yuisekiのGIS+AI個人活動まとめ 2025-09
関連:yuisekiの職務経歴
要旨
yuisekiは、業務と無関係な個人的な活動において、国連 UN Open GIS Initiative のDWG-7(Smart Maps)に関与し、オープン技術で“意思決定のためのスマートマップ”を推進するPdM/エンジニア。
活動はUN Open GIS Initiativeの戦略に沿い、実践共同体としてのSmart Mapsの理念(keep web maps open)を体現している。
UN公式Org配下へのFOIL4G譲渡などを通じて、ユースケース共有と品質検証の基盤づくりをリード。
MapLibre×Slintでの高性能地図UIや、Raspberry Piだけで現地配信できるUNVT Portableなど、現場運用に効くOSSエコシステムの整備に貢献している。
GeoAIでは、自然言語からOverpass QLを生成・可視化するTRIDENTと、text2geoqlデータセットの公開で、地理×LLMの実務導線を提示。
総じて、公共・国際機関の地図DXを“オープン×LLM”でエンドツーエンドに内製化できる実務家である。
ボランティア活動
UN Open GIS Initiative, DWG-7, Smart Maps Group, contributor
UN Open GIS Initiativeとは
国連本部(UNHQ)・国連地理空間情報課(UN Geospatial)直属
UNHQ, UN Geospatialは主に国連平和維持活動(UN PKO)の支援が中心
UN PKO:ミリタリー文脈強し
ミッション:Hybrid GIS
国連の各種活動や運用(特にUN PKO)に必要なGIS機能をオープンソース技術で実現すること
現状の国連のGIS機能の構成:Microsoft Azure, Esri ArcGIS
ベンダーロックイン状態
DWG-7, Smart Maps Group
UN Open GIS Initiative のDWG-7として、“意思決定のためのモダンWeb地図(Smart Maps)”を推進するコミュニティ。
Test new technorogies for situation awareness
keep web maps open for a better world
UNHQおよびUN PKOを含んだUN Staffに対するGIS+生成AI活用のウェビナー開催実績あり
当時の資料:MUNDO and TRIDENT GeoAI v2 explanation
参考:UN Geospatialが作っているUN PKOの部隊展開地図(Deployment Map)
United Nations Military Symbolsは、NATO Joint Military Symbologyとほぼ共通の体系
https://gyazo.com/0b67931b29be63ee9ed63c90a7c78165
https://gyazo.com/18f0232cf9f6308b349a5a44ec97ba5c
スクリーンショット
https://gyazo.com/5ef3a3bfbda63bc0f1c53fb4e9e3c139
https://gyazo.com/7ea4b4e6b1b35112007238b1e072f35a
https://gyazo.com/1184c44d99cb06bddc959be535a65b2a
OSS貢献活動
OSS貢献活動:GIS
UN Open GIS Initiative, DWG-7, Smart Maps Group, contributor
FOIL4G
リポジトリ
https://github.com/UNopenGIS/foil4g
OSS開発者として、UN Open GIS InitiativeにFOIL4Gリポジトリを譲渡
FOIL4G譲渡の意義とは…
オープンデータをStorybook上で可視化・検証するUI群。プレビューのレンダラーにMapLibre(+PMTilesプロトコル)を採用し、UNのユースケース共有と品質確認をスムーズにする。
UN公式Org配下による信頼性・可視性向上:UNopenGISの管理下で継続開発されることで、採用側の安心感と発見性が高まる。
“地理情報のオープン図書館”の中核化:FOIL4Gは共有リソースの集約/スキル・レシピの共有/自動処理(生成AI)促進を目的とする実装で、コミュニティ協働を前提に拡張可能。Org配下化はこの共通基盤化を加速する。
実装面の整備:WebベースのUI、API、タスク定義などの実運用に直結する構成が明示され、他プロジェクトからも再利用しやすい。
UNVT (United Nations Vector Tile Toolkit), contributor
UNVT Portable
リポジトリ
https://github.com/unvt/portable
このリポジトリの意義とは…
災害現場などネット不通でも、Raspberry Piだけでローカル配信できる地図サーバの決定版。MapLibre GL JS+PMTilesで軽量に運用でき、3D地形表示(Ctrl+ドラッグで回転)やNASADEM等の標高タイルによる俯瞰も可能。
UNVT Charites
リポジトリ
https://github.com/unvt/charites
このリポジトリの意義とは…
MapLibre Style Spec互換のYAMLでスタイルを管理するCLI。ローカルのライブプレビューとJSON生成・リンタで、スタイル制作を高速化・チーム共有しやすくする生産性ツール。
UNVT coesite4
リポジトリ
https://github.com/unvt/coesite4
このリポジトリの意義とは…
Azure ADを用いた強認証付きのベクトルタイル配信基盤。Esriインターフェースにも対応し、(OSMと国連内部情報等を統合した)最新地図の近リアルタイム配信の土台を提供。
