僕は君たちに武器を配りたい
僕は君たちに武器を配りたい
瀧本哲史
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第1章 勉強できてもコモディティ
ハイライト(イエロー) - 位置283
日本人はいつまで経っても英語がうまくならない。結局、英語学習でボトルネックとなっているのは、文法や基本単語をしっかり押さえたあとの、ヒアリングとスピーキングの学習量が圧倒的に少ないということだ。語学の学習は毎日やらなければ、効果が出ない。海外に行くと語学が上達する理由は、英語に触れる絶対量が日本国内にいるときとは比較にならぬほど多くなるからである。 英語を真剣に上達させようと思うなら、日本語をいっさい聞かない、読まない、見ない「三重苦」の環境に身を置くのがいちばん。日本語をやめて、ひたすら英語だけに触れるようにすると上達速度は飛躍的に高まる。小刻みでも、毎日英語に触れる習慣をつけることが大切なのだ。
ハイライト(イエロー) - 位置397
それでは、どうすればそのようなコモディティ化の潮流から、逃れることができるのだろうか。それには縷々述べてきたように、人より勉強をするとか、スキルや資格を身につけるといった努力は意味をなさない。 答えは、「スペシャリティ( speciality)」になることだ。 スペシャリティとは、専門性、特殊性、特色などを意味する英単語だが、要するに「ほかの人には代えられない、唯一の人物(とその仕事)」「ほかの物では代替することができない、唯一の物」のことである。概念としてコモディティの正反対といえる。
ハイライト(イエロー) - 位置409
スペシャリティになるために必要なのは、これまでの枠組みの中で努力するのではなく、まず最初に資本主義の仕組みをよく理解して、どんな要素がコモディティとスペシャリティを分けるのか、それを熟知することだ。
第3章 学校では教えてくれない資本主義の現在
ハイライト(イエロー) - 位置872
「ブームとなってから投資すると、死ぬ」というのが投資の鉄則だ。誰も投資など考えられない、焼け野原のようになっているときに投資して、誰よりも早く実った果実を回収し、「まだまだ儲かる」と普通の人が思い始めるタイミングでさっと身を引く。
ハイライト(イエロー) - 位置990
大量の広告を打っている企業は要注意
ハイライト(イエロー) - 位置1022
歴史のある会社でも、先行きがあまり明るくない企業を見分ける方法はある。まず 40代、 50代の役職者が大量にいる会社は危険だ。生産性が低いのに給料が高い高齢社員がたくさんいるということは、彼らの給料や退職金を稼ぐために、若い社員がたくさんの負担を課せられているということだ。
ハイライト(イエロー) - 位置1036
就職先を考えるうえでのポイントは、「業界全体で何万人の雇用が生み出されるか」という大きな視点で考えるのではなくて、「今はニッチな市場だが、現時点で自分が飛び込めば、数年後に 10倍か 20倍の規模になっているかもしれない」というミクロな視点で考えることだ。まだ世間の人が気づいていないその市場にいち早く気づくことなのだ。
第4章 日本人で生き残る4つのタイプと、生き残れない2つのタイプ
ハイライト(イエロー) - 位置1108
1、商品を遠くに運んで売ることができる人(トレーダー)
2、自分の専門性を高めて、高いスキルによって仕事をする人(エキスパート)
3、商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができる人(マーケター)
4、まったく新しい仕組みをイノベーションできる人(イノベーター)
5、自分が起業家となり、みんなをマネージ(管理)してリーダーとして行動する人(リーダー)
6、投資家として市場に参加している人(インベスター =投資家)
第5章 企業の浮沈のカギを握る「マーケター」という働き方
ハイライト(イエロー) - 位置1270
全産業の「コモディティ化」が進む世の中で、唯一の富を生み出す時代のキーワードは、「差異」である。「差異」とは、デザインやブランドや会社や商品が持つ「ストーリー」と言いかえてもいい。わずかな「差異」がとてつもない違いを生む時代となったのだ。マーケターとは、「差異」 =「ストーリー」を生み出し、あるいは発見して、もっとも適切な市場を選んで商品を売る戦略を考えられる人間だといえる。
