OSC 2026 Sendai スライド
遊びと協力 — 平時のオープンな遊びは、なぜ非常時の力になるのか
yuiseki (松村結衣)
株式会社Geolonia / UN Smart Maps Group
OSC 2026 Sendai
2026/06/06
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いまの私は何者か
yuiseki
松村結衣
株式会社Geolonia プロダクトマネージャー
UN Open GIS Initiative DWG7 / UN Smart Maps Group ボランティア
オープンソース開発者・シビックハッカー
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今日のテーマ
15年前から現在までの振り返り
sinsai.info が起点
かなり個人的なストーリー
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OSSリポジトリの寄贈
UNopenGIS/foil4g
国連への初のリポジトリ譲渡
https://gyazo.com/48ab6ce22feef09be290e89a92f94f3b
unvt/vt-optimizer-rs
UNVT (The United Nations Vector Tile Toolkit)
MBTiles / PMTiles を inspect / optimize するツール
国連本部で使って頂いている
https://gyazo.com/c10f7a6f58bd7932c68ad0095742af6a
maplibre/maplibre-native-slint
MapLibre Native
いま最も勢いのある地図 OSS プロジェクトの一つ
Slint
新世代のクロスプラットフォームUIフレームワーク
GitHub にリポジトリを公開していたら、 MapLibre のボードメンバーからメールが来た
https://gyazo.com/08fb049801a5e2ee220b2d798913a1ff
著名OSSへの貢献
maplibre/maplibre-gl-js
世界中の Web 地図の基盤 OSS
https://gyazo.com/cfa1473264471d4dd28c0b75cd7e5603
https://gyazo.com/e3518b4862ef7ac00d010b6d987ed555
ggml-org/llama.cpp
AI を遊ぶための基盤
https://gyazo.com/4003710c3384c97791a4d8b787f0b9be
https://gyazo.com/171765e9858fedd831c9bb1c825e959c
OSS実績のまとめ
実用的な小さい道具の立ち上げ
GIS OSS を国連系の実用へ
MapLibre x Slint の新しい参照実装
本流のOSSへの貢献
MapLibre = 地図OSSの本流
llama.cpp = ローカルLLMの本流
気がついたらGitHub日本二位に
committers.top/japan
https://gyazo.com/587f952494df915f03b628a45f983771
でも実感としては、ずっと遊んでいるだけ
https://gyazo.com/050a73b30b8b96a208f25a143149cb12
https://gyazo.com/167d23b32a42d1c79d11faee665e0585
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自己紹介ここまで
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15年前の私はハッカーに憧れるワナビーでした
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15年前 = 2011年
東日本大震災
15年前の私
すごい人になりたかった
でも自分はまだ何者でもなかった
ネットとリアルのギークコミュニティで遊んでいた
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2011年、sinsai.info で何をしていたか
前置き
15年前の話なので、正直記憶は曖昧です
私の主観的な経験に絞ってお話しさせていただきたい
全体を事細かに把握・記録していた人はほとんどいないかも
sinsai.info