MapLibre Organization, contributor
maplibre-native-slint
リポジトリ
https://github.com/maplibre/maplibre-native-slint
OSS開発者として、MapLibre Organizationにmaplibre-native-slintリポジトリを譲渡
MapLibre Organizationとは…
ベクタタイル地図を高性能に描画するオープンソース群(MapLibre GL JS / MapLibre Native など)を束ねるコミュニティ組織。Mapbox GLのライセンス変更を受けたフォークから始まり、Webとモバイル/デスクトップ双方で使える中核ライブラリを提供し、企業・団体によるスポンサーシップとガバナンスで継続開発されている
Slintとは…
Slintは、元Qtの開発陣が開発している宣言的GUIツールキット。専用DSL「.slint」でUIを記述し、Rust/C++/JavaScript/Pythonのロジックと接続できる。主なターゲットはデスクトップ/モバイル/組込みで、Rust製アプリはWebAssemblyにクロスコンパイルしてブラウザでも動作する。
maplibre-native-slint譲渡の意義とは…
1) 公式Org配下になることで信頼性・可視性・採用ハードルが上がり(“発見されやすさ”と“バスファクター低減”)、コントリビュータが集まりやすくなる。
2) MapLibre Native×Slintという「Rust/C++ベースの高性能地図UI」スタックの実例が増え、エコシステム拡張の呼び水になる。
3) CI等のOrg標準運用に乗ることで品質担保と長期保守がしやすくなる。※リポジトリはMapLibre配下で公開・CI稼働済み。
スクリーンショット
https://gyazo.com/5a17a4d65e7919c37fa89beb94295019
https://gyazo.com/94c97cc3c377a29664ee06d669daf6f3
https://gyazo.com/5057c4c649ea8e20002f0b1442b759cd
OSS貢献活動:LLM
llama.cpp にいくつかのPull request
このリポジトリの意義とは…
C/C++製のLLM推論エンジン。最小セットアップでローカル/クラウドの幅広いハードウェア上で高速に動作することを目標とし、GGMLスタックと併走しながらCLIや軽量サーバも提供。プロダクトに“オンデバイスAI”を組み込みやすくする代表的OSS。
ollama にいくつかのPull request
このリポジトリの意義とは…
ローカルで各種LLMを手軽に実行・管理できるランタイム/ツールチェーン。CLIとAPI、プリビルドモデル群を提供し、Windows/macOS/Linuxで利用可能。近年は公式GUIも提供され、非エンジニアでもモデル選択・実行が容易に。
個人開発・個人活動
個人開発・個人活動:GISおよびAIアプリケーション
TRIDENT
デモ動画
https://gyazo.com/75deeb74e5652b0ae70271cfde1109a0
リポジトリ
https://github.com/yuiseki/TRIDENT
実際に触れるもの
https://trident.yuiseki.net/
このリポジトリの意義とは…
自然言語 → Overpass API クエリ → 地図可視化までをワンストップで自動化するAIアシスタントの実装。テキスト指示から妥当な Overpass QL を生成し、結果を即座に地図上で検証できるため、地理空間データ利活用のアイデア検証速度を桁違いに高める。ローカル推論(ollama)にも切り替え可能な構成で、コストとプライバシー面でも事業導入しやすい。
開発経緯
TRIDENT GeoAI v2 解説
charites-ai & TRIDENT Charites
デモ動画
https://gyazo.com/94b646921d91b1093fd581aca271f8ff
リポジトリ
https://github.com/yuiseki/charites-ai
実際に触れるもの
https://trident.yuiseki.net/charites
このリポジトリの意義とは…
MapLibre Style Spec の巨大 JSON をそのまま LLM で扱う難しさを、Charites の YAML 分割+コメント設計で克服。自然言語の指示(例:「国名ラベルを黄色に」)から、AIが自動的に該当 YAML を選択・編集し、Charites が style.json を自動生成する実務的なワークフローを確立。地図スタイル作成の学習コストを大幅に下げ、ノンデザイナーでも素早くカスタム地図を量産できる。TRIDENT のデモ(/charites)と合わせ、“プロンプトで地図デザインを回す”体験を提示できる。
TRIDENT DuckDB
デモ動画
https://gyazo.com/dc8e415eaa49474a95da3efcf1445c76
https://gyazo.com/992acd3a433cca359be885c2ae231429
実際に触れるもの
https://trident.yuiseki.net/duckdb
このリポジトリの意義とは…
DuckDB の spatial 拡張による地理空間 SQL(GEOMETRY 型・ST_* 関数群)を TRIDENT の文脈に取り込み、DuckDB Wasmを使うことで、ブラウザ/ローカルでの自然言語による軽量な空間分析体験を提示。高価なサーバや専門 DB 構築なしで、チームが自然言語だけで地理データ探索→意思決定まで到達できることを実証。
planetiler-ai
スクリーンショット
https://gyazo.com/6edfbe4ff7eff9a8bcaa4e439450a6a5
