yuisekiの個人活動要約
概要
地理情報(GIS)と生成AIの交差領域において、オープンソースと実務要件(特に国連PKOを含む国際機関の現場)を橋渡しする形で、研究開発から運用・普及まで一気通貫で推進してまいりました。モダンWeb地図、ベクトルタイル基盤、自然言語からの地理クエリ生成、ローカル推論を含むAI活用まで、プロダクト・OSS・コミュニティ貢献を通じ、現場の意思決定速度と再現性・持続可能性の向上に寄与しております。
ボランティア活動(国際機関)
UN Open GIS Initiative / DWG-7 Smart Maps Group(Contributor)
目的:Hybrid GISの実現(UN業務、とりわけUN PKOで必要となるGIS機能をOSSで具現化)
背景:既存のMicrosoft Azure / Esri ArcGIS依存に対し、オープンなWeb地図を推進
貢献:意思決定支援のための「Smart Maps」技術検証・普及、GIS×生成AIウェビナー登壇
主要なOSS貢献
UN Open GIS Initiative
FOIL4G(リポジトリ譲渡)
Storybook上でオープンデータの可視化・検証を行うUI群。“地理情報のオープン図書館”の中核として、知見・リソースの集約、スキル・レシピ共有、生成AIによる自動処理を推進。Web UI・API・タスク定義を整備し、他プロジェクトからの再利用性を高めております。
MapLibre Organization
maplibre-native-slint(リポジトリ譲渡)
宣言的GUIツールキットSlintとMapLibre Nativeを組み合わせ、Rust/C++起点の高性能地図UIスタックを提示。公式Org配下化により信頼性・可視性を高め、標準CIに乗せることで品質担保と長期保守を強化いたしました。
Code for Japan
covid19-surveyor(プロジェクト立ち上げ)
通称:新型コロナ調査ちゃん
クラウドソーシングによって主要省庁と都道府県や自治体の新型コロナウイルス対策の経済支援制度をまとめて検索可能にするソフトウェア。新型コロナウイルスによって生じた大きな経済的な打撃に関する支援制度が膨大な数立ち上げられ、その一方で市民や事業者が探し出すことが困難な状況になっていたという問題に対して、クラウドソーシングやシビックテックのアプローチで解決策を提示いたしました。
個人開発・研究(GIS × AI)
TRIDENT(自然言語 → Overpass QL → 地図可視化の自動化)
自然言語による指示で生成したクエリを即時に地図上で検証でき、アイデア検証の速度を飛躍的に向上。ollamaによるローカル推論にも対応し、コストとプライバシーやセキュリティに配慮した導入が可能です。
charites-ai / TRIDENT Charites(Style JSONを安全に扱う実務ワークフロー)
CharitesのYAML分割+コメント設計を活かし、これまで不可能だった自然言語指示による地図スタイルを生成AIが自動編集・生成。「プロンプトで地図デザイン」の体験を実装レベルでいち早く確立しました。
TRIDENT DuckDB(Wasm+spatial拡張)
ブラウザ/ローカル環境のみで軽量な自然言語による空間分析をいち早く実現。高価なデータベースサーバ構築を要さず、チームでの探索から意思決定までの導線を提示しております。
planetiler-ai(テーマ別基盤ベクトルタイル自律生成)
AIエージェントがスキーマ定義→Planetilerで生成→配信まで半自律で実行。河川・鉄道・海底ケーブル・水ストレス・生物多様性など、ドメイン特化タイルの量産を可能にいたしました。
個人開発・研究(AI基盤・データセット)
infinite-tinyllama
TinyLlamaをLoRAで多言語・用途別に量産する訓練オーケストレーター。12–24GB VRAMを想定し、GGUFへの変換で端末/エッジ推論を実用化しております。
YuisekinAI / YuisekinAI-mergekit
フルスクラッチでのデータセット選定・事前学習・事後学習パイプラインの整備に加え、mergekit+進化的探索で学習コストを抑えつつ性能を引き上げるモデル合成を実装しています。
text2geoql-dataset
自然言語→地理クエリ(TRIDENT中間言語+Overpass QL)の1,000件超データセットを公開。自動生成結果を実行で検証し、地理×LLMの研究・実装に再利用可能といたしました。
NLP2025-tutorial-2
「言語処理×地理情報」を体系化したハンズオン教材を提供し、研究〜実装〜可視化の実務導線を提示しております。
その他関連OSS貢献活動(抜粋)
Code for Japan:
mapprint(Web地図の紙での印刷配布最適化)
analyze-poverty
OpenFisca-Yuisekin
UN Open GIS Initiative:
unvt/portable(Raspberry Piでのローカル配信)
unvt/charites(Style YAML+CLI)
unvt/coesite4(Azure AD認証+リアルタイムベクトルタイル配信)
GIS関連:
maplibre-gl-js
systemed/tilemaker
placemark/placemark
react-leaflet-google-layer
open-reverse-geocoder
AI関連:
llama.cpp
ollama
AI×GIS関連:
hotosm/fAIr-utilities
価値提供・インパクト
国連PKO等の実務要件に即したOSSベースのGISを推進し、ベンダーロックインの低減と現場運用の即応性を両立。
TRIDENT系を中核に、生成AIを駆使したクエリ生成→可視化→分析→スタイル生成→タイル生成までの統合パイプラインを構築し、意思決定の速度と再現性を高めております。
YuisekinAI系で示したように、小〜中規模LLMの内製・合成・オンデバイス推論を実務水準で提示し、コスト最適化とプライバシー・セキュリティ配慮を両立いたしました。
スキル(抜粋)
GIS / 地図:MapLibre、ベクトルタイル(Planetiler/TileServer)、Overpass API、PMTiles、スタイル設計(Charites)
AI / LLM:LoRA訓練、mergekit合成、GGUF最適化、ローカル推論(llama.cpp/ollama)
データ処理:DuckDB(spatial)、GeoJSON、SQL、Wasm実装
開発全般:Rust/C++/Python/TypeScript、Web/モバイル/デスクトップ/組込み横断の設計・実装・運用
自己PR
現場の制約やセキュリティ要件を尊重しつつ、オープンソースと実務運用の橋渡しを粘り強く進めてまいりました。仮説検証を素早く回し、定性・定量の両輪で意思決定を行いながら、再利用可能な成果物と手順として残すことを重視しております。ユースケース起点で価値を定義し、小さく速く検証し、成果をコミュニティへ還流することで、組織内外の生態系に持続的なインパクトをもたらす所存です。