東日本大震災
非常時の情報支援
https://gyazo.com/04e924949ca79baabdc9241795e70299
気がついたら sinsai.info の Skype チャンネルにいた
混乱
困りごと
必要な人
声をかける
つなぐ
code:txt
震災当日は、正直かなりパニックでした。
気がついたら sinsai.info の Skype チャンネルにいて、あとはもう、とにかく困りごとが多かったので、それに相性が良さそうな人に片っ端から声をかけていました。
遠慮はなかったです。
必要なタイミングに必要な人を呼びまくっていた
サーバーに強い人
DB に強い人
Web 実装が速い人
情報整理が得意な人
なぜ今あなたが必要なのかを説明する
code:txt
「この人はサーバーまわりに強い」
「この人は Web の実装が速い」
「この人は DB に強い」
「この人は情報整理が得意」
みたいな感覚で、
必要なタイミングに必要な知人を次々に招待して、
なぜあなたが今ここで必要なのかを説明して、
つないでいました。
傑出した人たちが一つの目的に向かって協力した
私は主役ではなかった
傑出した人たちをつないだ
非常時の人力ハブ
code:txt
だから、私の仕事は、コードを書くことそのものよりも、傑出した人たちのスキルを非常時に接続することだったと思っています。
かっこよく言えばハブとかコーディネーターとか触媒(カタリスト)ですが、当時はそんなことを考えていたわけではなくて、ただ目の前の困りごとに対して「あの人なら何とかできるかもしれない」と思って呼んでいただけです。
あの場に集まってくれた人たちは、本当に個性的で、しかもかなり傑出していました。
私は当時の自分のことを、彼らと同じ意味で傑出していたとは到底言えません。
ただ、彼らがすごかったからこそ、その人たちが今ここに必要だと判断してつなぐ役割には、ちゃんと意味があったのだろうと思っています。
自分が呼んだ人が本当に来てくれたときは、「あとは頼むわ」と思っていました。
AWS の巨大支援で「これは遊びではなくなった」と感じた
負荷で破綻
AWS の支援
EC2
ギークの遊びから社会的責任へ
code:txt
最初のうちは、平時のネットコミュニティの延長線上にいる感覚も少しはありました。
Skype でコミュニケーションしていたし、普段から大規模雑談チャンネルみたいなものはあったので。
でも、ずっと緊張感はありました。
計画停電の話でパニックになったり、データセンターの発電機用の燃料が足りない、みたいな話が飛び交っていたりして、社会全体がただならぬ状態でした。
そして、かなり初期の段階で sinsai.info のサーバーが負荷で破綻し、AWS が異常な高スペックの EC2 を寄付してくれたときに、「これは遊びではなくなった」とはっきり感じました。
普段のネットコミュニティの延長で始まったものが、もう完全に別の重みを持ち始めた瞬間だったと思います。
それでも自分にできることを、とにかく必死にやった
困りごとを見つける
相性の良さそうな人を思い出す
Skype で呼ぶ
必要性を説明する
スキルを接続する
code:txt
2011年の sinsai.info で私がやっていたことは、かなり乱暴に言えば、
困りごとを見つける
その困りごとに相性の良さそうな人を思い出す
Skype で呼ぶ
なぜ今あなたが必要なのかを説明する
傑出した人たちのスキルを接続する
という、人力のハブでした。
当時の記事
https://gyazo.com/2486ffe8e316afe9ac04e99b37f15070
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震災よりも少し前のお話
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なぜ私は「コミュニティの見取り図」を持っていたのか
震災以前から
ネットでもリアルでも
ギークのコミュニティで遊んでいた
キーワード
Twitter
リナカフェ
Ustream
ハッカソン
CodeRepos
はてなブックマーク
Skype
Twitter
個人のひとりごとがオープンに流れる
浅く広い関係
いま何を気にしているか
誰と会話しているか
コミュニティの現在地
code:txt
当時の Twitter は、今よりずっと「個人のひとりごとがオープンに流れている」感じが強く、従来のチャットや掲示板のようにテーマの場に集まるのではなく、個人の発言がそれぞれ開かれていて、そこから非常に浅く広く、数百〜数千人規模で関係できる場でした。