AIが作った、世界の鉄道だけの地図
https://gyazo.com/94e93ff6e5e60fa48cf649c635d89833
AIが作った、世界の川だけの地図
https://gyazo.com/7ac45ae8d7327cdaee7049a3d5fe4b04
AIが作った、世界の海底ケーブルだけの地図
https://gyazo.com/8e0ee88184359efe016d8d0680f26ced
AIが作った、世界の水ストレスの可視化地図
https://gyazo.com/abdc273b6e1a700e3c23bc717c057e21
AIが作った、世界の生物多様性の可視化地図
リポジトリ
https://github.com/yuiseki/planetiler-ai
実際に触れるもの
https://tile.yuiseki.net/
このリポジトリの意義とは…
AI エージェントが自然言語指示に基づいて半自律的にテーマ別ベクトルタイル地図のスキーマを定義→Planetiler でベクトルタイル生成→TileServer GL で配信まで行う PoC。スタイル生成(見た目)だけでなくベクトルタイル地図のデータ生成パイプライン自体を AI が回せることを示し、ドメイン特化タイル(河川・鉄道など)の量産と高速実装を可能にする。実例のタイルとスタイルは公開タイルサーバーで確認可能。
個人開発・個人活動:AI基盤技術
infinite-tinyllama
リポジトリ
https://github.com/yuiseki/infinite-tinyllama
実際のLLM
https://huggingface.co/yuiseki/models?search=tinyllama
このリポジトリの意義とは…
小規模言語モデルである TinyLlama を LoRA で多言語・用途別に量産するための訓練オーケストレーター。datasets/(HFデータセットのYAML記述)→tasks/(目的定義)→recipes/(GPU別レシピ)→makeで一括学習/評価という再現可能な手順を提供し、12–24GB VRAM 前提でも回せる現実的な設計。生成物は GGUF 変換してローカル実行を想定し、実際に日本語・各言語の1.1B TinyLlama群を多数公開。さらに第三者によるGGUF量子化配布も登場しており、実運用の裾野(端末/エッジ)を広げている。
YuisekinAI
リポジトリ
https://github.com/yuiseki/YuisekinAI
実際のLLM
https://huggingface.co/yuiseki/models?search=YuisekinAI
このリポジトリの意義とは…
フルスクラッチで大規模言語モデルを構築するための、自前事前学習/事後学習の生産ライン。LLMのトークナイザ学習データ準備、トークナイザ学習、DeepSpeed/ZeROによる事前学習の実行など、ゼロからLLMを学習可能なパイプラインをスクリプトで整備。成果物としてMistralアーキテクチャベースで0.3B〜1.1B規模の「YuisekinAI-*」モデル群を公開し、コミュニティによるGGUF量子化ビルドも出回るなど再利用・普及の動きあり。“社内で小さく作って早く回す”という内製の選択肢を具体化。
YuisekinAI-mergekit
リポジトリ
https://github.com/yuiseki/YuisekinAI-mergekit
実際のLLM
https://huggingface.co/yuiseki/models?search=YuisekinAI
このリポジトリの意義とは…
mergekit+進化的探索(mergekit-evolve)で、学習コストを抑えて性能を引き上げる“複数のLLMのモデル合成パイプライン”を提供。configs/・eval_tasks/・evol.sh・merge.shで評価駆動の自動マージを回せる構成。背景技術として mergekit 本体と Elyza Task 100 を使った進化的マージ例を明示し、フル再学習なしにドメイン適合度を素早く上げる現実解を提示。YuisekinAI群や外部基盤モデルの再利用価値を最大化する。
text2geoql-dataset
リポジトリ
https://github.com/yuiseki/text2geoql-dataset
実際のデータ
https://huggingface.co/datasets/yuiseki/text2geoql
このリポジトリの意義とは…
自然言語→地理クエリ(text2geoql)の新タスクを定義し、TRIDENT 中間言語と Overpass QL のペアを1000件超合成。大部分を軽量 LLM(TinyDolphin)で自動生成し、実際の Overpass API 実行で正答性を検証。地理×LLM の研究・プロダクトに再利用しやすいオープンデータセットとして公開(Hugging Face 参照)。
NLP2025-tutorial-2
リポジトリ
https://github.com/yuiseki/NLP2025-tutorial-2
チュートリアル動画
https://www.youtube.com/watch?v=okqNl0SUubw
このリポジトリの意義とは…
日本の言語処理学会の2025年・年次大会(NLP2025)でチュートリアル講演として登壇発表した資料。
「言語処理 × 地理情報」を体系化したハンズオン教材。
001: 生成AIで Overpass QL 生成/GeoJSON 可視化
002: DuckDB + SQL による空間分析(Natural Earth 等)
003: MapLibre/style.json と Charites による地図カスタム
この一連の流れで、研究〜実装〜可視化までの実務導線を提示。企業にとっては新人育成や内製化加速の即効教材として価値が高い。