武器になる哲学
本書は一般的な哲学入門書の様に年代別で並んでいるのではなく、作者が有用だと思う哲学を並べている。
Whatの問とHowの問。
世界はどの様に成り立っているのか = whatの問
私達はどの様に生きるべきなのか = Howの問
世界の構成物質を考えたギリシャのデモクリトスなどはwhatであり、どの様にして生きるべきなのかを考えたニーチェはhow。
ギリシャ哲学などのwhatの問は現代においては陳腐であることが多く、現代のビジネスパーソンはその思考プロセスから学ぶべし。
まさしくこの本自体が作者である山口周の思考プロセスの記録であり、哲学の入門書のように哲学の知識を求めて読むのは間違っている。 山口さんはコンサルということだが、哲学や人文科学に深い知識を持っている。そこから生み出される哲学エッセイみたいなものが本書だ。その考察は鋭いものもあるが、首をひねるものもあり、そのまま鵜呑みにするのは良くない。
哲学という学問をどのように現代社会で使うのかという解答例として読むのが正しいだろう。
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