ここで重要だったのは、Twitter そのものが単なるコミュニケーションの場だっただけでなく、「あの人がいま何を気にしているか」「最近どんな技術に食いついているか」「誰とよく会話しているか」が可視化されることでした。
私にとっては、コミュニティの“現在地”を更新し続けるためのタイムラインでした。
誰がどの分野に強いかという固定的な知識だけではなく、「界隈でいま注目されているのは何か」「いまこの瞬間なら、誰がこの話に一番反応するか」という温度感を掴めたのは、かなり Twitter 的でした。
秋葉原リナックスカフェとリアルなギークの場
通称リナカフェ
ギークの待ち合わせ所
秘密基地
公共圏
ネットで見た人にリアルで会う場所
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/b9/Linux_Caf%C3%A9.jpg
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/f1/Inside_Caff%C3%A8_Solare_%40_Linux_Caf%C3%A9.jpg
code:txt
ここは私にとって、単なる喫茶店ではなく、リアルな接触が発生する「ギークの待ち合わせ所」「秘密基地」「公共圏」でした。
私は、Linux カフェを「ギークたちの秘密基地のように頻繁に待ち合わせ場所として利用される、秋葉原の中でも特に重要なスポット」と感じていて、
電源や Wi-Fi が開放され、オフ会で多少騒いでも許容されることが、ギークにとって非常に重要な条件だったと記憶しています。
要するにここは、ネット上で見ていた人にリアルで会う場所であり、リアルで会った人とまたネットでつながり直す場所でした。
信頼関係や空気感は、こういう場でかなり補強されました。
Twitter オフ会や忘年会と、Ustream と、ネットとリアルが奇妙につながる時代
ネットで見ていた人が現実に存在する
タイムライン上の強い人たち
身体性
ノリ
技術の話にすぐ入れる
https://gyazo.com/c5a917a37a4db1643f4f8df8b5f085d4
code:txt
リナカフェ同様に重要だったのが、 Twitter オフ会や勉強会、忘年会のような「半分イベント、半分雑談」の場です。
私は、渋谷で集まった Twitter オフ会(参加者 50 名)や、昨年末の Twitter 忘年会(参加者 150 名)、Mozilla 系のイベントなどに参加していました。
当時のこうした場の役割は、単に交流することではなく、
「ネットで見ていた人が現実に存在することを確認する」
「タイムライン上の強い人たちの発言が、どんな身体性やノリを持っているかを知る」
「初対面でもすぐ技術の話に入れる」
ことでした。
雰囲気としては、ビジネス的な交流会よりはずっと雑で、学校の講義よりずっと濃く、でも排他的な内輪だけでもない、という独特の感じでした。
さらに当時は、勉強会やイベントが Ustream やニコニコ動画で同時中継・録画共有されることも珍しくなく、リアルの場がそのまま公開文化と接続していました。
CodeRepos
すごい人の成果物を見る場所
まだすごくない自分でも足をかけられる場所
協同を前提にした雑多な置き場
https://gyazo.com/25af7c70a62612b8a97f0d9d3a5159c4
code:txt
CodeRepos というすごいプロジェクトがありました。
今では GitHub の存在は当たり前になりましたが、それよりも前に GitHub 的な取り組みが日本のギークのコミュニティでありました。
これは私にとって、「すごい人の成果物を見る場所」であると同時に、「まだすごくない自分でも、同じ土俵に足をかけられる場所」でした。
CodeRepos は、もともと分散していた個人の公開リポジトリを一緒くたにしよう、参加者全員がどのファイルも見たり変更したりできるようにしよう、という思想で運営されていた共有リポジトリです。
「つくりかけで放置したもので他の人が興味もったら続き作ってもらう」「メンテするのめんどくなったのだれかにやってもらう」「突発的に誰かと一緒にプロジェクト始めたりとか、できる!」と明記されていて、まさに“協同を前提にした雑多な置き場”でした。
CodeRepos は、巨大な一つの製品を全員で作る場ではなく、小さい便利なプログラムや設定ファイルを持ち寄る場所であり、現代的プログラミングのスタイルをよく表していると書いています。
雰囲気としては、GitHub 以前の「公開してるから見ろ、気になったら勝手に触れ」という感じが非常に強かったです。