★マーケターとは新しくない要素の組み合わせで「差異」を作り出せる人のこと。これからのビジネスは「差異」が左右する。 ★企業や商品で差をつけることは難しい。差をつけるには、ターゲットとなった顧客が共感できるストーリーを作ること。
マーケターにとって非常に重要な能力は、自分の商品やサービスの「信者」を作り出すことだ。「信者」を作ることで成功している会社はいくらでも挙げることができる。
人」を狙わざるを得なくなってくるのである。 その事例として非常に参考になるのが、ライブドア元社長の堀江貴文氏のビジネスだ。彼が行ったのは、どういうビジネスだったか説明しよう。 彼は
日本ではよく「技術革新」と訳されるが、実は「新結合」という言葉がいちばんこの言葉の本質を捉えた訳語だと私は考えている。既存のものを、今までとは違う組み合わせ方で提示すること。それがイノベーションの本質だ。
反対にあなたが「自分はそこまでクレイジーではないが、組織を運営してみたい」と感じるならば、それはそれで組織に必ず必要な、「リーダーの言葉を翻訳して仲間に伝える」タイプであることを意味するかもしれない。組織はリーダーだけでは成り立たない。ロールプレイングゲームのパーティには、戦士や魔法使いや盗賊といった特徴の異なる職業が必ず必要なように、企業にもリーダーが持っていない能力の持ち主が必要だからだ。
人生の重要な決断をするときに覚えておくべきは「リスクは分散させなくてはならない」ということと、「リスクとリターンのバランスが良い道を選べ」という 2点だ。
本来、真の投資家は、目先の損得を無視して、長期的なリターンを考える。だからデイトレーディングは本質的な意味では投資ではない。
商品やブランドに熱狂的なファンがいて、顧客が簡単にいなくならない企業を選ぶのが、バフェットの投資哲学だ。良い商品を恒常的に生み出す企業が時間をかけて規模を広げ、世界中に市場を拡大していくことが、イコール彼の資産を増やすことに直結したのである。
資本主義では、「自分の少数意見が将来、多数意見になれば報酬を得られる」という仕組みになっている。
投資ではよく「市場の歪み」を見つけることが重要だといわれる。「歪み」とは、本来であればもっと高い値段がついていいはずの商品が不当に安く値付けされていたり、もっと多くの人が買ってもいいはずなのに誰もまだその商品に気づいていない、といった状態を指す。つまりその「歪み」を正すことが、社会にメリットをもたらし、自分には財を運んでくれるのである。
答えは簡単だ。「株式投資ではない形で、インサイダー取引をすればいい」のである。その場合は 100%合法だ。公開株式に株式投資するのではなく、自分の知識や労働力や人脈を投資して、インサイダー取引をすればいいのである。
「株式投資ではないインサイダー取引は、 100%違法ではない」と述べたが、それをより具体的にいうと、「公開・非公開は問わず、この会社は伸びると確信したら、株式以外の投資をすればいい」ということである。
これからの世界を生きる人々にとって、世界共通言語である「英語」は必要不可欠のスキルになるということだ。私は本書の前段で「英語の勉強をしても幸せになれない」と述べたが、それは正確には「英語のスキル単体では売り物にならない」という意味である。 売りになるスキルや知識のない人が英語を勉強してもそれほどの価値は産まないが、技術者や起業家のような「売る物」がある人は、英語ができないと非常に損をするのである。インターネットで世界がリアルタイムでつながった現在、マーケットの大きさを決めるのは国境ではなく「言語」だ。日本語だけでビジネスした場合、 1億 3000万人の市場しかないが、英語を話す人々の市場はその何十倍にもなる。
投資家は「調べる一手間」を惜しまない 本書の中で F X取引などにハマってしまう人は「自分の頭で考えることをしていない」と述べたが、世の中の多くの〝残念な人〟は、「自分で調べる一手間」をかけようとしない。しかし投資家として生きるのであれば、あらゆることについて自分で調べてみて、考えて結論を出すことが必要となる。
私は投資先をどうやって決めるのか ここで参考までに、私が投資家の立場から、どのような企業に対してならば投資をしようと思うのか、説明したいと思う。 基本的に私の投資先は、直接
君たちに武器を送りたい、感想
ビジネスにおいても、物語の創作と同じく、構造を理解して換骨奪胎できる能力が重要。
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