Note for GRF2023 Pledge by OpenGeoCommunity
世界規模のカバー率で、かつ、オープンなライセンスの地図データは限られているため、主にOpenStreetMapを使うことになると思います オープンなライセンスの地図データを国が手動して整備している場合も確かにありますが、それは一部の先進国に限られるはずです
OpenStreetMapのデータに基づいて、Raspberry Pi上で動く、柔軟に特定の地域と特定の懸念事項にフォーカスしてWeb地図を生成できるようなオープンソースソフトウェアを開発することは、このpledgeの役に立ちそうです そのようなソフトウェアの開発には、私がこれまで何度も試行錯誤してきたソフトウェアのノウハウを活かせそうです
これまでの私のこれらのソフトウェアプロジェクトには、切実なニーズや需要、明確なユースケースが欠けていました
たとえば、災害によって難民が発生している地域の地図を、災害の種類に応じてカスタマイズしたスタイルで配信することには需要があるかもしれません
また、他にも、難民を受け入れている地域の地図を、難民の方々が読みやすい言語や、文化的背景によって違うであろうニーズに応じてカスタマイズしたスタイルで配信することには需要があるかもしれません
もちろん、難民の方々が自分自身のために自分自身で地図をカスタマイズできるようになることが、このpledgeにおいては重要です
難民の発生している地域では、OpenStreetMapのデータが不十分である可能性が考えられます
私たちの住んでいる地域ですら、OpenStreetMapのデータが常に完璧だとは限りません
よって、OpenStreetMapのマッパーになることは、必要不可欠だと思います
このプロジェクトは、現地の住民たちが自分自身で航空写真および衛星画像から地物を認識するAIを地域の建物の特性に合わせてファインチューニングして、自分たちの地域を効率的にマッピングすることを目的としたものです
あらかじめ地図データをスマートフォンにダウンロードしておくことで、完全にオフラインで検索やルート案内までできます
コソボで本当にとても役に立ちました
LLMについてですが、いくつかの強みと、いくつかの困難があります
強みについて
ChatGPTやGitHub CopilotのようなLLMは、GISエンジニアリングに関する正確な知識を、充分に持っています
ただし、LLMからそうした知識を適切に引き出すためには、人間の側にも充分な体系的な基礎知識と、LLMの性質の理解が必要です
私の考えでは、GISエンジニアリングにおいてChatGPTやGitHub Copilotを活用するための、最も基礎的な最小限の体系的な知識をドキュメントにして、その先はChatGPTやGitHub Copilotを実際に使いながらWeb地図を開発してみる、というようなトレーニングをすることが、人間の負担も減って良いのではないかと思います
また、ChatGPTのGPTsも、この文脈において特筆すべき存在だと思います
naogifyさんがMapLibre GL JS の開発アシスタントを作っていましたよね
ChatGPTは(実際には利用回数にレート制限がありますが)教わる側にやる気があれば、何時間でも質疑応答に対応してくれる教師のようなものとして使うことができます
しかも、人間の教師と違って、何人でも個別に細かく対応することができます
GIS分野のエンジニアリングの学習や訓練、スキル習得において、LLMの活用を模索することは、大きな価値があると思います
困難について
ChatGPTやGitHub Copilotを使うためにはお金が掛かります
USDで価格が決定されているため、地域によってはとんでもなく高額なものとなってしまう可能性があります
解決策の可能性の一つとして、Microsoftにスポンサーを依頼することが考えられます
MicrosoftはAzureでOpenAI Serviceを提供していますし、GitHubはMicrosoftの子会社です
そして、Raspberry PiでChatGPTに相当する性能のLLMを動かすことは非常に難しいのが現状です
また、LLMはマイナーな言語においては顕著に性能が下がってしまうという問題もあります
私は、マイナーな言語におけるLLMの性能を補うために、fAIrのようなアプローチで、その言語を扱う人々が自分自身でファインチューニングできるような仕組みが必要だと考えていますが、これはGISとは若干離れた分野の話題になります
code:pledge.md
# 難民包摂に向けた私たちの宣言 | 団体名: UN Smart Maps Group of the UN Open GIS Initiative
## 私たちの宣言 (GRF2023 pledge)
私たちは、地理空間情報技術を通じて難民を中長期的に支援します。
## 宣言の詳細
### 宣言に込めた思い
このイニシアチブは、インターネットや電源網から離れた環境でも学べるように、難民に基本的なWebおよびGISのスキルを提供することを目的としています。また、難民が公共の利益に貢献できるデジタル人材となる可能性を探求し、さらなる難民の増加を増やさないことを目指します。
### 今後の挑戦・取組
2027年までに100人の難民にWebおよびGISのデジタルスキルの訓練を実施し、危機状況に対応できるシステムを確立することをKPIとしています。
## 団体概要
### 概要・構成メンバー
UN Open GIS Initiativeの7番目のドメインワーキンググループであるUN Smart Maps Groupによって主導されるOpenGeoCommunity for GRF2023が、このイニシアチブを推進します。
### 普段の活動
UNVT (United Nations Vector Tile Toolkit) および、Raspberry Pi上でそれらを動かすUNVT Portableや、charitesというベクトルタイル地図のスタイルを記述するためのソフトウェアなどを開発・保守しています。