「はてなダイアリー」と「はてなブックマーク」を中心としたギークのブログ圏
誰が何に強いか
いま何に興味を持っているか
どういうセンスの人か
長文の人格
短い反応
最新関心
code:txt
ネット空間に話を戻すと、「はてなダイアリー」や「はてなブックマーク」を中心としたギークのブログ圏も重要でした。
私にとってここは、「誰が何に強いか」「いま何に興味を持っているか」「どういうセンスの人か」を観測するレーダーでした。
なにより、Web 上に自分の生活情報や技術的関心を豊富に載せられるようになった結果、「他者の情報行動を容易に覗き見ることができるようになった」ということが重要でした。
すごいハッカーはどんなニュースサイトを見ているのか?それがわかる。
加えて、プログラミング習得の近道として、RSS リーダーによる情報追跡、ソーシャルブックマークによる技術トレンドの共有、Wiki やブログにおけるスクリプト公開なども重要でした。
つまり、はてなダイアリーは長文の人格と思想が見える場所、はてなブックマークは短い反応と最新関心が見える場所でした。
私はここを見ることで、様々な人々の「最近どこに熱があるか」がかなり分かっていたんです。
Skype の大規模チャンネルと日常的な接続
Twitter / はてなでの相互観察
リアルの接触
Skype での常時接続
非常時に動く回路
code:txt
これは公開記録より私個人の記憶に依る部分が大きいですが、役割としてはかなり重要でした。
Twitter やはてなで互いの関心を知って、リナカフェや Twitter オフで顔を合わせた人たちが、今度は日常的な雑談や相談を Skype で継続する。
つまり、リアルの一回限りの接触が、継続的なコミュニケーション経路に変わる場所でした。
2011年に sinsai.info で人を呼びまくれた直接の導線は、私の記憶ではこの Skype 的な常時接続にかなりありました。
これは「場」としては非公開で、当時のネットワークが実際に動く回路そのものでした。
ワナビーとして遊び回った結果、見取り図が頭の中にできていた
遊び
観察
接続
信頼
温度感
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5年前=2020年
新型コロナウイルス
新型コロナ調査ちゃんで起きたこと
Code for Japanで「新型コロナ調査ちゃん」プロジェクトを立ち上げ
https://gyazo.com/b0835dcd2b7b252be35417ea81c8e1db
code:txt
2020年、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言がありました。
2011年の経験が、2020年に別の非常時で再起動した
人を一人ずつ呼ぶ
から
人が自然に巻き込まれる形を設計する
へ
code:txt
新型コロナ調査ちゃんでは、2011年のように「私が一人ずつ人を呼んで回る」のではなく、人が自然に巻き込まれる形を、多少なりとも設計できるようになっていたと思っています。
「遊びが役に立つ」から「遊びがそのまま協力になる」へ
新型コロナ調査ちゃん
Code for 荒川智則
自治体サイト
支援制度情報
Slack UI
分散検証
https://gyazo.com/22b218a44b619fe3f48ed39e223a7566
code:txt
「新型コロナ調査ちゃん」、は Code for 荒川智則という半匿名的な謎のチームとして私が立ち上げたもので、各自治体サイトから支援制度の情報を集め、振り分け、整理する仕組みを作っていました。
当時は「エンジニアでなくても貢献はできる」とサイトで明示されていて、Slack 上の「新型コロナ調査ちゃん bot」に参加すると URL が流れてきて、「はい」「いいえ」「迷う」など Slack 上の質問に Slack 上の UI で答えるだけで分散検証に参加できるようになっていました。
これはまさに、私が講演で言いたい「遊びがそのまま協力になる」形です。
人を説得して集めるというより、力になりたい、しかも面白そうだ、でも良いから入ってみたら自然に参加できる形ができていたんです。
クラウドソーシングとゲーミフィケーションで人が自然に集まった
はい
いいえ
迷う
Slack Bot
分散作業
自然参加
ランキング
https://gyazo.com/8b27fd3f3c56611145463cfbefd1a107
https://gyazo.com/01a8be49515b44518ba679a732aa5d3a
シェルスクリプト製 Slack Bot という悪ふざけが、逆に人を巻き込んだ
