世界史の構造
https://gyazo.com/e5bbd59eb98445384f5a6c6b8ab3507a https://amzn.to/3P0VHlC
目次
序文
序説 交換様式論
3 移行の問題
3 国家の起源
1 ネーションの形成
2 共同体の代補
3 想像力の地位
第4部 現在と未来
3 1990年以後
注
あとがき
序文
資本=ネーション=ステート
交換様式
序説 交換様式論
三位一体
共同性と平等性を要求
返礼できなければ相手を従属させる
贈与させ、受け取らせ、返礼させる力
交換様式Aを高次元で回復する
https://gyazo.com/b6d75e5cd35b5ec4f52dbe632b24ffae
社会構成体の具体例
https://gyazo.com/7b2b92ec1d23b18681248d1326ce9d5f
カントがいう意味での諸国家連邦はむろん、部族連合体とは異なる。前者の基盤には発達したグローバルな世界経済がある。すなわち、交換様式Cの一般化がある。だが、諸国家連邦とは、いわば、その上に交換様式Aを回復することである。われわれはこれまで、このことを一国単位で考えてきた。しかし、何度もいったように、それは一国だけでは実現できない。それは諸国家の関係のなかで実現されることによって、いいかえれば、新たな世界システムを創設することによってのみ実現される。 それは旧来の世界システム、"世界=帝国〟や〝世界=経済〟(近代世界システム)を越えるものである。それが 〝世界共和国〟にほかならない。それはいわば、〝ミニ世界システム"を高次元で回復することである。 カントが予想したように、二度の世界戦争から国連が生まれてきた。現在の国連は、新たな世界システムからはほど遠い。それは、諸国家が覇権を握るための争いの場となっている。しかし、国連は人類の大変な犠牲の上に成立したシステムである。たとえ不十分なものであろうと、これを活用することなしに、人類の未来はありえない。 が、現実の国連はそれらに限定されるものではない。それは事実上、〝国連システム"と呼ばれる複雑で厖大な連合体である。それはほぼ三つの領域からなっている。第一に軍事、第二に経済、第三に、医療・文化・環境などの領域である。 第三の領域は、第一と第二とは違って、歴史的に国際連盟・国連に先行している場合が少なくない。 たとえば、WHOは一九世紀からできていた国際機関が国連に参入してきたものだ。つまり、第一と第二の領域をのぞいて、”国連システム" は、誰かが設計したのではなく、 別々に国際的アソシエーションとして生成してきたものが、国連に合流することでできあがったのである。 世界同時革命は通常、各国の対抗運動を一斉におこなう蜂起のイメージで語られる。しかし、それはありえないし、ある必要もない。たとえば、一国において革命が起こり、国家の軍事的主権を国連に「贈与」するとしよう。これは「一国革命」である。しかし、この革命が外から干渉を受けたり孤立したりすることはない。どんな武力も「贈与の力」に対抗することはできないのだ。 それは多くの国家の支持を得て、国連の体制を根本的に変えることになるだろう。ゆえに、この場合は、「一国革命」が「世界同時革命」を創りだすのである。 国連を軸にするかぎり、各国におけるどんな対抗運動も、知らぬ間に他と結びつき、漸進的な世界同時的な革命運動として存在することになる。一方、各国でこのような対抗運動がないならば、国連が無視され、その結果、 世界戦争が生じるだろう。実際、その可能性が高い。しかし、悲観的になる必要はない。 カントが考えたように、世界戦争はより高度な諸国家連邦を実現することになるだけだからだ。とはいえ、それが生じるのは、各国における国家と資本への対抗運動が存在するかぎりにおいてである。 キーワード