーの違いを理解しよう
1. 比較実験1
100W出力に対応した充電器5機種を、様々な角度から徹底的に比較検証した
比較するメーカーと製品
Anker: Anker Prime Wall Charger (100W, 3 ports, GaN)
Belkin: Belkin BoostCharge Pro (112W)
CIO: CIO NovaPort QUAD 2 (100W)
ELECOM: ELECOM EC-AC65100BK
UGREEN: UGREEN Nexode Pro (100W)
比較実験の方法
外観とスペックの比較:
各製品のサイズ、重さ、ポートの種類と数、価格などを比較します。02:47
急速充電規格の対応状況:
各USB-Cポートが、Power Delivery (PD)やPPSといった急速充電規格にどこまで対応しているかを詳細に調査します。08:23
出力効率の測定:
コンセントからの電力をどれだけ無駄なく充電に使えるかを、様々な電圧(5V, 9V, 15V, 20V)で測定し、効率を比較します。11:03
連続出力テストと温度測定:
各充電器に100Wの高負荷をかけ続け、オーバーヒートで出力が停止するまでの時間(持給力)と、その間の表面温度を測定します。14:47
過電流保護機能のチェック:
規定以上の電流を流そうとした際に、安全機能が正常に作動して出力を停止するかを確認します。21:18
実用的な充電時間の測定:
実際にノートPCを充電し、その充電時間とパワーの推移に差が出るかを比較します。22:24
実験結果
出力効率:
高出力時(20V)の効率はCIOが全体的にトップクラスで、Ankerは100W出力時で最高効率を記録しました。ELECOMは最安値ながら、他の高価なモデルに大きく劣らない健闘を見せました。13:06
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持給力と温度:
100Wの高負荷を最も長く安定して出力できたのはAnkerでした。次いでELECOM、CIOと続きます。UGREENとBelkinは比較的早くオーバーヒートしました。19:08
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90Wの持久力
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安全性:
過電流保護機能は、テストした全機種で正常に動作し、安全性が確認されました。21:47
充電速度:
実際にノートPCを充電する場面では、どの機種もパワーの推移や充電時間に大きな差は見られませんでした。22:35
結論(最終ランキング)
第1位:CIO NovaPort QUAD 2 (100W) 🏆
理由: 小型軽量でポート数も多く、低出力から高出力まで全ての項目でバランスが非常に良い優等生。27:23
第2位:Anker Prime Wall Charger (100W, 3 ports, GaN)
理由: 高出力時の性能と安定感が最も優れており、信頼性を重視するならベストな選択肢。26:31
第3位:ELECOM EC-AC65100BK
理由: 性能面で他機種に引けを取らないにもかかわらず、圧倒的な低価格。コストパフォーマンスを最重視するならこれ一択。25:41
第4位:Belkin BoostCharge Pro 112W
理由: ポート数が多く合計出力も大きいが、サイズが大きく重い点がネック。25:12
第5位:UGREEN Nexode Pro 100W
理由: 小型軽量でPPS規格にも強いが、最もオーバーヒートしやすいという弱点があった。24:23
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https://www.youtube.com/watch?v=YjuJ9PrqBm4
2. 比較実験2
30W出力の小型USB充電器を徹底的に比較・分解した
比較する製品
Anker: 511 Charger (Nano 3, 30W)
UGREEN: Mini 30W Charger (Nexode)
性能比較の実験と結果
電力効率の比較:
実験方法: 充電器がコンセントから取り込んだ電力を、どれだけ無駄なく出力できるかを測定。
結果: 両者とも80%台後半の高い効率を記録。特に15V出力時では、Ankerが90.2%、UGREENが89.9%と、性能はほぼ互角でした。04:10
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温度測定:
実験方法: 30Wの最大出力で動作させた際の表面温度を測定。
結果: Ankerの方がUGREENよりも温度が高くなりました(Ankerの天板は最大78℃)。これは、Ankerの方が本体サイズが小さく、放熱面で不利なためと分析されています。05:15
側面部分は,Anker: 64度でムラがある
UGREENは,64.5度はムラがない
分解して分かった内部構造の違い
Ankerの特徴:
2枚の基板を立体的に組み合わせることで、極めて高い実装密度を実現し、驚異的な小型化を達成しています。08:04
部品の配置や組み立て方法に非常に高度な工夫が見られ、トリッキーとも言える設計がなされています。11:08
UGREENの特徴:
Ankerに比べると、内部の部品配置には比較的余裕があり、オーソドックスな設計です。13:19
絶縁性や発熱を考慮した可能性が高い
高電圧部分と低電圧部分を分けるための絶縁シートや基板のスリットなど、安全性を重視した堅実な作りが特徴です。10:33
結論
性能面:
電力効率などの性能は両者ほぼ同じですが、Ankerの方が本体温度が高くなりやすいという違いがあります。07:42
内部構造:
見た目は似ていますが、内部は全くの別物です。小型化を極限まで追求したトリッキーなAnkerと、堅実で余裕のある設計のUGREENという、メーカーの設計思想の違いが明確に現れています。0.0:13:19
最終的な選び方:
性能に大きな差はないため、「より小さいサイズを求めるならAnker」、**「700円安い価格を重視するならUGREEN」**と、サイズ感と価格の好みで選ぶのが良いと結論付けています。14:03
ref
https://www.youtube.com/watch?v=7RD9EFxiCoA