真面目な civic tech
でも技術的には悪ふざけ
Shell
雑で変な感じ
手伝いたくなる余白
https://gyazo.com/ec75019707027ddc3ab39299808fae99
https://gyazo.com/fe590748e9c78fef0d32c2f7ab2c90ef
code:txt
新型コロナ調査ちゃんはすごく真面目な civic tech でありながら、技術的にはかなり悪ふざけしていました。
私が立ち上げた部分は、ほとんど全部をシェルスクリプトで書いた Slack Bot + Web サイトでした。
普通に考えると「なんでシェルスクリプトなんだよ」という話なのですが、むしろその雑で変な感じが、「ウケる、まあ任せてくれ」と言って手伝ってくれるエンジニアを呼び込んだ面もあったと思っています。
非常時の協力を、少し設計できるようになっていた
平時のオープンな遊び
雑談
公開文化
相互観察
信頼関係
非常時の協力へ
code:txt
もう一つ大きいのは、2011年に私が学んだのは、「非常時には人が急に善人になる」という話だけではなかったことです。
むしろ、平時から続いていたオープンな遊び、雑談、公開文化、相互観察、ちょっとした信頼関係が、非常時になると一気に協力へ変わる、ということでした。
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国連OSSにどうつながったか
タダで地図表示したい
UNVT を見つけた
バグを直した
PR を送った
巻き込まれた
「タダで地図表示したい」から UNVT を見つけた
国連だからではなかった
使えそう
バグがある
この機能がほしい
そこから始まった
code:txt
ある時期に「タダで地図表示したいなぁ〜」と思って、いろいろ調べていたんです。
そこで見つけたのが UNVT でした。
最初は本当にそれくらい雑な入口です。
国連だからどうこうではなく、単に「お、これ使えそう」「でもバグあるじゃん」「この機能あったほうがよくない?」という感じでした。
バグを見つけたら、呼吸するように pull request を送る
完璧なタイミングを待たない
小さく投げる
見つけたら直す
呼吸するように PR
code:txt
そこから、私はかなり自然に pull request を送り始めました。
ここは自分のポリシーでもあるのですが、私は昔から「見つけたらとりあえず送る」ほうです。
深く考えて完璧なタイミングを待つより、まず小さく投げる。
その意味では、UNVT や charites に入り込んだ最初の動作は、特別な志望動機ではなく、バグがあったから直し、呼吸するように pull request を送っただけでした。
「メンテナーにならないか?」から巻き込まれる側になった
メンテナー
週次定例
国連の月次定例
呼ぶ側から
巻き込まれる側へ
code:txt
でも、そこから先は明らかに変化がありました。
「メンテナーにならないか?」
「週次定例に参加しないか?」
「国連の月次定例にも来ないか?」
みたいに、今度はどんどん巻き込まれる側になっていったんです。
「チャンスは必ず来る。その時は迷わず巻き込まれる覚悟を持て」
PR を送った
誘いが来た
全部乗った
気がついたら国連 OSS の中にいた
code:txt
最初から「国連に貢献したい」と強く設計して入っていったというより、まずは普通に自分の遊びとして地図まわりの OSS を触っていて、そこから pull request を送り、気がついたら国連 OSS の中に入り込んでいた、という感じです。
ただし、「巻き込まれるかどうか」は偶然ではなく、自分で選んだと思っています。
ここで大事なのは、リポジトリを見つけて pull request を送ったこと自体は偶然っぽく見えるかもしれないけれど、その後の誘いに全部乗ったのは自分だ、ということです。
私は「チャンスが来たら迷わず掴め」とかなり本気で思っているので、面白そうだ、もっと難しくて楽しい遊びができそうだ、もっと優秀な人たちと関われそうだ、と思ったら、迷わず参加しました。
だから、これは就職活動みたいに「国連に行きたいから戦略的に入りました」という話ではないです。
むしろ、おもしろい OSS を見つけて、自分の欲望に忠実に触っていたら、その延長で国連につながった。
そして、つながった後に本気で応えた。
そこが重要だったと思っています。
charites と国連への接続
UNVT
charites
地図デザイン
日々の微修正
国連のワークフロー
https://gyazo.com/a82ba34382f9f01fbbd6cc099a06d2ef
