「Gender Identity」(ジェンダーアイデンティティ)を「性同一性」ではなく「心の性」「性自認」などと訳すことは差別です
「心の性」と訳すことでトランスジェンダー当事者がどんな目にあっているか
「心は個人の主観だから他人が客観的に確認不可能じゃないか」等と言われて事実誤認に基づく罵詈雑言を浴びせられ他の人々と平等な生活を送れずに差別されています
「性自認」と訳すことでトランスジェンダー当事者がどんな目にあっているか
「自認ってことは自分で認めるってことだろ、つまり自由意志で選べる自己申告じゃないか」等と言われて事実誤認に基づく罵詈雑言を浴びせられ他の人々と平等な生活を送れずに差別されています
ジェンダーアイデンティティ=性同一性は
個人の心の内面だけの問題ではないので「心の性」は極めて危うい誤解を招く誤訳です
自由意志や自己申告による自認ではないので「性自認」は極めて危うい誤解を招く誤訳です
身近にトランスジェンダー当事者がいれば、そうした人々が人生を通じて一貫して自己の性のありように何らかのトラブルを抱えている……というのは一目瞭然です
とにかくなにかがズレている人、特に自分の性別を周囲の他者にどう表現するのか等に関して
髪型
服装
仕草
身近にずっと知り合いのトランスジェンダーがいたら、カミングアウト前からそうした「あれ?」「おや?」と思うような違和感の兆候は正直いってなんとなく見られたはずです……よね?
こうした違和感を出してしまうのは、単なる内面的な心のありようや、ましては自由意志による選択ではなく
「生得的な性に関する自己意識の同一性」と「生得的な身体的社会的性」との齟齬の結果です
「生得的な身体的社会的性」に沿って生きることがとても困難なので
非典型的な性的振る舞いをしてしまい、周囲に違和感を覚えられるというわけです
身近にずっと知り合いのトランスジェンダーがいて、カミングアウト前にそうした兆候に一切気づかなかったとしたら…
あなたがめちゃくちゃ鈍感な可能性
性的ステレオタイプをあまり気にしないおおらかな人であるとも言える
そのトランスジェンダーがものすごく徹底的にシスジェンダーを装っていた可能性
というわけで
こういう雑な訳、そろそろやめてくれないかな
「性自認」でググると
よくわからないサイトの、よくわからない独自の解釈の適当な説明記事がトップに出てきてしまう
割と最悪、本当に良くない
シスジェンダーあるある
ニュース記事とかではほとんど「性自認」という間違った訳語ばかり使われている
大抵「性自認」という言葉までしかたどり着かない
「性自認」という言葉でググって上述のよくわからないサイトの、よくわからない独自の解釈の適当な説明記事を読む
大抵「心の性と体の性が食い違っています」みたいな信じられないくらい雑な説明が書かれている
法務省のWebサイトですらそういう説明をしている
性同一性は個人の内面の問題ではないので「心の性」という言葉を使うのはおかしいです
差別を助長しているとすら言える
本当に勘弁してほしい
「自分はこれまで別に自分は男だ/女だみたいなこと意識したことないし性自認ってよくわからないなあ」とか言い出す
そりゃそうだろそれが性同一性と身体的社会的性に齟齬がないってことなんだから
「私の主観では性同一性なんてものの存在を認知できないからやっぱり主観的な心の問題なんじゃないの?」とか言い出す
それは性同一性と身体的社会的性がズレて無い人間の言い分
性同一性が身体的社会的性とズレている人間は、性同一性という概念を主観的に体験しているし、客観的にも生活上の不適応などのトラブルとして現れている
研究でも客観的に性同一性の存在が確認されている
結局のところシスジェンダーの人々が、性同一性という、身体的性とは別の、性に関する自己意識の実在を、認識したり確信することはかなり難しいと思われる
あなたが認識したり確信したりできなくても実在する現象はあります
別に共感も理解もしなくていいからそっとしておいてください