真言密教での大日如来と天照大神
真言密教では、大日如来と天照大神はともに重要な存在です。
大日如来(だいにちにょらい)は、密教において最高の存在の一つとされ、智慧と力の両面で、また宇宙の本質的な存在であるとされています。大日如来の真言は「オン・アカリシヴァヤ・ハン(Om Akarishivaya Hum)」であり、この真言を唱えることで、智慧と力を開発し、悟りの境地に至ることができるとされています。
一方、天照大神(あまてらすおおみかみ)は、日本の神道において信仰されている太陽神であり、神道と密教の融合によって、真言密教でも重要な存在となっています。天照大神を真言で表す場合は「オン・アマテラスヴァラヤ・ソワカ」(Om Amaterasuvaraya Sowaka)となります。天照大神は、光、生命、創造、受容などの象徴として、また「天照皇大神」として日本の歴史や文化に深く根付いています。
大日如来と天照大神は、共通の精神的価値観を持つ存在であると考えられ、密教では両者の融合が試みられることがあります。これを「日蓮密教」と呼ばれ、日蓮宗や天台宗などで発展しました。
真言密教において、大日如来はすべての神仏の親仏となります。天照大神も大日如来のお徳の一つとなり、もとをただせば、大日如来に帰することになります¹。大日如来は真言密教の教主であり、密教の本尊です²。また、大日如来は高く髪を結い天衣をまとい、宝冠首飾り等をつけた美しい姿であるとされています³。
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