code:txt
結果として、UNVT / charites のような国連まわりの OSS のメンテや改善、ワークフローの中に入り込んでいきました。
charites は地図デザインをかなり扱いやすくする道具で、国連では日々の地図デザインの微修正や調整に役立っていると聞いています。
vt-optimizer-rs は、ニーズを見つけて即座に刺した
地図データ
スタイル
品質
性能
インスペクター
国連本部でも使われる道具
code:txt
そのあと vt-optimizer-rs のようなツールも作ることになって、こちらは地図データやスタイルの品質や性能を改善するためのインスペクターとして、国連本部でも使われていると聞いています。
でも、まだ全然満足していない
役に立つものを一つ作れた
でも終わりではない
もっと良いもの
もっと気持ちよく遊べる形
もっと大きなニーズ
code:txt
vt-optimizer-rs は、少なくとも現時点では、私にとってかなり大きな達成です。
国連で実際に使われるところまで届いたし、「ちゃんとニーズがあるものを見つけて、そこに即座に刺す」という意味では、かなりうまくいった例です。
ただ、一方で、あれは私の中では
「難しすぎる問題に何年も苦しんでようやく辿り着いた究極の作品」
という感じではありません。
むしろ、
「ここにニーズがあるな」
「じゃあ作るか」
「思ったよりスッと解けた」
「しかも思ったより刺さった」
という感覚のほうが近いです。
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今後の展望
地図や地理空間情報の OSS を
もっと実用的に
もっと深く
もっと鋭く
code:txt
今後の展望その1として、地図や地理空間情報の OSS を、もっと実用的で、もっと小さく、もっと鋭くしていきたいです。
国連や自治体や現場で本当に使えるものって、壮大な理想論より、日々のワークフローの中で「これ地味に助かるな」という改善の積み重ねだったりします。
charites や vt-optimizer-rs は、まさにその方向でした。
なので今後も、地図のデザイン、品質、性能、運用、可搬性みたいなところで、ちゃんと刺さる OSS を作りたいです。
今後の展望
遊びと協力の関係を
もう少し意識的に作る
面白くて
自然に人が集まり
ちゃんと役に立つ OSS や場
code:txt
今後の展望その2として、遊びと協力の関係を、今後はもう少し意識的に作っていきたいです。
2011年の私は人を呼ぶ側でした。
コロナのときは、自然に人が巻き込まれる形を少し設計できるようになりました。
国連 OSS では、今度は私自身が巻き込まれる側にもなりました。
まだまだこれから
人生の総まとめではない
ここまででも十分面白かった
でも、まだまだこれから
これまでの延長で、もっと貪欲に遊ぶ
平時のオープンな遊びは、非常時の協力の土台になる
遊びが予想外の場所につながる
code:txt
今日話したかったのは、すごい人になりましょう、という話ではありません。
迷惑をかけたり怒られたりしながらでも、人間は遊び、学び、役に立てる
失敗
怒られる
学ぶ
続ける
役に立つ
後ろめたさ
code:txt
むしろ、最初はワナビーでも、遊びながら公開し、誰かの役に立ち、怒られたり迷惑をかけたりしながらも続けていると、ある日それが非常時の協力やOSSの貢献につながることがある、という話です。
まずは自分のリポジトリで公開してみてほしい
小さくていい
未完成でいい
変でもいい
まず公開する
気になる OSS は、とりあえず fork してみてほしい
読む
動かす
直す
送る
巻き込まれる
code:txt
だから、いきなり大きなプロジェクトを作らなくてもいいと思います。
まずは自分のリポジトリを作る。
気になるOSSをforkする。
小さいPRを送る。
変なBotを作る。
そういう遊びが、あとから自分でも予想しなかった場所につながることがあります。
まとめ
15年前の私はハッカーに憧れるワナビーでした
今も、実感としてはずっと遊んでいるだけです
でも、その遊びを本気でやってきた結果
少しだけ人の役に立てる場所にたどり着けました
code:txt
15年前の私はハッカーに憧れるワナビーでした。
今も、実感としてはずっと遊んでいるだけです。
でも、その遊びを本気でやってきた結果、少しだけ人の役に立てる場所にたどり着けました。
なので最後に言いたいのは、本気で全力で遊ぶことには、ちゃんと意味がある、ということです。
本気で全力で遊ぶことには意味がある
ありがとうございました